ファミレスで今と昔の貨幣の違いに驚いた俺がいた。by如月
学生街道は、その名の通り学生たちが入り浸るのに良い店や、学校で使うものなどが売っている、学生に優しい通りだ。
そんな中の一軒、俺たちはとあるファミリーレストランに来ていた。
ファミリーレストランとは名ばかりの学生たちがたむろしている食堂と言った方がしっくりくるようなレベルでファミリーと学生の割合がおかしなレストランではある。
「いらっしゃいませー、何名様でしょうか?」
扉を開けると、直ぐにウェイトレスの人が俺たちに声をかけてくるのに、如月とケビンが同時に反応する。
「「三名です」」
「それでは、こちらのお席にどうぞー。」
ウェイトレスに促されて座った席は、通りが良く見える窓際の席だった、それになんとなく緊張する俺がいる。
「あれ、神道どうかしたか?」
いち早くその様子に気が付いたのか、如月が声をかけてくれたから、それに声が小さくなりながらも答える。
「いや、な、窓際の席だと、いつ俺の事に気が付いた奴らがこっちに向かってくるかわからないから、なんとなく怖いだけだ。」
自分でも怖がりだなとは思う、しかし、気にしてしまうほどにはこういった事にはなれていなかった。
それに対して、如月は俺の背中を軽く二回たたき、自分が先に窓際の方に座った後に俺を通路側の席に座らせた。
「そんなにビビることないぞ?なにせ、今お前は髪の毛の色を変えているし、なにより、今一人じゃない。
いざとなったら守るというか、助太刀するからな?」
言うと、如月は机の上に出してあるメニューを開いた。
「あら~、2人とも、仲がいいわねぇ、あたし焼けちゃうわ~?」
そんなことをケビンも行ってくるが、正直、恥ずかしい。
ニヤニヤしながらケビンもメニューを開いて見始める、俺もメニューを見ると、そこには様々な料理が載っていた。
グラタン、スパゲッティ、ドリア、ピザ……どれもおいしそうだ。
そんな感じに見ていると、如月が俺に耳打ちをしてきた。
「なぁ、神道、ちょっといいか?」
「なんだよ、いきなり。」
それに対して直ぐに反応を返すと、如月は値段を指さしてきた。
「これって、100デルクであっているか?」
「確かにあっているけれど、どうかしたか?」
「100デルクって、高すぎないか?」
そんな話をしていると、ケビンが不思議そうな顔をして俺たちの話に頭を突っ込んできた。
「あら、2人とも内緒の話かしら?あたしに聞かせられないこと?」
頬に手を当てたケビンに、戸惑ったような様子を見せる如月、それに対して、そう言えばということを思い出す。
「如月、今お金持っているか?」
俺がそう聞くと、如月は頷いてから机の下から袋を取り出した。
「一応、持っているけれど、出していいのか?」
言いながら袋を漁り始めると、ちゃらちゃらという金属の音が聞こえてきた。
「あー、うん、大体わかった。
しまっていいぞ。」
恐らく、如月の持っているのは600年前に使われていた硬貨という事が今分かった、いや、忘れていたといった方が正しいか。
「そうか?」
如月が言いながら袋をしまう、それにケビンは疑問を浮かべた顔をしながら事の成り行きを見守ることにしたらしい。
「とりあえず、如月の会計は俺持ちにするけど、お金が出来たら、ちゃんと払えよ?」
そんなことを形式的に言葉にしてから、俺たちはメニューから、どれを食べるかを決めることにしたのだった。
ちなみに、今のお金は基本紙幣で、金貨や銀貨、銅貨といった金属貨幣は少ないし、価値もかなり減っているものが流通している。
更に言うと、デルクっていうのは、お金の単位だ。




