第22話 政治資金パーティー?
「はい、ですから茜詩郎、葉室剛士、赤澤慎之介、伊馬且延のギャラが大物タレントの上限だろうと思います」
資料には4人の出演料1本60万円がカウボーイ事務所振込済と書かれている。
「ですが、その金額も曖昧です」
「如何にも芸能界ならではだな・・・」
「明確にできなかった理由として、二人にはそこに書けないものが膨らまされているからだと思います」
「膨らまされている?」
「はい」
小坂部は和田の確信に満ちた表情に、彼が特捜部を通じてその実態を既に掴んでいることを悟った。
「全部でいくら支払われている?」
「印税抜きで一人500万円」
想像を絶する金額だった。バラエティ1本でそんな額を貰える芸能人はこの世界どこにもいない。
「それをどうやって?」
「喜多村メイコに渡っています」
「副社長経由か。ありそうな話だ」
「特捜部の調べでは、喜多村メイコが局に直接出向いて二人の出演料を60万円だけ受け取って、あと残りは局を介して政治資金パーティー券の購入に充てていたみたいですね」
「政治資金パーティー?」
「ええ。放送法や放送事業者を管轄する総務省にゆかりの深い議員からパーティー券を買って、夢藤雅樹と飛柳拓海の露出を増やしてもらえるよう派閥の領袖に裏から手を回してもらっていたみたいです」
つまり、夢藤雅樹と飛柳拓海の実入りが多く見えないよう出演料は均一にして、一方では二人のプロモートに金をかけて大舞台の出演を増やす方法である。
「なるほどな、出演料の転売か」
水無月はたち
1964年大阪下町生まれ。同志社大学経済学部卒。現在、大阪の某大学勤務。
優しい奥様と独立独歩した我が子たちだけが自慢。
-筆歴-
2023年4月 『戦力外からのリアル三刀流』(つむぎ書房)発刊
2024年3月 『空飛ぶクルマのその先へ 〜沈む自動車業界盟主と捨てられた町工場の対決〜』(つむぎ書房)発刊
2024年7月 『ガチの親子ゲンカやさかい』(つむぎ書房)発刊
2025年7月 『いまじゃ 殺れ 信長を』(つむぎ書房)発刊
2026年3月16日 『神より選ばれし偶像たち』(つむぎ書房)発刊
※当作品は100%作者の手で作り上げた不完全なヒューマンドラマです。AIの力は全く借りておりません。つづきはこちら↓




