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第1話

「あぁー暇だ。仕事したい」


暇も末期過ぎて心と体が仕事を求めている。

現実では如何にして仕事をせずにすむかを考えていたが、全くすることがないと仕事でもいいから目的と言うか使命みたいなものが欲しくなる。


「あぁーいい天気だなぁー暇だなー」


見晴らし丘から見上げる空はどこまでも澄んでいて空気が美味しい。

特にこれといってすることがないので寝るしかない。

草原に横になり、目を瞑り風を感じる。



幼い少年少女が丘までやってきて寝ている大男をみる。


「あーまた寝てやがる。ほんとうに暢気なやつだな」

「どうする?」

「勿論、起こす」

「怒られないかな?」

「寝てるの起こすなんていつもだろ。ユーカは心配性なんだよ」

「うん……」



「おい、起きろ!忙しい中来たんだぞ」

少年ユーリは寝ている大男を揺らす

「ん、あぁ。おはよう」

「おはようございます」

「何がおはようだ!もう夕方だぜ。全く。いい大人が働かず毎日ぐうたらしやがって」

「ぐうたらしたくてぐうたらしてる訳じゃないんだが、結果的にはぐうたらしてるな」

「何わけわかんねーこと言ってんだ。やるのかやらないのか」

「やろうか。じゃあ、昨日の続きから。魔力操作について」



大男が二人に説明し、二人は真剣に聞いている。



「今日はこんなもんにしておこうか」

「あぁーわかんねぇー。さっさと実践できないのか?」

「やっぱり難しいです」

「理論を理解してないと発動しないよ。俺も4年勉強したし、二人は家の手伝いもあるから成人までに使えるようになれば大したもんだよ」

「かぁー、先はなげーな」

「頑張ります」


ゲーム世界で4年。現実世界で1年相当。魔法を習得するためにかかった時間だ。

運営は魔法の会得をゲームのオマケ的扱いで必須にしていなかった。ただ、ゲームの世界で冒険をしたい人やスキルを使って上位な仕事をしたい人、つまりほとんどのユーザーにとって必須条件になる。


そして、この世界の住人もより良い生活のため魔法の習得を志す。


「気を付けて帰れよ」

「またなー」

「ありがとうございました」


VRゲームに囚われた今、唯一の楽しみはあの二人の少年少女と話すことだ。

他にすることがあればいいんだが、辺境の村では何もない。


次の交易が来るまで残り2ヶ月。


今の俺には情報が絶望的に足りない。

情報が足りないので下手に動けない。


だから、俺はただただ暇をもて余していた。

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