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滅びた民族と俺の話  作者: 春川 歩
プロローグ
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プロローグ

「如月!こっちの通路はもうだめだ!急いで閉鎖をしな!」

「おにいちゃん!みんなが!みんなが!」

『やめっくるな、くるなぁぁああああ!』

叫び声がダンジョンを包む、敵はダンジョンの入り口どころか様々なところから入りこみ、もはや袋のネズミなのは俺たちの方だという事は明白で、脱出するためのワープ装置も制圧されてしまった。

目の前のモニターに映る景色はどれも、白い服を赤く染めた敵と赤い血を流したままどこかへ連れて行かれる仲間、そして、赤く染まっている地面や壁ばかりだ。

奴らはみんな、笑いながら俺たちの仲間をどこかへと連れて行く、残った仲間たちも、もう数が少ない。


「如月、後は任せたよ」

そう言って我らの族長が相手に報復をしようと部屋から出ていった、もう、残っているのは俺とちかちゃん、大輔兄さん、猫屋敷兄さんだけだ。


「如月おにいちゃん!私も、わたしも戦う!」

「駄目だ、ちかちゃん、お前がいなくなったら、俺はどうすればいい」

「でも、みんなが!」

「駄目なものは駄目だ!」

そう言いながらも必死にダンジョンを作り変え、敵を潰していくが、どうやら性質の悪いものを使っているらしく、前に出ている戦闘員が死んでも気にせず、トラップを潜り抜ける為にワザとやっているのか、後ろにいる白い服の奴らはどんどんとダンジョンを突き進んで行く。


「さぁ!ここはあたしが相手だよ!これ以上、ここを壊させやしない!」

言いながら、族長が力を解放する、すると、一気に敵が死んでゆく、しかし、それも一時的なものに過ぎない、宙に浮かんでいる族長の事を相手は見たこともない攻撃方法で撃ち落とした。

「いやぁぁぁああああ!族長が!族長が!」

ちかちゃんが叫ぶ、その声を聞きながら俺は族長の居るその場所を直ぐに隔離した。

「ははっもうだめかもな、俺も行ってくるわ」

「止めておけ、どうせ犬死にするぞ」

後ろからそう声が聞こえてくる。

「大輔おにいちゃん、猫屋敷、いかないで、そばにいて、もう、もうみんなが死ぬのは見たくない、見たくないよ」

ちかちゃんが叫ぶ声をかき消すかのように俺達がいる隠し部屋の扉が強く、叩かれる音がした。

「ははっもうだめだ、そんじゃ、行って来ようぜ?最後の戦によ」

「こうなったら、仕方がないな」

そうして二人も部屋から出ていった。


「みんな、みんなどうして、いや、いやだよ、如月おにいちゃん、いなくならないで……」

泣きながらちかちゃんがそういってくるが、一番不甲斐なさを感じているのは俺だ。

「おれ、おれ、結局みんなの事を守れなかったのか?嘘だろ、そんな、そんな事ってありかよ、なぁ、なあ!」

言いながら尽きかけの魔力をダンジョンにつぎ込む。

頭がくらくらする、もう駄目か、ダメなのか?

そう思っていた時、人が隠し部屋になだれ込んできた。


「あっれー?ここってどんな部屋なのかなぁ、沢山見たことのないものが置いてあるねぇ」

知らない、聞いたことがない声を聞いて、ちかちゃんの叫び声を聞いて、俺は切れた。


「貴様らの、貴様らのせいで!殺す、殺してやるぅぅぅぅうううう!」

そこから先の記憶は、曖昧になり、ちかちゃんの歌うような、祈りのような声と共に、俺の意識は薄れていった。

初めての投稿なので、おかしなところは多々あるかもしれませんが、なるべく長く続けていくのでよろしくお願いします。

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