ふざけやがって‼
「……はぁ。」
ざけんな、マジで‼校長‼そう叫びたいのはやまやまだったがそんなことを言った瞬間に部活停止の停学だ。まぁ、部活が廃部の危機なんだけどね、マジで。
校長からの提案だった。野球部が全員集められ、校長の前に座った。
「それでね、提案なんだけどね。野球部、部活停止にしようかと思うの。」
……冗談ですか?校長。そう言いたげな俺の目を見て読み取ったのか知らないが、やつはこう続けた。
「いや、冗談じゃないよ。至って真剣だよ。」
「しかし、校長…。」
間髪入れずに俺が反論に出る。
「僕も部活停止なんてこと、本当はしたくないよ。部員がぎりぎり九人でがんばってるってる。そこは認めよう。ケド、サッカー部の今年の成績知ってる?」
「……全国ベスト十六です…。」
「うん、じゃあ、テニス部は?」
「…東日本ベスト三十二です…。」
「陸上部は?」
「全国出場です…。」
「君たちの周りには日本という大きな舞台で戦ってる友人がいる。彼ら、彼女らはもっと練習したいんだ。世界でも戦える人材に育てたいんだよ。」
「しかし、僕たちももっと練習して大きな舞台で戦いたいんですよ。」
「う~ん、役員総会で決まってしまったことだしなぁ。」
「なぜ‼俺たちに相談する前に勝手に決めてしまうんだ‼」
「……役員会の会長、知ってるかい?」
「誰です?」
「サッカー部キャプテンの雷大地クンのお父さんだよ。彼はここのOBでもあるんだ。しかも私の先生の一番弟子だからね、頭が上がらないんだ。」
「ふざけやがって‼俺たちの思いを知っているのか‼」
「……そこでね、ある条件をあの人に持ち出したんだ。」
「……なんだ、その条件って?」
「茜ヶ久保学園との練習試合に勝ってほしい。」
「…いいよ、やるさ‼やってやるよ‼‼」
「ホントかい?試合の日程は二週間後だ。がんばってくれたまえ。」
それだけ聞くと俺は立ち上がって校長室を後にした。