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滅びた民族と俺の話  作者: 春川 歩
模擬戦闘の足音が聞こえる
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如月は疲れました、寝ます。(by如月)

「それじゃ、俺は行くな。」

ダグラスが食器をもって席を立つのに、仲良くなったのであろう如月が声をかける。

「後で一緒に町に繰り出さないか?」

「町へか?」

何を言っているんだこいつは。

「親睦を深めるためにも少し遊んだほうがいいかなと思ってな。」

如月が肩をすくめながらいうと、ダグラスはいい笑顔で答えた。

「そりゃいいや!ただ、テストが近いからテスト終わりでもいいか?」

「別にいいぞ。」

ダグラスが困った顔をすると、如月はうなずいた。

「なら、テストが終わったらにそちらに向かうな、部屋はまだ決まっていないんだったっけか。」

「そうだな。」

「なら、部屋が決まった時にでも話すか。」

「そうさせてもらうとありがたいな。」

如月がうなずいたのを確認したダグラスはトレイを返却しに行った。

「如月、ダグラスはどんなやつだった?」

俺が聞くと、如月はんっ?と首を傾げた後にうなずいた。

「洗脳されているから後で解くつもりだ。」

「洗脳されているって、やっぱりか?」

疑り深げに聞くと、ケビンが話に割って入ってきた。

「如月ちゃん、ダグラスの洗脳は解かない方がいいわ。」

「なんでだ?洗脳を解いてはいけないというのは。」

如月が驚いた顔をするのに、ケビンが困った顔をする。

「これはダグラスの秘密だから言えないのだけれど、とにかく洗脳を解くのはやめてほしいの。」

それに、如月はうなずくが、多分洗脳は解くのだろうな、という予感はしていた。

「とりあえず、部屋に戻るか。」

「そうだな。」

なんて会話をしてから、トレイを返却口に持って行った。


………………


寮長への依頼書の提出は後にするとして、俺たちは部屋に戻りこれからのことを話し始めた。

「あと一か月もしないうちに中間試験がある、多分如月の入学試験はそのあとに行われることになるんだと思うんだ。」

如月が入学すると言っている以上、俺たちも考えなければならないこともあるだろうが、とりあえず今目の前にある問題を片付けることにした。

「ケビンがこっちの部屋に引っ越してくるのがいつになるかわからないけれども、とりあえず、今は勉強のことだな。」

「そうね、如月ちゃんも文字が読めるようにならないと、流石に困るわよね。」

俺たち二人がうんうん唸っていると、如月がふと口をはさんできた。

「悪いんだが、魔力がつきそうだから、一時的に寝ていいか?

昨晩もほぼぶっ通しで錬成していたから疲れた。」

眼は開いているが、今見てみるとふらふらしている如月がそこにはいた。

「いまか?今寝るのか?もう少し話せないか?」

ダメもとで聞いてみるが、体力の限界らしい如月は頭を横に振った。

「無理だな、頭痛と疲労がひどい。

ベッド借りるぞ。」

そういって椅子から立ち、ここ数日間使っているベッドに如月がダイブすると、すぐに寝息が聞こえてきた。

「あたし錬金学科だからわからないのだけれど、魔力疲労ってそんなにツライことなの?」

ケビンがそう聞いてくるから俺はうなずいた。

「そうだな、魔力が尽きると頭痛吐き気傾眠、そのほかにも症状が出て死ぬまであるからな、こまめに寝たり魔力補強材を飲んだり、色々やり方はあるけれども、一番手っ取り早いのが寝るのが一番だな。」

