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初めて、小説というものを書きました。小説ってこういうものですか?読むの専門で初心者で全然わかりません。温かく見守ってくださると嬉しいです。
突然しゃべり始めて怖いかもしれないが聞いてほしい。
どうしても知っておいてほしいことだから。
ある寒い日だった。
その日は部活で帰るのがいつもより遅くなり、駅は人が少なかった。
電車が来るまで待っているとどこからか音が聞こえてきた。
暇だったし、ちょうどいいと思って見に行ってみることにした。
駅にのピアノを弾いている姿を見つける。
私は音楽とかすごく詳しい訳じゃないけど、これはわかる。
ムっちゃうまい。
弾いているのは制服からして私と同じ高校の人だろう。
身長も座っているからわかりにくいけど、まあまあ低い。
あっ、見てるのばれた。
振り返った時にふわっと髪の毛が揺れる。
視線で何か用かと聞かれる。
「ええっと、お上手なんですね、ピアノ弾くの」
とりあえず笑顔で話しかけてみる。
先輩かもしれないし、一応敬語にしとこう。
「ありがとう、良かったら、一緒に弾く?」
うれしいけど、私はピアノとか弾いたことがない。
家にあるけど、だれも使っていない。
やったことのある楽器なんてリコーダーぐらいだ。
ここは恥をさらす前に辞退しておこう。
「ありがとうございます。でも、弾いたことがないので遠慮しておきますね」
すると、向こうは少しむすっとした顔で、
「せっかく同じ高校のピアノ仲間ができたと思ったのに…」
くっ、美少女の落胆顔を見るのはきつい。あわてて、
「と思ってたんですけど、急にやりたくなっちゃって。もし良かったら教えてくれませんか」
するとわかりやすいぐらい、ぱあっと笑顔になって、
「もちろん!わたし、3年の天沢 沙羅。よろしく!!」
天沢先輩ね、沙羅ってピッタリの名前だ。
「私は西園寺 花音、1年です。全力で覚えるのでよろしくお願いします」
自己紹介をして、教えてもらってるうちにだんだんわかってきた。沙羅先輩は教えるのが上手みたいだ。
楽譜も暗記した。普段の勉強で鍛えた記憶力が役に立ったみたいだ。
指の動きも弓道の時と一緒で、うまくイメージすることが大切だ。
お手本コピーするように、沙羅先輩みたいになるようイメージする。
よし、弾いてみよう。
「~~♪~♪ー~♪」
弾いてみて分かった。
難しい。
当たり前だと思われるかもしれないが、これでもたいていのことをうまくできる自信がある。
ただ、指の動きとか音とかそういうの頭ではわかってても、うまくできない。
弓道と一緒だ。
必要な筋肉とか指の動かし方が今の私にはない。
だからうまくいかない。
まぁ、初めてやったしこんなものかと思い直す。
先輩のほうを見ると、美少女が台無しなくらいのあほ面だった。
「かっ、花音ちゃん。ピアノ初心者なんだよね?なんでそんなにうまいの?」
うまい?私が?それはないだろう。沙羅先輩の方が10倍はきれいだった。
「いや、私はピアノ歴長いから。
一緒にしちゃ困るから。
花音ちゃん、きっとピアノの、ううん、音楽の才能がある。
私youtuberやってるんだ、一緒にすごいyoutuberになろう!
花音とさらならできる!!音楽界を変えれるよ!!!」
うぉー、ぐいぐい来る。
いや、無理でしょ。
youtuberになるとか、音楽界を変えるとかそういうスケールの大きい話をされても困る。
てゆーか、花音先輩youtuberやってるんだ。
有名なのかわからない。
あんまり詳しくないから。
なんにせよ、先輩はちょっと、ううん、かなり夢見がちみたいだ。
はぁ、どうやって説明しよ。