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蓮鬽  作者: 夏月晴
24/27

二十四

月明かりの下、暗い闇に溶け込むように狼

-狼と呼ばれている男―

が歩いていた。




手にはまだあいつの温もりが残っている。


思わず抱きしめてしまったその体は、あまりにも細く、今にも崩れてしまいそうなほどやわらかかった。

あの細い腕で刀を振り回し、手を血で染めているとは考えられなかった。


「あいつが蓮魅なのか・・・・」


光を宿していない瞳、白い肌、薄く赤い唇。

死に急ぐあいつの顔があまりにも母親に似ていた。


だから、抱きしめてしまった。


「変なことしちまった。あの商人の店も壊しちまったし、これじゃ怒られるだけじゃすまねぇな」


そう言ってる男の顔は、言葉とは裏腹に笑っていた。


「あいつはこれから生きるだろうか」


夜空に浮かぶ月を見上げ、そうつぶやく。

しかし、その瞳に月は写っていなかった。


「いるんだろ?出てこいよ」


そう男が言うと、暗闇から覆面をした忍者が現れた。


「主がお呼びだ」


「わかってるよ。これから行くところだ」


「なら早く来い。それと、頭からの伝言だ。準備は整った、だそうだ。では、私はこれで」


そういうと、忍者は暗闇の中に消えていった。


「俺もそろそろ準備をしないとな」


男は闇に向かって走り出した。





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