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可愛いの卒業。
夏の衣替えをして数日、出掛けるためによそ行きの服に袖を通した。ここ数年愛用するピンクのシフォンのカットソー。タンクトップと重ねて着るタイプ。ボーイフレンドジーンズと合わせるとカジュアルで可愛い。
1年ぶりに袖を通してルンルンで鏡をチェックした。
あれ?あれあれ?なんだか激しく違和感を感じる。
髪型?雰囲気?いや顔だ。
ピンクのシフォンが激しく浮いている。
いそいで脱いでロイヤルブルーのカットソーに着替えたら、しっくりきた。いつの間にか可愛いは強制卒業させられたらしい。
いつの間に?
危うくバックシャンになるところでした。
危険回避。
しかし、しかし
いつの間に私、可愛いを卒業させられたのでしょう?
重力によって?経年劣化によって?そのどちらも?
1年経って似合わなくなった服はとてもお気に入りで捨てられそうにない。私がおばあちゃんになったらまた着られるかしら?
そっとハンガーに掛けクローゼットに仕舞う。