act19 歴史のgreat person
歴史ネタになってしまいました。
act19 歴史のgreat person(偉人)
「さて、説明するか」
というとカルウは、話し出した。
まず、三毒について。
三毒とは、仏教において克服すべきものとされる最も根本的な三つの煩悩、
すなわち貪・瞋・癡を指し、
煩悩を毒に例えたものである。
三毒は人間の諸悪・苦しみの根源とされている。
その根源を使用者から抜き取り力に変えるものだと。
そして、それぞれの刃の説明がなされた。
一つ、貪欲の青刃
貪欲ともいう。むさぼり(必要以上に)求める心。
一般的な用語では「欲」・「ものおしみ」・「むさぼり」と表現する
この心の力を吸収し力に変えるもの。
今、社に封印されているのはこの刀であること。
一つ、憤怒の赤刃
瞋恚ともいう。怒りの心。「いかり」・「にくしみ」と表現する。
この心の力を吸収し力に変えるもの。
今、伝承者としてカルウが選れ、管理するよう宮司から託されたとのこと。
一つ、愚者の黒刃
愚癡ともいう。真理に対する無知の心。「おろかさ」と表現する。
この心の力を吸収し力に変えるもの。
もともと別の所で管理されていたものを
現在、宗教テロリスト集団の司祭長が持っているとのこと。
それぞれの刃が力を使用している時に剣が輝くのだがその色が名称についていること。
大きな力は一度しか使えないこと。
使った後はその煩悩を再充電しないと使えないこと。だ。
また、なんでここにあるのかも説明した。
楠木 正成ついての話だ。
楠木 正成とは、鎌倉時代末期から南北朝時代にかけての武将。
この武将の伝承に怨霊伝説があり、その中で登場する霊剣が三毒であること。
そして、この千早の地にその武将の魂と怨念を浄化するために封印されていること。
その封印に三毒の刃のうち2振りを使っていること。
社にある刃が触れないのは封印によって見えない壁ができていることだ。
いきなりの歴史ネタからオカルトネタ満載の話になり、
驚きを隠せない二人。
歴史の教科書に出てくる有名人の話になり、困り果てる。
ドラマになったり、本になったりしている。
その有名人のゆかりの地だからここに三毒があるのだ。
楠木 正成の首が河内長野の地に埋められ、それが知識の象徴として、
湊川には、楠木 正成の最後の地として墓が建てられ、武の象徴として
そして、ここ千早には魂と怨念を浄化するために封印され、信念と義勇の象徴としたこと。
さらに、富田林には、守護の象徴としての力が封印されていることも上げた。
完全な歴史の授業と化した。
三毒の刃は、伝承者としての資格がないと、触れるだけで発狂すること。
そのことを証明するためにカルウは刀を持ち、持った自分に触れてみろ、といった。
これはカルウ自身がフィルターとなり、直接刀に触れるより多少ましになるためだとも言った。
それに従い、二人はカルウの肩に手を置く。
すると、目の前が突然赤くなりいわれもない《怒り》が込み上げてきたのだ。
訳の分からない《怒り》が二人の心を染め上げていく。
ついさっきまでは何ともなかったのに《怒り》が心の中を満たしていく。
どうしようもない《怒り》に恐怖が募る。
心が恐怖でおおわれる前に《怒り》に塗り替えられている。
抵抗もできないほど《怒り》大波に飲まれようとしていた。
だが、突然その赤い景色がもとに世界に戻った。
カルウが三毒の刃から手を離したからだ。
我に帰った二人は、その場にへたり込む。
そして、フルマラソンでもしたかのような荒い息遣いと大量の汗を流していた。
直接触れていないのに、またカルウという人間をフィルター替わりにしても
《怒り》という感情に飲み込まれて、抗えない状態までいってしまう。
たんにオカルト兵器というにはあまりにも危険な代物であることを体験したのだ。
こんな危険なものを欲しがる司祭長の気がしれないと改めて思う二人だった。
ナズナは結構バカにしていたのだ。
いきなり、伝承だの武将だの歴史の話から怨霊だので、《なに、このヨタ話》と
だが、その一端触れて考えを改めた。
自分の持つ異能力もそうだが、この世界にはまだ自分の知らないことが多い。
思い込みで判断してはいけないと思った。
ミナミに至っては、こんな危険なものを欲しがる司祭長の気がしれないと思い、
また、その片棒を担いでしまっている自分に嫌悪した。
だが、自分は子供を人質に取られている。
逆らうわけにはいかないというジレンマに苛まれていた。
その姿を見たカルウは改めて、
「大丈夫。今回の件で協力してくれれば、必ずお子さんも救出するし、奴らも壊滅させる。」
と断言した。
「オレたちにケンカ吹っ掛けてタダですむと思っている奴らに特別な力があるのは自分たちだけじゃないことを
上には上がいること教えてやらないいけないしな」
と付け加えた。
そのカルウの表情はあまり変わらないのでわからないが、まとっている雰囲気は、どす黒く怖いものに
感じた。
それに、この人たちはだましていた私達を許してくれた上に助けてくれるとまで言ってくれたのだ。
ミナミは、改めて思った。
『この人たちに賭けてみよう。この人たちなら大丈夫だと』
解釈は私独自のものです。
地名は本当にあります。興味があれば調べてみてください。
楠木 正成の首塚が河内長野の観心寺。
墓が神戸の湊川神社。
千早赤坂村には菩提寺として建水分神社。
富田林には、
身代わりとなった観音が祭られている聖音寺があります。




