真相への第一歩
≪麻呼、まだ先なのか?≫
明は、麻呼の隣を走りながらじれったそうに顔を歪めて麻呼にそう尋ねる。
「うん、もう少し行けば、竹林が見えてくるはずだから…」
麻呼は、苦しそうに息をしながら闇に眼を凝らすように眼を細める。
≪もしかして、あれじゃない?≫
麻呼の前を走っていた螢峯は、夜の闇にかすんで見える竹林を指差して声高らかにそう言った。
「うん、間違いない!あの向こうだ!」
麻呼は、嬉しそうに声を上げて走るスピードを上げる。
≪麻呼!止まれ!そのまま突っ込むのは危険だ!≫
明は、麻呼に合わせて走るスピードを少し上げてそう言った。
「でも、急がないと、またあの百足みたいなのが出てくるかも…」
麻呼は、心配そうな表情で竹林を見つめて悔しそうに唇を噛む。
≪だったら、なおさら待て!この竹林に敵が潜んでいるかも知れないのに、そんなところに無謀に突っ込んで只で済むと思うな!≫
翠月は、声を荒げて振り返った麻呼を鋭く睨みつける。
「で、でも…そうぐずぐずしてるわけにも…」
麻呼は、翠月の凄まじい形相に口ごもりながら何とか説得しようとする。
≪そうよ!それこそぐずぐずしていたらさっきみたいになりかねないわ!!ここは一気にこの竹林を突っ切って行くのが賢明よ!それに、もし危なくなっても麻呼には、私たちが付いてるもの!≫
螢峯は、翠月にそう批判して麻呼ににっこりと笑いかけた。
「螢峯…ありがとう、茨彗絶対に無理はしないし、十分気をつけるから…」
麻呼は、螢峯に優しく笑いかけたから翠月に穏やかな口調でそう言った。
≪…これ以上、主であるお前の意思に背く気は無い…≫
翠月は、少し考えた後に静かにけれどどこか不満気にそう答えた。
「…茨彗、ありがとう…」
麻呼は、本当に嬉しそうに翠月にお礼を言った。
≪…(まあ、これ以上何と言っても麻呼は、聴きやしないからな…まあ、俺たちがしっかりしていれば多少の事には、対処できるか…)≫
明は、麻呼と翠月のやり取りを聞きながらそう思った。
「じゃあ、このまま竹林を一気に突っ切るよ!」
麻呼は、走るスピードを落さずに声を張り上げて真剣な表情で竹林を見つめてそう言った。
螢峯たちは、麻呼の声に一度大きく頷いて竹林に突っ込んで言った。
麻呼たちの姿が竹林に消えてしばらくすると大きな黒い影がその後を追うように竹林へと入って入った。
「…明…」
麻呼は、竹林の奥を見つめたまま明に真剣な声で声を掛ける。
≪どうした?≫
明は、不思議そうに麻呼を見上げてそう尋ねる。
「さっきから、後ろがすごく気になるんだけど…」
麻呼は、後ろの竹林に視線を走らせてから不安そうにそう言った。
≪!…何か来る?≫
明は、麻呼に倣う(ならう)様にして後方の竹林に気を配る。
「…不味い、向こうのほうが早い!」
麻呼は、急に立ち止まって後ろの竹林を睨み付けて身構えた。明達も麻呼を護る様に竹林を睨み付けて身構える。
麻呼たちを追い駆けて来る者は、物凄い速さで麻呼たちに近づいて来る。
≪おい、おい…随分とでかい奴みたいだぞ…≫
明は、竹林を見つめたまま自嘲気味に笑いながらそう言った。
そして、その大きな黒い追っ手はとうとう麻呼たちの前に姿を現した。
≪大き…な、百…足?≫
螢峯は、眼を大きく見開いて驚愕の表情でそう言った。
「まだ、こんな大きなのが残っていたなんて…」
麻呼は、巨大な百足を見上げて皮肉に笑ってそう言った。その百足の体長は、100mほどもあろうかと言うほどだった。
