表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蓮鬽  作者: 夏月晴
10/27

刀を引こうとした時、かすかな気配を感じ、とっさに身をひるがえした。

その瞬間、足元にくないが突き刺さる。

「誰だ」


暗闇に目を細めると、やがて人影が見えてきた。


「そいつは俺の獲物だ。手を出すな」


低い声が闇にこだまする。


「あんた、誰?」


人影は、答えない。


同業者であるが、獲物が被ることは考えられない。

なぜなら、殺し屋をすべて仕切ってるのが、あの白鬼だからだ。

ということは、新しい殺し屋グループができたのかもしれない。

でも、そうなると白鬼の情報網に何かしら引っかかるはず。

だとすれば、私に一つや二つ言って・・・・。



ふと、白鬼の不敵な笑みが浮かんだ。

これは、何かありそうだ。



「お前、引かないつもりか?」


気付くと、人影は10メートルほど先にいた。

顔には、顔を隠す為の布が巻かれてる。

体格的、声的に男だろう。


「これは、仕事だからね」


笑いながら答える。だが、あいつからは、絶対に目を離さない。

一番厄介なのは、殺し屋同士の戦いだ。

新手でない限り、気は抜けない。


あいつは・・・・。手練れのようだ。

周囲に張り巡らした殺気が尋常じゃない。


どうしようか悩んでる間に、後ろで駆けてく足音がした。


「しまった!」


すっかり忘れてた、与吉の存在。

私が追おうとしたその時、


ヒュンっっ!!

と、何かが頬をすり抜けていき、そのまま与吉の背中にささった。

与吉はその場に崩れ落ちる。

よく見ると、くないだ。

私の頬を血が伝う。

振り返り、あいつをにらみつけた。


「殺し屋に背中を向けるなと、教わらなかったのか?」


どこか楽しげな口調に、腹が立つ。

くないの刺さり方、位置からして与吉は死ぬだろう。


「あんた、上手いんだね。人殺すの」


男に、冷たい視線を向ける。


「これじゃ、仕事は終わりだ。あんたの獲物だったのかは知らないけど、私はもうここに用はないから好きにすれば?」


刀を鞘に納め、帰ろうとした。


「おい。人の獲物狙っといて帰れると思ってんのか?」


男はそういうと、くないを投げつけてきた。

すんでのところでそれをかわす。


「っつ。あんたと争う気はない」


だが、男は聞く耳持たず。


「それはそっちの都合だ。悪いが、邪魔されたからには生きて返さない」


再びくないが飛んでくる。

それも、軽々と避ける。


「そんなんじゃ、私を殺せないよ」


男は、あきらめたのかくないをしまった。

だが、背中から刀を取り出した。

どうやら、背中に鞘を括り付けてあったのだろう。


「まだこれがある」


そういうと、刀を握りしめ駆けだしてきた。あまりの速さに、鞘をつけたまま刀を制す。


「っつ・・・」


弾き返し、後ろに跳びさる。


「なかなかいい腕してるな」


男は、笑ってるようだ。


「あんたこそ」


私は、鞘から刀を抜くと中段に構えた。

目は、しっかりと男をとらえる。

こうなったら、どうにかして切り抜けないと命は無い。


夜の静けさが二人を包み込む。

かすかに、水が地面を打つ音がする。

ピチョン、ピチョン・・・・


ダッッ!!


男がさっきと同じように駆け出してきた。

その速さに、残像が残る。

何とか目で追い、刀を防ぐ。


キンッッ!!!


刀が打ち合う音が響く。

下から、横から、上から・・・・。

絶え間なく、刃が襲い掛かってくる。

紙一重のところでかわし、刀で受けるが追いつくのにやっとだ。

2年振りに相手をするのが同業者とは・・・・。分が悪い。


「くっ・・・」


何度目かの攻撃を受け、息を吐く。

息をする暇がないほど、相手の斬撃は早い。


「くそっ!」


刀を上にはねのけ、男の懐に刀のみねを打ち付ける。


「ぐっっ!」


手応えはあった。ほっと気を抜いた瞬間、腹を蹴飛ばされた。

あまりの衝撃に受け身も取れず、石垣に体を打ち付けた。


「っっつ・・・」


息が止まる。

視界が回る。


やがて、男が近くにやってきた。


「遊びはここまでだ」


月の光を浴びた刀が、ゆっくりと振り上げられる。

その銀の輝きが眩しい。


「死ぬ・・・の・か」


私は、ゆっくりと目を閉じた。

ぜひ感想お願いします!


今後の参考にしたいと思います♪

辛口コメントでも、構いません!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