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GLAIVE (狂炎伝承)   作者: 団栗山 玄狐
Ver.03 宗教団体《幸福の導き》
14/54

act13 村人たちのstrike back 2

仕事がいそがしいため休みに体が動きません。

いいわけですが、容量オーバー気味です。

皆さんもきおつけてくださいね。

act13 村人たちのstrike back (反撃)2



ここは道の駅、速水(はやみず)


別の白装束の一団が迫るのだが人数は5人ほどだ。

この道の駅にいる人間は老人やわずかな観光客ぐらいだからという情報を持っていたからだ。

簡単に制圧できる。そんな思惑もあった。


それに近くにある鉄道の駅を監視するためにも制圧は絶対条件であった。

彼らには自信があった。もちろん相手がとるに足らないというものあったが

それ以上に神の加護が自分たちにはあるという自信である。


実際、その通りであった。五分もたたない間に道の駅を制圧した。

三人を周囲の警戒に二人を道の駅にいた住人を監視する役目に分けて。

つかまったのは店番の老人が三人、客の老人が八人であった。


その状況を道の脇から見ていた

小柄であるがしっかりとした体つきの男性、中川ジュンジが見ていた。

『さてどうするか』と思案を巡らせていた。


「さっさとかたずけようぜ」 体格の好い背の高い男性の沖ミチハルが進言する。


「そうはしたいけど、あそこのばあさんたちに何かあると山本のおやっさんがおこるで」

中川ジュンジは小声で答える。


そうこの男たちは先ほど大立ち回りをした村の林業を担う会社、山本組の社員たちだ。


さすがのかれらも慎重になっているのは当たり前であった。

拳銃を片手にうろつく見張りが一人にこん棒を持つ二人。

まるで強盗犯のような姿である。


それだけならまだしも中には人質もいる。状況は確実にこちらに不利である。

「慌てると駄目だよ」

身が値を掛けた小柄の男性、入江ツトムが言う。


「ああ、でもそんなに待てないで、対策はすぐには難しいけど。

対応は考えてある。中のばあさんたちが暴れ始める前に打ち合わせだけでも済まそう」

と中川ジュンジは改めて提案する。



だが、そんな悩みもすぐに打ち消された。

中のばあさんたちが白装束たちに茶をふるまい始めた。

人質が老人だけであり、人通りも少なく平穏なぽかぽかした陽気、のどかな雰囲気。

これだけ重なればさすがに油断もするだろう。


白装束たちは安心して全員がその茶を飲みほす。

緊張でのどもカラカラだったのも原因にあげられる。


その姿を見届けたばあさんたちの口元がわずかににやけた。

もちろん、白装束たちはそのことに気づかない。


だが、その様子を見ていた中川ジュンジは慌てた。

「やばい、ばあさんたちが一服盛った。奴らの体調に異変が出たら制圧に出るぞ」


「なんで、そんな簡単に」


「あいつら、安心しきってたんだろ。油断もいいところだ。相手が老人だけなんて理由にもならんのに」


そうだ、そんなこと理由にならない。

むしろ、警戒すべきだ。相手は自分たちよりも長く生きた経験値豊かな人間であることを・・・



異変はすぐに起きた。

白装束たちの一人がトイレに入り始めた。

それも順番に。


その姿を見た中川ジュンジはうなだれる。


「見事に腹下してますね。」

入江ツトムは冷静に状況を解説する。


「なら、今踏み込もう。そうすれば簡単でいい。」

沖ミチハルは我慢できなそうに言うが


「まだだ。頃合いはばあさんたちが動いてからだ。そうじゃないと明日は我が身になる。

せっかくのばあさんたちのうっぷん晴らしがフイになる。もう少しこらえるな」

中川ジュンジが抑える。


この言葉の意味は理解できていた。

相手が老人だなんて、思うのは世間知らずな人間だけである。

三人ともそれを身に染みてわかっていた。相手が老人の本当の恐ろしさを、老獪という言葉の意味を。


だんだんと白装束たちの動きが慌ただしくなる。盛られたのは下剤。

トイレに出たり入ったり、我慢するために座り込んだりするものも続出だ。

見た目には滑稽な様子だが本人たちは大ピンチである。


どうしてこうなったのか気づきはするがそれどころではない。早くトイレに駆け込まないと、思うだけあった。

だが道の駅のトイレは三つなのでどうしても残りの三人はあふれる。

トイレのドアをたたき順番を急がせるもの、うずくまり以後かなくなるもの、

足を股間に寄せおしりを抑えるもの出た。もう世間体どころではないようだ。

周りを気にする余裕すらなくなってしまった。

その姿はある意味哀れでもある。

何しに来たんだこの人たちとも思える。


その姿を見て、ばあさんたちはほくそ笑む。

してやったりという感じだ。

ハタからみても悪い顔をしている。

もちろん、白装束たちに気づかれないようにだ。


そんな白装束たち約30分ほどのトイレ争奪戦が過ぎる。


疲弊している様子を見ながら気の毒そうに感じていた

中川ジュンジ達は、

「そろそろ、いいかな。ばあさんたちも十分たのしんだやろ。」


「ですね」


「だな」


といって奴らを制圧しに行く。抵抗は皆無ではなくトイレに行かせろと暴れるだけであった。

その姿を見て中川ジュンジ達は改めて思う。

ばあさんたちこええ、と  

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