二十二
瞼を通して差し込んでくる冷たい光で目が覚めた。
ゆっくり瞼を開けると、自分が今どこにいて、今日は何日なのかわからない錯覚に落ちて、少し時間が経ってくると昨日のことがだんだんと記憶の底からよみがえってきた。
それでも、夢だったんじゃないのかと思えてくる。
しかし、体に残る鈍い痛みと、あちこちの傷が昨日のことは現実であることを証明した。
ゆっくり起きると、冬の冷たい空気が体に染み込んできた。
普段なら気にもしないのに。
居間に行くと、イサクが台所で何かを作っていた。
「おう、やっと起きたか。朝ごはんできてるから、そこに座っとれよ。」
指定された場所に座って待っていると、目の前に湯気の立つ味噌汁と、ごはんが用意された。
「これは?」
「お前のために俺が作ったんだ。文句言わず食えよ。」
イサクが、私に?
とりあえず、何か食べたかったので味噌汁を口に含んだ。
「どうだ?おいしいか?」
あたたかい味噌汁は冷え切った体と心をあっためた。
そのぬくもりが心地よかった。
「おいいしいよ。ありがとうイサク。」
自然と感謝の言葉が出たのは、味噌汁のせいかもしれないが、嬉しそうなイサクの顔を見て、また少し心があったまった気がした。