≪全く、出し惜しみせずにスパッと一気に出てくりゃいいものを…≫
明は、心底呆れた様に顔を歪めて百足を睨み付けたままそう言った。
「…そう言う訳にも行かないでしょう…向こうにだって都合ってものがあるんだし…」
麻呼は、落ち着いた口調で明に視線を落としてそう言った。
≪都合なんて無くて良い!こっちは、急いでるのに!≫
螢峯は、じだんだを踏んで悔しそうにそう言った。
≪…麻呼、お前は先に進め。こいつの相手など俺たちで十分だ≫
翠月は、百足を冷ややかに見つめて面倒臭そうに舌打ちしてそう言った。
「!茨彗たちにだけ任せる訳には行かない!私も!」
麻呼は、真剣な表情で翠月を見て強い口調でそう言った。
≪お前がここに来た目的を忘れるな!≫
翠月は、そんな麻呼を鋭い視線と口調で黙らせる。麻呼は、翠月の鋭い眼光に気圧されて押し黙ってしまう。
≪主は、どうぞ奥に進んでください…我々も、この追っ手を片付けましたらすぐに追いつきますので…≫
璃笙は、そんな麻呼を気遣うように優しくそう言って先に進むように促す。
「…分かった、でも、すぐに追いついてくるって約束してよ!」
麻呼は、しばらく考えた後に何とか納得したようで翠月たちに真剣な顔でそう言った。
≪分かっている…≫
≪麻呼こそ気をつけてね!≫
≪必ず、すぐに主に追いつきます…≫
翠月たちは、麻呼と明を振り返って同時にそう約束した。
≪お前ら、ヘマ…するなよ…≫
明は、麻呼の前に立つ3人を眺めながら皮肉に笑ってそう言った。
≪それは、こっちの台詞よ!麻呼に怪我させたら許さないからね!≫
螢峯は、からかう様に笑いながら明にそう言い返す。
「行くよ!明!」
麻呼は、力強くそう言って再び竹林の奥へと走り出した。
≪さてと、こいつをとっとと片付けるぞ…≫
翠月は、麻呼の姿が見えなくなるのを確認してから大百足を見上げて冷酷な笑みを浮かべた。
「…明、本当に大丈夫かな…」
麻呼は、心配そうな表情で明に視線を向けてそう言った。
≪心配するな。あいつらがお前との約束を破るのはお前がお前じゃなくなったときだけだ…必ず無事で俺たちの後を追い駆けて来る≫
明は、麻呼を見上げてにっこりと笑ってそう言った。
「…うん、明がそこまで言うんならもう心配しない…先を急ごう!」
麻呼は、迷いが吹っ切れたような顔でそう言ってまだ終わりが見えない竹林の奥を見つめた。
しかし、その竹林もいきなり終わり麻呼の目の前に半分崩れかかった古い神社が現れた。
「ここだ…この中に、あの子がいる」
麻呼は、崩れかかった神社を見上げて真剣な面持ちでそう言った。
≪気をつけろ…また、何か潜んでいるかもしれない…≫
明は、辺り一帯を警戒しながら真剣にそう言って麻呼に念を押す。
「うん、分かってる…十分気をつけるよ」
麻呼は、真剣な顔で明にそう答えて神社の正面に回りこむ。
≪この近くには、妖しい臭いは特にしてないが気をつけることに越したことは無いだろう…≫
明は、麻呼の後ろを歩きながら周りに気を配りながらそう言った。
「うん、じゃあ、行くよ…」
麻呼は、社の中を見つめたまま慎重に階段を上りながらそう言った。
階段を上り切って恐る恐る中を覗き込んだ麻呼は、次の瞬間、ハッと息を呑んだ。社の中央に昨夜、夢に出てきた白い着物姿の男の子が立っていたのだ。
「やっと見つけた。ごめんね?随分と来るのが遅れちゃった…」
麻呼は、男の子に一歩ずつゆっくりと近づきながら優しい笑顔を浮かべてそう言った。
