ダンジョンマスターとモンスターチャーム
正直、先生が使う炎の色は赤くて、なおかつ小さい、この後、疑問に思うことだが、この時彼は闇属性は赤い炎と言っていた。
そして、先生が使うのは赤い炎、このことに気が付いたのは寮に戻ってからだった。
その時の俺にはそれくらい、炎の色の違いと大きさの違いしか分からなかったから、その部分を流したのだった。
「なにがつまりなのかは知らないけれど。」
火を消した如月は確かに、学校で教わらないタイプの魔法で……
「やっぱり、伝説の民族だったのか……」
そう、感動していると。
「だったらなんだよ。」
と、機嫌がものすごく悪そうな顔をした如月に対して
「いや?なんでもない。」
と答えると、
「そうか。」
と、彼は答えて、突然立ち上がった。
「どうかしたのか?」
「そこを動くなよ?」
「へ?」
俺は、彼が何をするのかを動かないで見ていると、彼は目を閉じてそのまま数分間動かないでいた。
それをぼんやりと台座に座って見ていたら、彼が目を開いた第一声が。
「ダンジョンマスターとして、こんなことになっているのは非常に遺憾である。」
であった。
ダンジョンマスターって、簡単に言うと何もない場所、特に地面や森があったらそこに、魔力を使ってダンジョン、迷宮を作ることが出来る能力だったはず。
その事を知って、恐らく彼が言っているのは自分の能力の事で、多分本当の事だから、ただただ感心した。
「ダンジョンマスターって、如月ってすげー」
そう、口から漏れ出すと、如月が俺の方を向いて聞いてきた。
「ところで、どこから入ったんだお前。」
彼は腰に手をあてて、呆れたように聞いてきたから、多少脚色を入れて答える。
「森を歩いていたら、穴があって、降りたらダンジョンだった。」
間違っちゃいないはず、しかし、目の前の彼は腰に手をあてて、呆れとも馬鹿にしているともとれる顔をしてきた。
「ダンジョンがどういった場所だか知らずに入ったなお前、馬鹿だな?お前バカだろ。」
その言葉につい反応してムッとしたから言い返す。
「今どきダンジョンなんてものはどこにもないのが普通なんだ、今回のはどちらかというと事故に近いな。」
「事故?」
結局今までの経緯を簡単に要約して説明すると、如月は深々と溜息を吐いて俺の事を怒ってきた。
「あのなぁ、封印されている人を無暗に起こしたりしたら危ないって授業で習わなかったか?」
封印されていたのか、あれ。
簡単に解ける封印って、どうなんだろう。
「そうなのか?正直、封印されている人を解放してはいけないというのは確かに聞いたことあるけど、そんなの別に考えたことがなかったな。」
言うと、何やら思いついたのか、意地の悪い、いたずらを思いついた者の顔をし始めた。
「あのな?封印されているということは、その昔、危ないことをやったとか、危険すぎるけれども制御できないとか、そういった理由で封印されるんだ。」
「へぇー。」
そんな感じに、気のない返事をしたら、如月は右腕を突如上にあげて。
「つまり、こうなるんだよ!」
そう大声を出すと、どこからか20匹のモンスターがやってきた。
「さぁ!ゆけ!適当に懲らしめるのだ!」
そう言いながら如月は俺から距離を取りながら、俺の方に手を振り下ろすと同時にモンスター達が俺の方に向かって来たから思わずモンスターチャームの力を使う。
モンスターチャームというのは、能力を使うときに、4つに分けられる。
威圧と魅了、同調、そして友好だ。
威圧は言葉の通り威圧して、相手を従わせることができて、魅了は言葉の通り相手の事を惚れさせて、自分に攻撃をしないようにする。
同調は姿形が違う相手だとしても仲間だと認識させることによって、敵だという認識を逸らす、友好は姿形が違うけれども、それでも仲間だと認識させることによって敵だという認識を逸らす。
同調と友好はそれぞれ同じに聞こえるかもしれないが、同調は同族だという仲間意識、友好は異種族だが友達といった所か。
しかし、俺はモンスターチャームが上手く使いこなせない、結果として出てくるのが、出てきたモンスター全てが俺の前で跪いた。