カゾエウタ
ひとつ 独りは嫌だと泣いた
ふたつ 二重のおさげ髪
みっつ 三日月 頼りなく
よっつ 四辻の 惑い闇
いつつ いつしか 姿も 見えず
むっつ 無明に 飲まれて 消えた
ななつ 嘆きの 声だけが
やっつ 止まずに 渡り行く
ここのつ ここまで 届いたならば
とおに 気付くや 涙跡
独りは嫌だと泣いていた
二重まぶたにおさげ髪の女の子は
三日月が頼りなく照らす夜に外へと飛び出し
この世とあの世が交差する四つ辻の闇に囚われ
救われようもなく姿を消してしまった
その身が目に映らなくとも
ただ悲しげな声だけが
風に乗って響き渡っている
その声がここまで聞こえてきたのならば
とうに気付いているでしょう?
その子の頬にはっきりと残る
涙の跡に