≪…きっと、あなたなら、来てくれると信じてた…ありがとう≫
男の子は、嬉しそうに満面の笑みを浮かべてそう言った。
「あんなに、切ない眼をして助けてって頼まれたからね…無視することも出来無くて…」
麻呼は、ニッコリと笑って男の子の目線に合わせる様にしゃがみ込む。
≪本当にありがとう…僕、悪い奴らにここに縛り付けられていたの…霊力が、もっと強くなったら悪い奴らのボスに献上するって言ってた≫
男の子は、悲しそうな表情で不安そうにそう言った。
「…君は、九十九神よね…名前は?」
麻呼は、納得したような顔で優しく男の子に尋ねる。
≪雪那…≫
男の子は、潤んだ眼で麻呼を見上げてそう言った。
「じゃあ、雪那。私と一緒に来る?ここから連れ出してあげるよ…」
麻呼は、そう言って雪那の前に手を差し出す。
≪…付いて行ってもいいの?≫
雪那は、不思議そうに麻呼を見上げてそう言った。
「…いいよ。元々そのためにここまで来たんだから…一緒に来る?」
麻呼は、少し首を傾げて優しく微笑みながらそう言った。
≪麻呼!不味い!どんどん嫌な臭いが強くなっている!もうじきここに来るぞ!≫
明は、社の入り口で外を見張ってそう言った。
≪…行く…僕をあなたのいるところに連れて行って!≫
雪那は、何かを決心した顔で麻呼を見上げてそう言った。
「じゃあ、行こう!…私は、右帥 麻呼、麻呼って呼んでね」
麻呼は、ゆっくりと立ち上がりながら雪那にニッコリと笑いかける。
雪那は、はにかんだ様な微笑を浮かべながら、麻呼が差し伸べた手にためらいがちに手を乗せた。
麻呼は、それを確認すると切羽詰った表情で神社の周りを警戒している明の隣に片膝をつく形で座り込んだ。
「…近づいて来る?」
麻呼は、真剣な表情で竹林の奥を見つめて明にそう尋ねた。
≪ああ、このスピードじゃ、あと2、3分でここに来るぞ…どうする?…ここで迎え撃つか?≫
明は、視線だけで麻呼を見上げて真剣な口調でそう尋ねる。
「…あの百足かな?」
麻呼は、眼を細めて竹林の奥を見つめてさらにそう尋ねる。
≪…違うよ…きっと、悪い奴らが来たんだ…≫
雪那は、不安そうな顔で竹林を見つめてそう言った。
「悪い奴ら?…雪那は、ここに向かってくる奴らがどんな奴らなのか分かってるの?」
麻呼は、雪那の方に体ごと振り向いて真剣な表情でそう尋ねる。
≪多分、僕をここに閉じ込めたあいつらが、お姉ちゃんを殺しに来るんだ…≫
雪那は、今にも泣きそうな顔でそう言って麻呼にギュッとしがみ付く。
「…私だってそう簡単にはやられたりしないよ…でも、今からここに来る奴が私よりも強い人物だってことは間違いなさそう…」
麻呼は、悔しそうに笑いながら雪那の頭を優しく撫でてそう言った。
≪…じゃあ、どうする…逃げるか?≫
明は、どんどんと近づいて来る追っ手に神経を集中させながら真剣にそう尋ねた。
「いや、今から逃げてもきっとすぐに追いつかれるだろうから…やるしかないでしょう…」
麻呼は、そう言ってからっていたリュックを下ろして小型ケースの中から必要な道具を探し始める。
≪仕方ない…負担にならない程度にしろ。もし無理だと判断したら即座に逃げるぞ!≫
明は、軽い溜め息交じりにそう言って不敵に笑った。
「分かってる。私はおばあちゃんとは違うから命に関わるような無茶は出来るだけしないよ」
麻呼は、リュックの中からペットボトルを取り出して変わった形のナイフを装着して一本の扇子を腰に挟んでポケットの中にある札の枚数を確認しながらそう言った。
