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君とまた手を繋ぐ為に  作者: 神無月タケル
プロローグ
2/2

箱庭の外

『ふぅ、どうやら、無事に僕の理の外の世界に抜けたみたいだね。それで行き先は・・・』

何もない白い空間の中で虚空を見つめながら独り言を話す1人の少年がいた。

服装は現代とはかけ離れた白いワンピースのようなもので、信心深いものなら天使が光臨したようにも見えるだろう

それほどまでに目の前の少年は美しかった。

『うわ、まじか、魔王の行ったアムールの世界のとこならともかくよりによってフェローチェのとこかよ、こりゃ勇者は早々に脱落かなぁ』

などと独りごちるが、ふと虚空を見てた少年が目の焦点を別のところに合わせてなんともなく言う。

『で、いつまで隠れてるつもり?ソルド』

少年の目線の先に頭からゆっくりと光を反射するかのように1人の青年が現れた

少年とは違い司祭のような法衣を身にまとい、装飾は華美ではないが、物静かで厳かな感じを受けるものであった。

髪は腰まで伸ばしており、耳はとがり、十中八九女性がすれ違えば振り返るような美男子である。

『アレグロ、お前また箱庭の住人を外の世界にやったろ、もういい加減やめろって。只でさえお前の箱の中で転生させてるんだから、これでもし理間の魂の移動なんて消耗激しくてまともに生き残れないし、第一別の理の環境に耐えられるはずがない。ほかの奴も困ってるぞ、異物が紛れ込んで管理が大変だって。

それにだな、お前はいつもそうだ、自分だ楽しいからって周りの迷惑も考えないでいつもいつも・・・』

といったん口を開くと次々の出てくるアレグロへの文句と説教、アレグロは右から左へと言葉を聞き流しながらまた虚空をなばめる


今回ばかりはそうでもないんだよなぁ、なんたって勇者と魔王だし転生しても魂が磨り減るどころかより輝き増してるし

本当にこれからが楽しみだ


なんて、ソルドの説教もどこへやらすっかり自分の世界へ入ってるご様子です


『というわけで、お前には土台無理な話かもしれないが、それでも多少の自重というものを憶えてもらいたい』

と長々とソルドの説教が1区切りついた


『ふぅ~ん、話はそれだけ?君がここに来るってことは、また別の用件がるとおも生んだけど』

耳を小指でほじりながらソルドの説教に反省した様子もなく次の話を促す

『ぐっ、本当にお前は話を聞いてるのか、そうやって話半分に聞くから、私もしたくない説教を・・・』


やば、墓穴掘った早くしないとまた延々と説教聞くはめになる。


『わかった、わかった、きちんと反省してるよ。ちゃんと話し聞くから』

あわてて、姿勢を正して、ソルドの顔を見る


『わかればいいんだ、じゃあ伝えるぞ。ソプラーン様が緊急会議を開くそうだ、議題は未定今のところ13席全員に招集を掛けているそうだ』

ソルドの用件のないようにアレグロが疑問をもつ

『全席を召集するような緊急会議?いったいなんだろ』

『さぁな、俺にもわからん。全席の召集なんて今までになかったからな、議題が未定なのも気になるところだ。』

ソルドは手を広げて首を横に振り困った様の表情で言う。

『ま、行ってみればわかることでしょ。さっさと行きますか、じゃあまたね、議会の席で』

『あぁ、議会の席でな』

そういうとアレグロと、ソルドはその場から掻き消え、何もない白い空間だけがその場には残った



お読みいただきありがとうございます

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