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GLAIVE (狂炎伝承)   作者: 団栗山 玄狐
Ver.03 宗教団体《幸福の導き》
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act24 耐えるもの -立山ミサキ-

すいません。タイトルネタがうまくできません

act24 耐えるもの -立山ミサキ-



耐えるしかなかった。ただただ、弟妹を助けるために。

そして、自分の存在意義のために。


そう思っていた。二人の姿を見るまでは。


事前に可能性としては聞いていた。心の準備はできていた。


でも、実際見てしまうとやっぱりだめだ。


がまんができなかった。


まるで、人形のような表情。意思のない目。


まだ幼い二人に戦闘機械のように操る奴らに。


使徒なんてたいそうな称号を与えていい気になっている。


そんなこと許されるはずがない。


許していいはずがない。


その≪怒り≫だけが心を支配する。


でも、殴りかかろうとしたとき、母さんが止めた。


私より悔しいはずなのに悲しいはずなのに怒こっているはずなのに。


顔は笑顔だった。


なんでと思った。


自分の子供が道具みたいになっているんだよと叫びたかった。


でも、耳元で言われた言葉が私を正気にさせる。


「我慢しなさい。今は耐える時です。今耐えることが私たちの戦いなんですから。」


この言葉の後、母さんの顔を見る。


口の端がわずかに血でにじんでいた。


握った手がわずかに震えていた。


でも、笑顔だった。

必死に耐えていた。


抑えていた。


それを見ると気持ちが、怒りから情けなさに変わっていく。


母さんは耐えているのだ。そう今は私たちの私たちの戦いなんだと改めて思う。


でも、本当に何とかできるのという思いもある。


一緒に来たナズナとユタカさんは、静かだった。表情も変わらなかった。


でも、目は怒っていた。


彼女たちは信じているのだ。


彼らを。

必ずこんなどうしようもない理不尽を打ち砕くことができると。


なら、私も耐えるしかない。


今は、耐えることが私たちの戦いなんだから。


ポケットの中にある小さな石を握りしめる。


このクリスタルのように透明な未来が広がると信じて。

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