≪お前が、無茶しそうなときは、俺が必ず護ってやる…そろそろ来るぞ!≫
明は、竹林を鋭く睨み付けてそう言った。
「それじゃあ、私たちも行こうか…」
麻呼は、ゆっくりと立ち上がりながらそう言った。
明は、首だけで振り返って麻呼を見上げてコクリと頷いて雪那に視線を向ける。
その視線に気付いた麻呼は、雪那の目線にあわせてしゃがみ込む。
「大丈夫…例え、これから相手をする人たちがどれほど強くても雪那は渡さないから安心して良いよ」
麻呼は、満面の笑みを浮かべて雪那にそう言い聞かせる。
雪那は、麻呼の言葉に励まされたのかニッコリと笑って大きく頷いた。
「…どうやら、足止めも無意味だった見たいね」
黒髪の女性は、僅かに目を細めて意外そうな口調で社を眺めながらそう言った。
「あーあ、右帥家の孫に先、越されちゃった」
茶髪の青年は、面白そうに口元を歪ませながらそう言った。
「…これから取り返せばいいだけの話だ。何の問題も無い…」
黒髪の青年は、冷たい瞳で社を見つめて抑揚のない声でそう言った。
「それもそうね…じゃあ、早く済ませちゃいましょう?」
黒髪の女性は、意地悪く笑ってそう言うとズボンのポケットから一枚の人形に切り取られた黒い紙を取り出した。
「そうだね。俺も早く右帥家の孫に会ってみたいし…」
茶髪の青年もそう言って、ポケットから黒い人形の紙を取り出した。
≪麻呼、来たぞ!人数は3人、俺たちが来た方向から来たようだから…今の位置は、丁度この社の真後ろ辺りか…≫
明は、一度鼻を鳴らして真剣な表情でそう言った。
「…少し待て、今、彼女を殺すわけには行かない…それに、我々の目的はあの九十九神の霊力だ、余計なことをして目立っては後々面倒なことになる…」
黒髪の青年は、今にも壊れかけの社に術を放とうとしている2人を諌める様にそう言った。
「…要するに、死なない程度にやればいいんだろ?」
茶髪の青年は、嬉しそうに目を細めて黒髪の青年を見ながらそう尋ねる。
「…力加減を間違うなよ…」
黒髪の青年は、冷ややかにそう言うと今にも術を放ちたくてうずうずしている2人にゴーサインを出した。
「そんな事、言われなくても分かってるよ!」
茶髪の青年は、嬉しそうに一声そう吼えて社目掛けて術を放つ。
黒髪の女性もそのすぐ後に畳み掛けるように術を放った。
2人の放った術は、見事、壊れかけの社を粉砕してしまった。
「あら、少し力みすぎちゃったかしら?」
黒髪の女性は、言葉ほど悪びれる様子も無くそう言ってもうもうと煙の立ち昇る瓦礫を見てかすかな微笑を浮かべた。
「…いや、彼女には、これくらい問題ない…」
黒髪の青年は、ほんの僅かに口に端を持ち上げて嬉しそうに笑いながらそう言った。
丁度そのとき、立ちこめていた煙が晴れて麻呼たちの姿があらわになった。
しかし、麻呼の傍らに居たのは白狐の明だけで雪那の姿は何処にも見えなかった。
「へー、さすが右帥家の孫。俺たちの放った術をお札一枚で防ぐなんて、さすがだねー?俺、惚れちゃいそう」
茶髪の青年は、麻呼の張った結界を見て冗談交じりにそう言った。
「…あなたたちは、私のことご存知のようですね…」
麻呼は、逆光に照らされる3人の姿を鋭く睨み付けて警戒した口調でそう尋ねる。
もちろん、相手が素直に答えてくれるとは思っていない。
「…ええ、あなたの祖母である右帥 未砂さんはこの業界では有名だったから、その孫であるあなたもある程度有名なのよ…」
