act21 自分たちのattest2
act21 自分たちのattest(証明)2
襲撃は計4か所。
1.阪和道貫通線 千早山間口 第一駐車場及び第二駐車場
に2百人程
2.南海高野線 千早口駅
に25人程
3.国道705、309
に50人程
4.千早山間道
に25人程
それぞれの配置は
1は千早商事 椚探偵社第一G及び村の有志
2は千早商事 椚探偵社第ニG及び村の有志
3は警察、消防団
4は林業山本組
である。であるのだが
「なんで、カナメが来ないんですか」
カルウがナイスミドルの眼鏡をかけたブラウンのスーツを着た男性ににじり寄る。
「仕方がないだろう。あいつの遅刻グセは今に始まったことではない」
ナイスミドル・・・椚コウイチは冷静に答える。
「で、駅側もオレが対処するわけですか。」
「すまんな。ここは、ある程度制圧してくれればいい。残った奴はオレが制圧するから。」
「まあ、この方法を使えば三百人いても残るのは二、三人でしょうけど」
「ぼやいても仕方がないだろう。それより早く配置につけ。面倒なのはオレたちの所なんだから」
「は・い・・・。どうやって移動しよう・・・か。」
と悩みながらカルウは第二駐車場に向かう。その手には太刀が握られていた。
カルウが第二駐車場に到着した時には件の教団が到着していた。マイクロバスが五台止まっており
すでに白装束の教団員が下りて集まり始めていた。
村の入り口を固めていた村の有志がそれをにらみつけるように立っていた。
その村の有志の所にカルウが駆け寄ると
「遅いですよ。先輩」と早坂マサヒコが口をとがらせながら両手を腰に置き不満を言う。
「そういわれてもね。」カルウは肩をすぼめて答える。
「ですけど、早くかたずけてもらわないとこっちには武闘派はいないですから」
「文句は、無断欠席のカナメに言ってくれ。後始末に奔走するオレの身になれと」
「しょうがないでしょ。武力と機動力があるのはカルウせんぱいだけですから」
「まあね」と否定しないカルウに
「どうしますか。一応投降勧告でもしますか」
とたずねてくるマサヒコに
「そんな無駄なことはしないよ。どうせ会話にもならないだろうし。
さっさと無力化してしまうわ」
というとカルウは持っていた刀の柄を握り鞘から引き抜く。
無機質な鉄の刃が鈍い光を放つ。そして、柄を逆手に握り直しコンクリートの床に突き刺す。
すると、赤く淡い光が刀を突きさしたところを中心に水に広がる波紋のように広がっていく。
その光が白装束の教団員たちを通過すると次々と崩れるように倒れこんでいく。
同じように光のは波紋に触れた村の有志は何事もないように立っている。
対象の相手のみを無力化できるようだ。
100人ほどいたはずの白装束の教団員たちは一人を除いてすべて倒れていた。
「あれ、一人残ってますよ。先輩。」
「時間がないのに面倒な」
と舌打ちするカルウに
「貴様、なにをした。この村に祝福を与えに来た我々に対して。」
と一人立っていた今にも武闘派という岩のような顔でごつい体の男がこちらを指さして
叫んできた。
「すでに、言っていることがおかしいですね」
「そうだろう。自分たちのしていることが正しいことを前提にしてるだろ。
話がかみ合わないんだよ」
刀を鞘にしまいながらやれやれという感じで話すカルウ。
「そうか、以前来た連中の仲間と一戦したのって先輩でしたね」
「そう・・・だから」というとカルウは駆け出しごつい男の懐まで来ていた。
オリンピック選手も真っ青になりそうな瞬発力で間合いを詰めたカルウ。
その姿に驚くごつい男の溝内にカルウの渾身こぶしがめり込む。
「が・・・はぁっ・・」と呻き声をあげ、前のめりに倒れこむ。
「相変わらず手早い」
と感心するマサヒコに
「じゃあ、こいつらの拘束を頼むわ。もう一つの駐車場に行ってくる。」
と言ってからカルウは、駆け出した。
「はあ。気が早いのか、天然なのか。ほんとにもう」
とマサヒコは半分呆れ気味にため息をする。
そして、振り向き村の有志たちを向く。
「さて説明した通りにあいつらをを拘束していきましょう。あのごつい奴は、目隠しもしてください。
最初の攻撃でも立ってましたから厄介な能力持ちなのかもしれませんのでよろしくお願いします。」
というと村の有志たちはさっそく行動を開始した。