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悪役令嬢本領発揮2

その資料を読み、司祭様は顔を青ざめました。そこには司祭様が使われたお金の流れがはっきりと書かれてあります。エリが調べ書いたものでございます。この国にはまだそういう義務はないので苦労しましたわ。


「…………う…………嘘だ…………嘘だ嘘だ嘘だ!!こ、これは私をはめようとする罠で……。」


言い逃れしようとする司祭様に笑いかける。


「" 罠"だなんて。それは私が信頼できる者に頼んで調査させたもの。信用に値しますわ。」


顔色がどんどん悪くなっていく司祭。


「わ、私は………ちゃんと自分の責務を行っております。そうだ!住人たちに聞いてみると……」

「そうそう。ここに住人からの貴方から受けた恐喝お呼び傷害罪の訴えがあるのだけれど、見ます?署名付きですわ。皆さんあなたから随分と脅されて嘘の証言をしていたようですわね。」


「っ!?!?」


「さらにここ数ヶ月、貴方は都市開発費を前ギルド長から頂いておりますが、見たところ出費に書かれていませんね。……司祭様?先ほどの私の質問に答えていただけるかしら?」


どんどん逃げ道を塞いでいく。


「………………ギルド長。私と取引しませんかな?もし私をこのまま見逃して司祭のままにしてくださるならあなたの…………」

「黙りなさい。」


往生際の悪いにもほどがありますわ。そんなことで生粋の誇り高きシャーロット公爵家令嬢のこの私がつけ入れられると思って?冗談も甚だしいですわね。


「言っているでしょう?私はこの事態の首謀者を許す気など全くないと。それに貴族のお金を賄賂や自分の欲のために使う貴方に酌量の余地などありませんわね。」


「…………くそくそくそ!!もういい!お前らやっちま……………え?」


司祭がそばに控えていた男達に命令すると、男達は指を鳴らして私に近づいてこようと………したけどできませんでしたわ。


「あーあー。なんだよこいつら。弱っちーの。」


「そうね。まあしょうがないんじゃなくて?」


だってマリカワタル姉弟が先程から暴れる理由を探していましたもの。命令しようとした瞬間二人の目が光ったのを私見逃しませんでした。


「……………なっ…………な…………こいつらBランクの冒険者を倒すほどの実力なんだぞ!?」


そうですか。こちらは王都1位2位を争う強さでの2人組ですわよ。……それにしても用心棒たちがやられたって言ったときに強さでは勝たないと知ったのではなかったのでしょうか?


「………司祭様。いえ、罪人プロトリー。貴方は普通なら家族共々打ち首の刑となるでしょう。」


私はプロトリー様にゆっくり近づきながら言いました。


「ひっ…………ひっ………か、家族だけは…………家族だけはどうか……………どうか…………」


「何を都合の良いことを。あなたが不正を働いたせいで、死んだ者達が何人いると思われます?まあ、欲にしか目がない貴方にそんなことわかるはずもありませんわね。」


「ゆ、許して…………ど、どうか命だけは………」


逃げ場を無くしたプロトリー様は壁にすがりついておられます。


「ええ、いいでしょう。命は取らないであげましょう。その代わり貴方からは家、財産全て取り上げますわ。これからはギルドの宿舎に住みなさい。そして今までしてきた罪は働いて返すこと。家族と共にね。あぁ、今まで賄賂を送った者達への助けは期待しなさらないでね。その方々には既に釘をさしておりますから。」


「………………………は、はい」


すっかり大人しくなられたプロトリー様。


「エリ、お客様がお帰りです。宿舎へ御案内差し上げるよう傭兵長へ伝えて。ご家族は後から来られるそうですから。」


「かしこまりました。ギルド長」



☆☆☆☆☆☆



そして、次の日から心を入れ替えたように働き出すプロトリー様。最初はプロトリー様のご家族は不満そうでしたが、だんだん働くことの楽しさを学んだようです。まあ、まだ何も無いこの都市では仕事をしなければ何もすることがなくて暇をしてたのは事実でしょう。


その後順調にビニールハウスは数を増やしていき、作物も取れるようになりました。都市はどんどん活性化していき、移住者も出てきました。ここまで来るのに長かったです。


そう書き連ねたお父様への報告書の束を送ると、三日もせずにお父様からお返事がありました。


私を送って一週間もせず活性化した辺境の地アレスタの噂は王都ではもちきりなのだそうです。前々から流れていた噂と私の報告書、セバスチャンの話を聞いたお父様はそれを利用して、活性化の理由を聞かれた王様へ言ったそうです。


ギルドの都市アレスタは『悪役令嬢』が支配しているのでございます。


と。






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