「し、死ぬまで!?如月ちゃん大丈夫なの?」

ケビンがびっくりした顔でこちらを見てくる。

「大丈夫だ、寝て食事すれば大抵の場合よくなる。」

「普通の疲労と対処が同じ!」

ケビンが取り乱すのを見ていると、やっぱり学科が違うんだなぁってことを感じる。

「錬金学科にはそういったことはないのか?」

俺が問いかけると、ケビンはうなずいた。

「あたしの方にはそういったことを言っている先生はいないわね。

ほら、錬金術って術っていう名前はついているけれど、実際には実技に魔力はほとんど必要ないから。」

「やっぱり、違うんだなって思った。」

俺がそういうと、ケビンはうなずいた。

「だから、如月ちゃんが錬金術に魔力が必要だって言ったときに驚いたわ、魔力を使うのは魔力触媒を使うときだけだったから。」

「そうなんだ。」

そんな話をしていたが、一番重要なことを思い出す。

「そんな話をしたいんじゃなかった、試験のことだよ、試験どうしよう。」

「もう一か月切っているから試験勉強やらないとよねぇ。」

どうしたものか、とりあえず目先に迫った試験に頭痛がする。

「とりあえずだ、ケビンは自分の部屋に戻って勉強するか?」

「そうね、色々とやらなきゃいけないことがあるから、帰って勉強しなきゃね。」

と、いうことで、ケビンは部屋に帰り、俺も机に向かうことにした。

机に向かってもわからない教科書に頭を抱える。

「はぁー、如月も寝ているし、ケビンも部屋に帰ったし、寮長に嘆願書を出したいし、どうしたことか。」

なんて感じに悩んでいたら、窓をノックされた。

「はーい、誰だー?」

「俺だよ、烏丸だよ。」

「ちょっと待ってろー。」

窓に向かい、烏丸が大きなカラスの状態を見て、俺はすぐに窓を開けた。

「どうかしたのか烏丸、何か用か?」

「屋根の上から君が戦っているのが見えてね、そのご褒美に来たんだよ。」

「なるほどな。」

烏丸は人型に姿を変えて手に持っていた石を差し出してきた。

「戦闘お疲れ様、これはキラキラした魔力石、俺のとっておきだよ。」

「とっておきをくれるのか?ありがとうだけど、なんでだ?」

それに、腕を組みながら答えてくれる。

「君の戦闘の腕が上がっているから、かな?

君はモンスターチャーム持ちで魔物を統べる能力を持っているんだから、ある程度戦闘能力がなきゃやっていけないからね。」

物腰柔らかく言っている割にはとんでもないことを言われている気がする、気がするんじゃない、本当にとんでもないことを言われているんだな。

「俺、別にモンスターチャームを持っているからってモンスターの王になるつもりはないぞ?」

石を受け取るかどうしようか悩んでしまう。

「確かに、君は王になるつもりはないし、もともと別の土地のものだから、俺たちの王になれるかはわからないけど、それでも、森にいる仲間たちは結構気にしているよ。」

「なんと。」

森の友達たちは何を考えているのだろう、俺が王になれる器じゃないってのに……。

頭を抱えると、烏丸はケラケラと笑い始めた。

「なーに、何も考えずに受け取ってくれて大丈夫だよ。

神の民族が目を覚ましたから、それについていこうとしている連中もいるからね。」

そう言った後、烏丸は俺の手を取ってキラキラした魔力石を握らせてきた。

「それにしても、光の集団の洗脳を解く力を持った神の民族を起こして、既に一人洗脳を解くなんて大したことだよ、俺たちとしてはお礼をしたいくらいだ。」

腕を組みながらうなずく烏丸に困った顔を向けてしまう。

「俺は何もやっていないよ、全て如月が勝手にやったことだ。」

「それでも、だよ。」

魔物たちは光の集団から様々な搾取を受けている。

食料、住居、何もなければ己自身、全てが研究対象ということで、見つけ次第全てが研究所送りだ。

そのことを知っているから、それでも、という言葉が重くのしかかってくる。

「わかったよ、とりあえず王にはならないけど石は一応もらっておく、ただし、返すかもしれないということを覚えておいてくれ。」

「わかった、もらってくれてありがとう。」

私が書き溜めていたのはここまでです、これ以降は作っておりません。

これ以降は失踪扱いになるとは思いますので、完結設定はしませんが、更新は絶望的だということを、ここに書きます。

その点は申し訳ないです、たのしみにされていた方はいないとは思いますが、本当にごめんなさい、チラシの裏にでも書けばいい、拙い文章をここまで読んでいただきありがとうございました。

なお、ここまでが2021年までに作っていたらしい部分で、書きたい設定は色々とありましたが、設定を盛りすぎて引き算が頭の中でなされずに、それを無理に形にすることができなかったのです。

設定を引き算できればかけたはずなのに、書けなくなってしまった、個人的に思い入れが強い作品ではあります。

そして、私は異世界もので必須条件だと思われる戦闘シーンが書けない上に、一日を書くのに3か月以上使うことから、挫折せざるおえませんでした。

色々な言い訳はありますが、これが最後の懺悔です、この小説の設定は、中学生のころから温めていた設定を、小説に落とし込めるかを試した小説です、しかも一日一万文字を目指して打っていた小説なので、生活に支障が出てやめることになってしまいました。


言い訳をここまで読んでいただきありがとうございました、このような形で幕引きは心苦しいですが、もしかしたら、この世界観の短編はかけるかもしれませんので、その時はよろしくお願いいたします。

それではまた、ほかの小説でお会いしましょう。

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