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GLAIVE (狂炎伝承)   作者: 団栗山 玄狐
Ver.05 異国の戦場
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act37 依頼のtruth

act37 依頼のtruth(真相)



「さて、保護対象はいることを確認できたな。」

ウィルスはカナメとセーレンを見てそういうと

タブレットで次の作戦を確認し始める。


「カナメ、時間がないのでお前は目的地に向かうといい。こちらは、そのお嬢さんはオレたちと来てもらう。」

とシグナルは静かに言う。


「そうか、そういうことか。」

カナメは納得していた。


今回の茶番・・・いや依頼の内容にある程度察しがついたようだ。


「せやね、カナメはんにもある程度の情報開示しときますか。

今回の依頼は、大華連邦主義国の特務部隊フォグ・シザーズの壊滅及び特務研究施設の壊滅とそれに伴う情報の削除。

対象人物の救出、及び指定人物の抹殺なんですわ。」

と語り始めるウィルス。


「そうか、だからシグナルが機嫌が悪いのか。」

静かにたたずむシグナルを横目にため息交じりでごちる。


「確かにそうですわ。今回のような依頼は、あいつが一番嫌うタイプですな。

特務部隊と研究施設の壊滅は喜んでやるやろけど、指定人物の抹殺は違う。

そういうことやりたくないからこの部隊にいるのにな。」

ウィルスは両手を広げ、お手上げポーズをとる。


「それでも理解はしている。指定人物の抹殺が最良であるからか。」


「そうなります。なもんでカナメはんには特務部隊フォグ・シザーズの壊滅をお願いしますわ。

できますやろ。」


「そうだな、それが依頼人のご指名何だろ。あの人は不器用すぎるからな。」


「何いってんの。あんた一人で1000人ほどいる基地を壊滅なんてできるわけないじゃない。」

涙目のセーレンが訴えかける。


「まあ、対したことではないだろう。そのくらい。前回の作戦でもオレ一人でそのくらいは無力化した。

こいつが来なかったせいで。」

シグナルは嫌味を含んだ言い方でカナメたちの方に体を向ける。


「そんな事できてたまるものですか。」


「オレがそのことアンタの目の前で証明して見せたんだがな。」


「うっ。」

言葉に詰まるセーレン。


確かに見せつけられたのだ、このシグナルという男に。

アレは本当に現実なのか、と疑うような光景を。


否定したくなる出来事がすでに目の前で起こされている。


なので強く否定できない。


「ちなみに私は作戦の大まかまでは聞いていますが詳細な事は聞かされていません。

救出対象と抹殺対象は誰なんですか?」

とリセトが尋ねて来た。


先程の惨劇から少し立ち直ってきたようだ。


「ああ、そやな。もう隠す必要性はないやろ。救出対象はカナメはんとそこのお嬢さん。

で、抹殺対象は特務部隊フォグ・シザーズ隊長シュトーレン・ヴァルトとその娘さんや。

ちなみに依頼者はシュトーレン・ヴァルトはん。」

とウィルスは軽い口調で答える。


「なんで、隊長がそんな依頼をしてくるの?おかしいわ。」

セーレンの言うことは最も過ぎる。


だが、

「それをアンタに理解してもらうためにこれからオレたちと行動を共にしてもらう。

人が人にやってはいけない暗部を見るために。」

シグナルは静かにそしてさみしそうに答える。


これから行われる、悲劇と言う名の茶番を憂いるように。


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