寮長との短い会話
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現在時刻午後11時、部屋の扉をノックすると、中から寮長が出てくる。
「こんな時間にだれだ?」
そういいながら俺の事を見ると、不思議そうな顔をした。
「あれ、神道、お前いつ寮に戻っていたんだ。
食事の時には見かけなかったから、遅くまでどこかで歩いているのだとは思っていたのだが。」
この寮は9時になると寮の扉が閉まり、扉の隣にある窓から寮長に理由を話さなければ入れない仕組みとなっている。
まぁ、厳密にいうと8時50分に寮の扉が閉まるのではあるが、基本的に7時を過ぎると部活をやっているもの以外は怒られる。
そして、寮で出る食事は9時まで、その時までに帰ってこなければ食事もとれない、下手したら閉め出される、そんな寮だから基本的にはみんな寮の規則を守っている。
「部屋に居て、食事の時間には寝ていなので気が付かなかったと言った方が正しいです。」
そうやって嘘をつくと、なんだか腑に落ちない顔をしつつも「そうか、今後気をつけるように」とだけ言って今回は不問となった。
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期末試験1カ月前だということからか、廊下にいる生徒はいない、基本的にこの寮は部屋同士の交流も盛んで、俺の部屋みたいに誰もいない方が珍しいからな。
そう考えながら部屋に戻って一応、宿題をやってみようと机の上に教材を出す。
国語、数学、魔法語、歴史、化学、その他もろもろ。
その中でも今となっては、いや今までずっと興味がなかった歴史が更に興味のないもの、むしろ嫌悪を感じる代物になっていた。
もしかしたら、正しい歴史が彼の口から出てくるのが楽しみでもあり、知らない古典魔法、高等魔法を知れるかもしれないということから、今は正直勉強をしたいとは思わなかった。
これが言い訳であると頭では分かっているが、それでもやる気になれなかったから、とりあえず数学に取り掛かる、が、ものの数分で1日の疲れが出た結果、ベッドにまでフラフラとした足取りで歩いて行き、倒れ込んだところで俺は意識を手放した。




