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第2話 我慢の限界
我慢の限界だった。
「ちょっと待てよ!」
ついに切れた。慎之介がテーブルを叩く。差し入れの焼き菓子が籐籠から飛び散る。
「いまの言葉取り消せよ」
「どの言葉だよ?」
「園児のはしゃいでるってやつだよ」
「そのとおりだろが!」
「ざけんな!」
「ふざけてんのはてめえのほうだろ。お遊びでやられたらこっちが迷惑なんだよ!」
「もいっぺん言ってみろ!」
「ああ、言ってやるよ! てめえの芝居は保育園レベルなんだよ!」
「もう、もうガマンなんねえ!」
真っ赤な顔して慎之介は拓海に殴りかかった。拓海はそれをひらりと躱したが、慎之介の体当たりを食らって、持っていたコーヒーを床に落とした。
「上等じゃねえか!」
拓海の顔も赤みを帯びて来る。慎之介の胸ぐらを掴み上げた。慎之介も拓海の胸ぐらを掴む。そうして二人が激しく揉みあう。
騒がしい声を聞きつけ葉室剛士が控室を覗く。喧嘩している二人を発見する。
「や、やめろ! なにしてるんだ!」
絡み合う二人を引き離そうとする。
慎之介が叫ぶ。
「邪魔すんな!」
二人の間に体を押し入れて、剛士が諫める。
「何があったか知らないけど、喧嘩はやめろって! 仲間じゃないか!」
それを聞いて拓海は凍り付くほど冷たい笑みを浮かべた。
「なかまねえ・・・。それ、虫唾が走るぜ」




