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GLAIVE (狂炎伝承)   作者: 団栗山 玄狐
Ver.03 宗教団体《幸福の導き》
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act11 神の使徒を名乗るfool

act11 神の使徒を名乗るfool(たわけもの)


村での侵略行為は、ほかでも起こっていた。

村の出入口である環状線。村立図書館。道の駅。警察、消防署。村役場。

そして、千早第二ビル。


着眼点はいいのだが、考え方がお粗末なのだが。


ここには、お人好し集団グレイブの本拠地がある。


ただのテロリスト風情がどうにかなる相手ではない。そのことを計算に入れていないのだ。


カボン・バレーはお構いなしに村役場を制圧していく。

幸福の導きという宗教団体の皮をかぶったテロ集団を率いながら指示を出していく。


「カボン司祭。役場は浄化制圧)を終了しました。」

カボンの前に跪いて報告する白装束が報告する。


「来図よ。よくやった。ではさらに隣の企業も浄化するのだ。

そうすれば審問官の地位が手に入るぞ」


「は、お任せを」


の一言を言うと数十名を連れ、隣の企業に進みだす。

進軍し始めたのだが、彼らはまだ知らない。そこに最大の壁が待ち受けていることに・・・。

そして、これから起こる惨劇に・・・。


赤坂村保育幼稚園にて、乱入してきた連中は手足を縛られ床に転がっていた。

リーダーとおぼしき人物は椅子に座り、両手両足を縛られている。


その連中を囲むように年配の男女や老人。年端の行かない子供たちがいる異様な状態。

側から見るとナニコレ?と問い正したくなる状態だ。


椅子に縛り付けられた男は、目の前にいるピンクのエプロンを着た若い男性をにらみつけていた。

にらみつけられている男性は、無関心な表情を見せている。


「あのカルウさんどうするつもりなんです。」

横にいたユタカは心配そうに話しかける。


「ああ、これから拷問にかけようと思ってね。」


「拷問?!!こんなところで非常識なんじゃないですか!!」

すこし声を荒げた。


場所が場所だからである。大人たちはともかく子供たちの前である。

そんなひどいことを見せる必要があるのかとユタカは思ったのだ。

だが、意外な答えが返ってくる。


「拷問の執行官がこのガキどもだ。ここがちょうどいいんだよ」


「な、なんでっ!?!」


「見てれば、わかる。オレ考案のショウク刑を実施するからな」

と後に続くを遮られた。


「カルウ、もうやっていいのか。」

子どもたちが目を輝かせ、まだかまだかとせかす。


「まあ、まて。物には順序がある。まず、こいつに聞いてだ。心配すんな。ちゃんと出番はあるから」

と子供たちに言い聞かせる。


その姿をみて

「おかしいよ、そんなの」

泣きそうな顔をしながらつぶやくユタカに


「何か勘違いしてませんか。」

女性職員がユタカに声を掛ける。


「だって拷問を子供たちにさせるんですよ、おかしいじゃないですか!!」


「ああ、大丈夫ですよ。それにその判断は、まだ早いです。今は静かに見てましょう。

その懸念もすぐに吹き飛びますから」


「はあ・・・」

と、しばらくは、見ていることにしたユタカ。だが納得したわけではなかった。


「さて、お前は何者だ。なんて名前だ。」

椅子に括りつけられた男に質問するカルウ。


「我は、偉大なる神の使徒であり、執行官。

異教に洗脳された配信者を本来の神に導くのが使命だ。神の啓示に従い行動するものだ」


「そんな無責任な答えはいらん。責任を神に擦り付けている理由なんてな。

お前自身の名前を教えろ。自分の責任においてな」


「我は、偉大なる神の使徒であり、執行官。・・・」


「わかった。もういい・・・。ガキども出番だ。やれ」


「「「おー!!!」」」

と子供たちが一斉に椅子に括りつけられた男を襲う。


「だぁーっハハハハハ!!!やめ、やめろ。なんだこれは。く、くく・・・・」

と男は笑い転げる。


子どもたちの容赦のないくすぐりが男を襲い続ける。


「な、なにこれ」

ユタカが唖然とする。


『もしかして、これが拷問なの。ただのいたずらなのでは・・・』


「笑い苦しむ刑罰。笑苦刑。これが案外バカにできない。」


「そうなの。」


「くすぐりは、最初はいいのだが、だんだんと苦しくなってくる。

相手も最初は《ただのくすぐりか》と油断するのだがそれが命取り。

まさに真綿で首を絞められていく状態だ。」


「そんなに、」


「それにこの拷問は子供たちのストレス発散にもなるし、お手軽だ。」


「確かにすごく子供たちが嬉しそう・・・」

そういうとユタカは楽しそうに刑を執行する(くすぐり)子供たち。

子どもたちにすると遊んでいるのだろう。

相手を拷問するのと子供の楽しみをする。一石二鳥である。


側から見ればあきれる状態だが。


「さて、よしガキども休憩だ」


「「「おーう!!!」」」


と機嫌のいい返事とともに子どもたちは椅子に括りつけられた男から離れていった。


子どもたちは笑顔でいっぱいに対して椅子に括りつけられた男はぐったりしていた。

終わらないくすぐりにヘロヘロの状態まで追い込まれていたからだ。


「さて、改めて問うぞ。あんたの名前は?へんな答え言うともう一ラウンド待ってるからな」

カルウは強めの口調で話しかける。


「タ、タ、タカノ ヒ、ヒロシだ。宗教団体《幸福の導き》の教祖代理直属の浄化執行官だ。」


「なるほど、ヒロシさんね。今回は割と素直に答えたね。では次だ。村を襲った目的と人数を教えてもらおうか」


「ず、図に乗るな。そんな他の信者を裏切るようなまねを・・・」


「ガキども、二ラウンド開始だ」

椅子に括りつけられた男タカノヒロシの言葉を遮るように子供たちに合図を出すカルウ。


「「「おーう!!!」」」

と子供たちが再び一斉に椅子に括りつけられた男を襲いかかる。


「や、やめろガキども。あ、あ、あとでどうなるか、ひょっひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ」

悪態をつく前に笑い声、悲鳴に似た笑い声が響く。


「むごい」

口を押えながらユタカはつぶやく。


「何がむごいものか。このくらいで済んでいることに感謝してもらいたいくらいだ。

それに残りの連中にも言っておく。タカノヒロシがダウンしたら次はお前らがあの状態になるんだからな覚悟しておけよ」

脂汗をながしながらタカノヒロシの状態を見ていた襲撃者たちに脅しをかける。


効果的である。なんせ次は自分の番なんて言われれば恐怖しかないのだから。



拷問は続く。必要な情報は引き出せたのだが、まだ足りないものもある。

カルウはさらなる情報を引き出すため残りの白装束たちを絞め上げる。

さすがに子供たちは疲れ果てたため、爺さんばあさんたちに援軍を頼むだけではなく

職員にも援軍を求めた。その場合は必要な情報を引き出せた場合、臨時賞与を出すといって。


その結果、情報は引き出せたが襲撃者たちは笑い死にかけていた。

言い換えれば、ひどい(?)苦しみ方ではないはずだと思うことにしていた。


カルウはスマホを片手に連絡を取り始めた。


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