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プロローグ

 男は一人の女性を愛した。


 二人で共に生きる事を誓った。毎日が眩しく美しかった。当たり前の生活が幸せだった。


 ……しかし、男は常に世界を憎んでいた。平和に見えるこの世界は歪んでいる。誰かが変えなくてはいけない。そう思っていた。



 そして時は流れ、二人は子どもを授かった。


 男は妻を、子を一生守ると誓った。


 ……はずだった。


「この世界を変え、正しい世界を作る。その為には君の力が必要だ」


 産まれたばかりの赤子を妻から取り上げ、男は禁忌を犯した。


 妻から浮かび上がる円形の模様。それを軸に光が放たれ、泣きわめく赤子は床に寝かされると白と黒の光に包まれる。


「さぁ、メノティリア様!! 我らルアーニ人に救いの力を!!」


 二人から一歩離れると、妻と赤子は更に強い光に包まれた。


「ハハハハハハハハ」


 不気味に笑う男の声と赤子の泣き声だけが部屋に響き渡る。


 そして気付くと光は消え……。


「…………………」

 

 妻は息を引き取った。


「……お前は死んではいけない。わたしが愛した人の命を犠牲にしたのだ。メノティリア様の力を宿せ。我が力となれ」


 泣きわめく赤子の僅かな黒髪が徐々に色を失っていく。それを見守る男の額には、いくつもの汗が流れていた。


「さぁ!! 今こそ復活の時!! メノティリア様!!」

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