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GLAIVE (狂炎伝承)   作者: 団栗山 玄狐
Ver.03 宗教団体《幸福の導き》
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act28 秘められた力のmeaning

act28 秘められた力のmeaning(意味)



「貴様!何を」

ツヌキは怒りをあらわにする。


「この力の意味も託された願いも、

 何も理解せず、ただむさぼることしか考えないアホの相手をしてやるほど

 オレは暇人じゃない。」


「この私を選ばれしものである私をバカにするな」

黒刃を振り上げカルウめがけて駆け出すツヌキに対し

カルウのまなざしは冷ややかだった。

それとは対照的に彼の右手にある赤刃のオーラは荒れ狂うようにあふれ出す。


ツヌキが自分の間合いに入る前に歩みを止めた。

慌てるツヌキに対してカルウは正面を向け

「どうだ、自分がやったことをやり返される気分は」


「何?」

その言葉に八ッと気づき自分の足元を見る。

赤いオーラがツタのように両足に絡みついていた。


「どこを見ている。余裕か」


カルウが言いながら左手の平をツヌキに向ける。


そして、気合を込めるとそこからあふれる赤いオーラがツヌキに襲い掛かる。

逃げようとするツヌキだが両足に絡みつく赤いオーラがそれを許さない。


身体を包み込むほど赤いオーラが凶暴な怪物に見てしまうほどの危機感を感じているツヌキ。

先ほど赤刃をつかんだ時の恐怖が体を走り抜ける。

迫る赤いオーラを見つめるツヌキの表情は怒りから絶望に変わっていく。


そして、顔を横に振りながら後ずさるたいのだが足元に絡みつく赤いオーラがそれを許さない。

表情が悲壮な懇願となっていく。


迫る赤いオーラはその懇願すらもあざ笑うように襲い掛かり、ツヌキを飲み込み霧散する。


その後、ツヌキは右手の黒刃が地面に落ちる。本人も両ひざをつき前のめりに倒れる。

意識を失っているようだ。


残る教祖らしき人物は、その場に座り込み自分自身の両腕で自分を抱きかかえるようにわずかに震えていた。


その姿を確認するとカルウは手に持っていた赤刃を背中にある鞘に納める。

一息つくとカルウが出していた威圧感も治まっていた。


一部始終を見ていたミナミたちは、すでにへたり込んでいた。

今見ていたのはアクション映画が何かなのかというような顔をしていた。

非常識な現実を見せられればそうもなるのかと考えがまとまるがそうもいっていられない。

後始末が山積みである。


まるで屍が累々と広かる戦場のように人が倒れている状態だ。

幸い誰一人死んではいない。

だが人数が人数である。頭の痛い状態が残る。


そこに村の有志が集まってきた。

先ほど阪和道貫通線 千早山間口 第一駐車場及び第二駐車場にいた連中が手伝いに来てくれたのだ。

これで何とかなるとカルウはほっとした。

さすがに、一日の連戦はこたえたようだ。

その場を任してカルウは黒刃を回収して帰路についた。


騒ぎは一応終わった。


教祖が捕まったことがわかり警察と小競り合いをしていた残りの信者も素直に投降したという。

主要な幹部連中は、警察に引き渡し信者たちをどうにかすることが残る。

あと約三百人の身の振り方である。

この話も実はついていた。

三ヵ月ほど全員を更生させるべく指導を村で行い、

その後、近隣の町や市に振り分けられる。

どこも人手不足なため、更生した人間ならば大歓迎だという話である。


ただ、まだ先の話である。


カルウは神主とともにある場所にいた。

巨大な石碑の下が開き社のようなものがあらわれた。

その社にカルウは愚者の黒刃を収める。

この社は封印の社と呼ばれている。


収められたものの力を利用し封印の結界を作り出すものである。

そのため、半永久的に社に納められたものを取り出すことが不可能となる。


その社からカルウが出るとそばにいた神主がさらに巨大な石碑の下の入り口をふさぐ。

これにより社の位置も封印される。


「よくやってくれた、カルウ。これで幾星霜の願いをかなえることができた。

あの霊剣は人の手に余る。本来は封印されるべきだったのだがうまくできなかった。

だが今回のことで三毒の霊剣が封印できた。上出来だと思うよ」

神主とカルウは帰路につきながら話始める。


「そんなことはないよ、柴本さん。それに霊剣の一つはオレが持っているから封印されていないよ」


「いや、そんなことはない。君という人間に封印されている。

それに本来、三毒の霊剣は人間の身を亡ぼすといわれる心の毒を取り除くために作られたものです。

それを違った使い方をされたことが問題だ。だから今回きちんと封印できたから良しとしよう。」


「そんな安直でいいんですか」


「いいんだよ。それにこれからの方が大変だ。

 ここまで問題が山積みなるとは思わなかった。」


「そうですね。しばらく騒がしくなりそうです。」


「まあ、苦労も楽しめれば社会人として一人前の大人になるんだろうよ」


「なんですか、それ。いいこと言って名言でも語ってるつもりですか。恥ずかしい」


「お前のツッコミって割と攻撃力強めだよな」


「だいぶマシになったと思うんだけど」


「まあ、いいんじゃないか。それで。」

と、どうでもいいことを話しながら夜は更けていく。


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