第①話 幼馴染のお怒り
ブックマーク登録3件!登録してくれる方が居るなんて、びっくりです。
そして、調子に乗り今日中にもう1話投稿。
気付いた時には、噴水のある公園らしき所にいた。辺りには、いろんな色の花々。ふと上を見れば、何処までも澄み渡るような青い空。そして、1時間ずらしても騒がしい、たくさんのプレーヤー。
とても、ゲームとは思えない。それどころか、現実よりも綺麗なんじゃないだろうか。俺は、無意識のうちに、
「す、すげー」
と、つぶやいていた。そして、感動でまったく動けなかった。
どれくらい、そうしてただろうか。ふと気が付いたころには、俺の後に来た何人かのプレーヤーが、俺と同じように身動きをとらず固まっていた。それくらい綺麗だったのだ、最初に全てのプレーヤーが集まる、この場所さえも。これ以上に綺麗な所があるのかもしれないと思うと、いろんな所に行ってきれいな景色を見るという、俺のこのゲームでの目標が決まったのもおかしくないはずだ。
しかし、いつまでもそうしていられない。待ち合わせをしているのだ。そう思い、あらかじめ決めていた待ち合わせ場所【寂れた風車】の前に足を進めた。行き方は、NPCに聞くと教えてくれた。NPCの反応も本物の人間みたいだった。
寂れた風車に向かう途中に気付いたのだが、アバター作りに1時間以上の予定が、45分で終わったので、30分くらい余裕があった。それでも、目的地には先客がいた。プレーヤー名は、[三五夜]。鈴のアバター名だ。
俺たちは、お互いのプレーヤー名をあらかじめ確認しといたのである。俺は、かぶる可能性があったが、βテスターがかぶることは無いから楽でいい。話しながらゆっくり、他の2人を待っとけばいいだろう。
「おーい!rっと違う。三五夜!」
「あ、syじゃなかった。ジャスミン茶、こっちですよ!」
危なかった。リアルの名前で呼ぶところだった。気を付けないとな。
フレンド登録をして、アバターの何処をこだわったとか、どのくらい時間がかかったなどと、風車にもたれかかって話していると、三五夜が
「ステータス見せて下さい」
と、言ってきた。そういえば確認してなかった。なんてことを言ったら、いっしょに見ることとなった。
ちなみに、メニューとかステータスとかは声に出すだけでOK。普段は周りに見えないようになっているが、本人が許可を出せば見せることも可能である。
どうなってんだろう。ドキドキするな。
「ステータス」
ジャスミン茶
種族…獣人 職業…ハンマー使い
レベル 1 ジョブ 1
HP 80 MP 40
力 8 知 3
防 5 精 3
脚 4 必 5
スキル
ハンマー〔弱〕 1 腕力強化〔弱〕 1
拘束魔法〔弱〕 1 毒魔法〔弱〕 1
幸運〔弱〕 1
サイのステータスは、こんな風になっているのか。確か、人間にするとHP・MPが50。それ以外が、5だったはず。HP・SPが10で1だと考えれば、ぴったしだ。
俺は、納得のいく結果だったのだが、三五夜は、不満があるようだ。
「あなたは、公式サイトやテスターの出してるサイトを見なかったんですか!!」
うわっ!び、びっくりした。耳元で叫ばないでよ。思い当たることがあるからいいけどさ。これの何が悪いかって言ったら、
「毒魔法も不遇スキルでしたが、幸運があるから許します。ですが、ですが何で拘束魔法を取ったんですか!」
そう、毒魔法と拘束魔法は不遇スキルなのだ。
毒魔法は、クリティカルを出さないとほとんど毒にできない位に、成功率が低いのである。幸運を持っててもあまり成功しないが、持ってるだけまだマシなのだ。
問題は、拘束魔法なのだ。これ自体に悪いところは特にない。ただ、光魔法による目潰し・木魔法の蔓での拘束・土魔法なら相手の足元に沼を作るなど、MPの消費を少し増やせば変わりがあるのだ。それに確率は高くないが、雷魔法による麻痺・氷魔法の凍結を狙った方がマシと言われたスキルなのだ。
「あなたの戦い方は大体想像できました。ですが、それでも属性攻撃魔法を取った方がよかったと思います!」
「別にいいじゃない。あ、やっと2人が来た」
結構遅かったどころか、2、3分過ぎてるし。
「ごっめーん。遅れた」
「ごめんねー。βの時の知り合いと偶然会って、話してたら気付かぬうちに過ぎてたんだよー」
気を付けてほしいものだ。というかこいつら、俺がアバター作りのせいで1番遅くなるって言ってた気がするんだが。土下座くらいして欲しいね。
感想下さーい。