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蓮鬽  作者: 夏月晴
8/27

遅くなってすみません。

こんな、ペースで続いていきます。

高い木造の家に囲まれ、太陽の光が遮られた路地は薄暗く、肌寒い。

表とは違う雰囲気が漂っている。

一歩足を踏み入れると、まとわりつくように殺気が満ちてくる。

昔の懐かしさと、どこからかで血の匂いがするのは変わっていなかった。


一歩一歩踏みしめるように歩いてく。

記憶の片隅にある、あの家を思い浮かべ。

奥へ行くにつれ、昔の自分が戻ってきた気がした。

よみがえってくるのは、鮮血の飛沫とと金属の打ち合う音。

鮮明な映像が脳裏に浮かぶ。

また昔に戻る・・・・。



後悔はしていない。



気づくと、見覚えのある一軒家に着いた。

そこだけは、他とちがって異様な雰囲気を醸し出していて、普通の人間ならまず近づかない。

私は、なんの躊躇もなく戸を開けた。


閑散としている家の中は、うす暗くはっきりとは見えない。

だが、奥に誰かがいるのは感覚で分かる。

ゆっくりと敷居をまたぎ中へ入った。


「親父さん」


声をかけると、奥で何かが動いた。

ひときは鋭い視線を感じる。

それは、私の心の中を突き刺すように、きりきりと痛めつけてくる。


「ハルだよ」


そう名乗ると、突き刺すような視線は消えた。そして、低い落ち着いた声が戻ってきた。


「久しぶりだな。こんな所に何の用だ」


「あいさつに来たんだ。こっちの世界に戻りに来たって」


「なるほど。こっちへ来い」


言われるがまま、奥へ進む。

視界がはっきりしてくると、濁った紫の着物を着た老人が目に入った。

手には更かしタバコを持っている。長年使っているせいか、装飾は剥がれ、色はあせている。

昔と、変わらない。その目つき、風貌。体中から放たれる殺気は、近づくたび威圧を増してく。

彼は、殺し屋界随一の腕利き。

一度、受けた仕事は必ずやり遂げるという強者である。

白い着物をまとい、狙った獲物は確実に仕留める姿から「白鬼」として恐れられていた。

仲間からは、「劉」と呼ばれていたが、今では、その名で呼ぶ者もいなくなった。

現在も、現役として働いている。

唯一、変わった所と言えば、白髪が増えたくらいだ。


「親父さんは変わらないな」


「お前も変わらんな。表へ出れば表情くらいは豊かになるだろうと思ってたが・・・・・。その様子じゃ、笑った事がないだろう」


深いしわのある顔が笑う。だが、目は鋭い視線のままだ。


「まあね」


改めて部屋を見渡すと、何もない。殺風景な部屋だ。

こんな、親父だからやたらと物を置きたがらないのかもしれないし、仕事柄似合わないのかもしれない。


「笑えない娘が、向こうでやっていけるのかと思ったが、案の定無理だったようだな」

タバコから煙が上がる。


「お前、ヤクザにバレかけたらしいじゃないか」


「なんだ。知ってたのか」


さずが、殺し屋のトップを張るだけある。この街を手の中で転がしてるとは、嘘じゃなさそうだ。


いろいろ、修正しました。

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