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滅びた民族と俺の話  作者: 春川 歩
封印されし人間
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突然だが、地面が滑り台になった。

 俺の名前は神道影理しんどうかげり、フォーラス能力者学校の生徒で、現在1年生だ。

 友達もいない、勉強も出来ない、能力者学校に通っているというのに、能力も平凡な俺は基本的にいろんな奴から馬鹿にされていた。

 本当は、この世界では数が少ない獣人族の生まれで、そのおかげかモンスターチャームという能力を持っている俺だが、その力を上手く使いこなせない上に、下手に能力を出せない状況のせいで基本的にはいじめに近いことをされているらしい。

 まぁ、そんないじめられているとかつい最近まで知らなかったがな。

 そんな学校の帰り道、部活動も1年も続かずに止めてしまったフリーの俺は、人から完全に無視されていて、帰り道にみんながグループで帰っている時も一人で帰っていた。

 毎日がつまらない、正直消えてしまいたいと思っていて、そんな時にたまたま学校近くにある巨大な森に入って森林浴でもしようと思い立ち、その森の中に入りこんだのだ。

 どれくらいの規模の森かは分かっていないが、この森には言い伝えがある。

 はるか昔に闇の集団と呼ばれるテロリスト集団がこの森に陣を作っていて、そのテロリスト集団を我らが光の集団が打ち滅ぼしたという話だ。

あ、一応言っておくが、我らがって言ったのは皮肉な、皮肉。

 正直、あんまり光の集団には思い入れはないけれども、学校を運営しているのが光の集団って名前の研究機関なんだ。

 そして、その光の集団に立ち向かっていった闇の集団が使った攻撃が今は失われた攻撃方法だったということで俺はその闇の集団に興味を持った。

 その組織にも、きっといい人がいたはずだし、なにより俺は、古典魔法に興味があるタイプの人でもある。

 そんなことを言い分けとして挙げたが、結局のところ、学校に居たくはないし、学生寮にも帰りたくない、街に行けば突然ヤンキーまがいの不良、別名俺の学校の生徒に突然絡まれるし、なんか八方ふさがりだから、とりあえずそのいずれにも該当しない場所、学校近くの森に入ることにしたのであった。

 そんな学校近くの森に入ってすぐの時は、頭の中には嫌な記憶が浮かんでは消え、浮かんでは消えを繰り返していたが、だんだんと俺はこの森に拒まれていないということを肌で感じ取り、晴れやかな気分になるのが心地として感じていた。

 そんな時だった。

「どわぁ!」

 何かに足を取られて、軽くこけただけだと思ったら、その先の地面がいきなり崩れ始めたのだ。

「わぁぁぁあああ?!」

そのまま穴の深いところにまで、まるで全く摩擦力のない滑り台を降りているかのように、俺は滑って何かの通路にまで出てしまった。

「痛ててて…、いきなりどうしてこうなったんだ?」

そう言いながら滑って来た所を見ると、かなりの距離を滑ってきたらしく、外の光がはるか遠くに見えた。

「こりゃ、出口を探した方がいいかな?」

そう言いながら左右を見て見る、しかし、そこには暗闇が広がっていて、遠くを見通せるわけでは無さそうだ。

「あー……くそっ!どうしてついていないんだ俺は!」

はぁっと溜息を一つついて、俺はとりあえず背負ったままのバッグから暗くなった時用の懐中電灯を取り出し、その懐中電灯をつけ、一先ず左の道を行くことにした。




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