第4話ー平穏な日々ー
結論から言うと何も起きていない。
交易が来るまで残り1週間
この村に来てから同じサイクルで日々を過ごしていた。
夜は野営兼狩り、朝から睡眠、夕方からは二人の少年少女に魔法講義。
唯一の驚きは二人の飲み込みが早いことだ。このペースでいけば4年もかからないだろう。俺が魔法史などは手短にしか教えずに理論を集中的にやっていることも関係あるかも知れないが才能が大きいだろう。
親や親戚が子供に才能がある。かっこいい、かわいいと言うのと同じ心境かと知れない。
ただ俺は村を去る。
ここ村から街の魔法学校に通わせるだけの金はないだろうな。
逆に酷なことをしてしまったかもしれない。
「あ、今日は起きてるぜ」
「ほんとだ」
「お、来たか」
「こんにちは」「来たぜ」
「じゃあ発動までの手順について」
「ありがとうございました」「あざーす」
「おつかれさん」
「なぁ、あと1週間で行っちゃうんだろ」
「そうだな」
「そうだよな」
「寂しいです」
「出会いがあれば別れもあるし」
従来のゲームと比べVRでは一つ一つの場所がただの通過点ではなくなる。旅なら1日滞在もあるが、探索拠点にすれば何ヵ月も同じ場所で過ごす。過ごしていればプレイヤーやノンプレイヤー関わらず親しくなり情も湧く。
同じ台詞だけの返事なら違ったんだろうが。
「魔法使えるようになるかな」
「それはこれからの努力次第だ」
「そっか」
諦めなければ、努力は必ずなんて無責任なことは言わない。ただ、なにもしなければ何も出来ない。凡人の俺には至極当たり前の事しか言えないんだ。