黒髪の女性は、麻呼の姿を確認すると楽しそうに笑ってそう言った。
「…あなた方が、この村に蛟や百足を放ったんですね?…」
麻呼は、鋭い眼光を少しも緩める事無く続けて質問する。
「そうだよ、君も知っている、あの九十九神を手に入れるためにね」
茶髪の青年は、この状況を楽しんでいるかのように笑ってそう言った。
「…私が、あの子をあなた方にお渡しすると思っているんですか?」
麻呼は、3人をキッと睨み付けて再びそう質問する。
「いや、君の事だ。死んでもあの子を我々には渡さないだろう…?」
黒髪の青年は、仕方無さそうな溜め息と共にそう言った。
「当たり前です!」
麻呼は、青年の言葉に声を荒げて反論する。
「だが、我々も仕事なんだ…あの子がいないと大変困るんだよ…いろいろと…」
黒髪の青年は、大きな溜め息と共に当て付けがましくそう言った。
麻呼は、その青年の言葉になんだか含みがあるように感じたが追求する気は無かった。
「では、私を殺してでもあの子を連れて行くと?」
麻呼は、ゆっくりと立ち上がりながら黒髪の青年にそう尋ねる。
「…それが出来れば苦労しないのにねえ?」
黒髪の女性は、黒髪の青年をからかうように笑いながらそう言った。
「今、君に死なれるのは俺たちにとっても困ることなんだよ」
茶髪の青年は、再びズボンのポケットから黒い人形の紙を取り出しながら麻呼にニッコリと笑いかけてそう言った。
≪この臭いは…どこかで…≫
明は、真剣な表情で黒髪の青年を見つめたままそう微かに呟く。
「…ねえ、蒼さっきから気になってたんだけど、あの子の隣にいる白い狐って以前あなたが消し損ねた奴じゃない?」
黒髪の女性は、難しい顔をしてチラリと黒髪の青年を一瞥してそう尋ねる。
「…どうやらそのようだ。そして、向こうも同じ気持ちの様だ…」
蒼は、明に視線を向けて僅かに嬉しそうな口調でそう言った。
「…明…彼らを知ってるの?」
麻呼は、視線を3人から外さずに言葉だけで明にそう確認する。
≪あの蒼と呼ばれている男が俺の知ってる奴かどうかは、今から確かめるさ…≫
明は、不敵に笑いながら蒼を睨み付けたまま数歩、麻呼よりも前に出た。
「…あのときの決着をつけようとでも言うのか?」
蒼は、僅かに口の端を歪めて明を見下ろしてそう言った。
≪お前が、本当にあのときの男なら…俺がここで殺してやるよ≫
明は、蒼を鋭く睨み付けたまま口元に冷酷な笑みを浮かべてそう言った。
「お前にやれるのか?あの時も同じようなことを言っていただろう?」
蒼は、凍てつくような眼差しで明を見下ろしてそう言った。
≪やはり貴様!!あの時の!!≫
明は、吐き捨てるようにそう言って全身の毛を逆立たせる。
「前の主を護り切れなかったから今度はその孫か?」
蒼は、一度だけ視線を麻呼にずらしてから抑揚の無い声で明にそう尋ねる。
≪!貴っ様ー!!≫
明は、蒼の言葉を聴くなり全身に炎を纏って物凄いスピードで蒼に突っ込んで行った。
「フッ、本当のことを言われて頭に血が上ったか?」
蒼は、そんな明の体当たりを軽々と避けてそう言った。
「明!不味い、怒りで我を忘れてる!」
麻呼は、明の激怒ぶりを見て何とか明を止めようと駆け出そうとする。
「さてと、あの白い狐は、蒼に任せて私たちも少し遊ばせてもらおうかしら…」
黒髪の女性は、駆け出した麻呼の行く手を阻むように立ちはだかってそう言った。
そろそろクライマックスー( ´ ▽ ` )ノ