十三
「お前がいなくなっても、こっちの世界は相変わらずだったが、ある日変な手紙が戸口の前に置いてあった。
俺宛のだ。
気配を全く感じなかった。
敵だと思ったが、書いてある内容を見た限り違った。
手紙には
我が名は狼。
赤い札貼られし者、我が獲物なり。
手を出すべからず。
と書いてあった。
その手紙がきた翌日に、幕府の役人で赤い札を貼られた者が出た。
気づかない間に背中に貼ってあったんだとよ。
それで、その日の夜、その役人は殺された。
狼に。
死体の上には、真っ赤な紙の斬奸状が置いてあった。
それから、度々赤い札を貼られる者が出るようになり、幕府も捜査に乗りでたらしいが未だ捕まってない…と、まあこんな感じだ」
「その狼とかいうやつ、何者なわけ?」
「知ってたらお前を戦わせたりしないさ」
「それって、私をはめたということだね」
「…それよりもだ、一度あいつの獲物とこっちの獲物が被った時があってな。その依頼をやりにいった奴はボロボロになって帰って来たよ」
親父さんはいつの間にかタバコをふかしていた。
「その依頼を引き受けたのは、新人だったのか?」
「そうでもない。こっちに入って5年立つ奴だ。そう簡単にはやられんだろ」
あの速さからいうと、蓮鬽の中でも追いついてこれる者は少ないだろう。
「そこでだ。お前をあいつと戦わせたのは、何かしらの情報を見つけやしないかと思ったわけだ」
にやりと口の橋を釣り上げる笑いに、鳥肌が立つ。
「親父さん、その趣味の悪い笑いをやめてくれないかな。情報といっても、あいつの顔しか見なかったよ」
「十分だ。見覚えのある奴だったか?」
「いや、全然」
「そうか…。ご苦労だったな。はめた事は謝る。詫びにそこの風呂敷を持っていけ」
見ると、紫の風呂敷が置いてあった。
中に何か入ってるようだ。
「これか?何が入ってるんだ?」
「秘密だ。家に着いてから空けろ」
そういうと親父さんは煙の中に消えていった。
「秘密って…」
仕方なく風呂敷を持つと家を出た。
読んで頂きありがとうございます。
汚い文ですがこれからも楽しんで下さい。
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