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GLAIVE (狂炎伝承)   作者: 団栗山 玄狐
Ver.03 宗教団体《幸福の導き》
24/54

act23 噴き出すanger

地理をできるだけ実際のものと合わせていますがずれているところもあります。

話の都合です。気にしないでください。

act23 噴き出すanger(怒り)


南海高野線 千早口駅

駅前で異様な集団が村に向け歩みを進める。

先頭を歩く4名に付き従うように6名が続き、残りの20名が続く。

その集団の前に4人の女性が立ちふさがる。

いや、表現がおかしい。

迎えるというほうが正しい。

4人の中で二人は頭を下げ、残り二人は両手を後ろに回され拘束されていた。


4人中で一番の年長の女性が口火を切る。

「お待ちしておりました。ツヌキ司祭長」


先頭を歩く4名の中で年配者が答える。

年配者の名は、コウジ・ツヌキ司祭長

60~70ぐらいの年配で170ぐらいの身長で白髪頭である。

さえない管理職のような人。だが目はぎらついている。


「どうやらうまくやってくれたようだ。巫女を二人連れてきているのは見事である。

後は、霊剣と予言者の所まで案内してくれると助かる。」



霊剣とは三毒の刃のことで予言者とはこの村にあるナノセルコンピュータのことである。


ただの言い回しだ。自分たちのイメージを大切にする宗教団体ならではである。

面倒だが。


「はい、わかりました。」

とミナミは答える。


「ちょっと待ってください。弟と妹に合わせてもらえる話はどうなったんですか」

ミサキは意を決して話始める。


「ふむ、そうだな。確かに約束している。ヒカラ司祭、二人をここに」


とツヌキ司祭長はいうと、かれの後ろに控えていた30~40代で身長170ぐらいの

細身だが常に笑顔でいる怪しい男性が恭しく(うやうやしく)一歩前に出る。

「は、では使徒、立山コウキ、ミズキの両名ここに」


というと身長140くらいの白装束の子供が二人前に出てくる。

その瞳はうつろで覇気がない。

人形のような感じがした。


「二人に何をしたの」

と詰め寄るミサキに対し


「何をとは異なことを。彼らは栄誉ある使徒に選ばれたのだよ。喜ばしいことではないですか」

ヒカラ司祭が答える。

子供を実質の兵隊にしても変わることない態度でいうヒカラ司祭に対して今まで抑えていた怒りが沸き起こる。


「何を言っているの。こんな子供にまで汚れ仕事をさせようというのあんたたちは」

ミサキはそのまま殴りかかろうとすると

ミサキの前に誰かが割り込んでくる。

「申し訳ございません。娘にはもっとよく言い聞かせておくべきでした」


と割り込んできた人物 母親であるミナミが頭を下げた。


その姿に驚くミサキ。

そして、母親に対して叫ぶように声をあげる。

「なんで謝るの。約束を破ったのは奴らだよ。謝る必要なんてない」


その姿にミナミはミサキのほうを向き

両手をミサキの肩に置き耳元でささやく。

「我慢しなさい。今は耐える時です。今耐えることが私たちの戦いなんですから。」


その言葉に驚くミサキ。


ミサキから離れた母の姿を見て頭が冷えていくの感じた。


目は笑っているが下唇をかみ

ミサキの肩に乗る手はわずかに震えていた。


母親は今、必死に怒りを抑えるため戦っていた。

『今は耐えることが戦いです』

本当は一番悔しいはずの母が耐えているのだ。自分も耐えないといけないと思える。


何より二人に連れてこられたユタカとナズナは静かに見据えていた。


改めて、ヒカラ司祭に向き直すミナミは

「見苦しい所を見せてしまい申し訳ございません。

私の子供が栄誉ある使徒に認められ、光栄です。」

「フンッ。わかればいいのですよ。

まあ、二人の巫女を連れてきたことで先ほどの無礼は不問にします。

それよりも早く予言者の所まで案内しなさい。」


「では、コチラへ」と言いながらミナミは案内のため一団の前を進む。

そのミナミの姿を見ながらミサキはポケットの中にある石を握りしめた。


そして、ミナミの後を追う。

先を進む二人を確認し教団の人間達は歩みを進める。


理不尽な考えに怒り覚えても

今は耐えることが自分たちの戦いであると思い4人は歩みを進める。

目の前にはマイクロバスが準備されており、それに乗り込み

この村での最後の戦場となるであろう資料館と道の駅があるところまで。


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