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GLAIVE (狂炎伝承)   作者: 団栗山 玄狐
Ver.05 異国の戦場
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act40 仕掛けられたconfronting

act40 仕掛けられたconfronting(対峙)



「死にたがっているか・・・確かにそうかもしれんな。お前の言う通りだ。

信じていた奴らに裏切られ、最愛の娘も人体実験に使われ、なお命まで握られ

動きが取れなくなったオレになにが残る。」

失望で染まる瞳をカナメに向けるシュトーレン・ヴァルト。



「そのための復讐かよ、あんた。道連れにされる奴らからすればたまったものじゃない。」


「そうだな、本当なら貴様もその対象になるはずだったのだがな。」


「なるほどな、でもそうしなかったのはオレが今いる部隊が原因かね。」

カナメは腑に落ちたという感じで話す。


「そうだ、貴様を呼び出すためにお前を調べるうちに奴らに行きついた。今回の計画もその時に考えたのだ。」

静かにたたずむシュトーレンは、ただ語るだけだ。


「その計画とやらのおかげでウチのメンバーの機嫌が悪くなってかなわない。

どうせ、依頼はあんたと娘の殺害。そしてそれにかかわる基地や研究所の破壊なんてところか。」


「そうだ。だが最初は断られた。」


「そりゃそうだ。オレたちは暗殺組織じゃない、あくまでも人助け集団なんでね。そんな依頼は受けないよ。」


「だから、貴様とセーレンを救出することを追加したのだ。これならば納得してくれたようだ。」


「それでも渋々だ、だいぶ無理を言ったようだな。」

と呆れ気味に言うカナメ。


「みたいだな、だがこれしかオレと娘が解放される方法がない。」


「そうかよ、まあ基地の情報は知っている。なかなかやばいことをしているみたいだ。ここの情報も確実に消し飛ばすよ。

依頼だからな、そう割り切ることにするよ。」


「ああ、後は頼む、グレイブのブレイク。」

その言葉聞いた後、カナメはシュトーレンにハンドガンを向け2発撃つ。


その音が悲しく響いた後、シュトーレンは倒れる。


その顔は、先ほどまでの疲れていた顔ではなく安らかな顔になっていた。


「まったく、嫌な役目を押し付けやがって。アンタらしくもない。」

と一人ごちる。


そして、その場を後にする。


しばらくして、カナメは高台から先ほどまでいた基地を双眼鏡で見ていた。


そこに5台ほどワゴン車が来た。車から降りて来た彼らは倒れている兵士たちに目もくれず、

管理棟になだれ込む。

何かを回収しようとしているように。


「さて、これで終わりだ。」

とつぶやくと右手のリモコンのボタンを押すカナメ。


すると管理棟から爆発音が響き、その後基地を飲み込むように黒い球体が現れ、爆発する。

周辺に爆風を広げ、火山の噴火のような煙を上げる。


基地があったところは、巨大な穴のみになっていた。


それをカナメは確認すると、

「ほんと、嫌な依頼だよ隊長。でも依頼は完遂した、カナメとしてではなくグレイブとしてな。

じゃあな、隊長。」

とつぶやくとカナメはその場を後にした。

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