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【プロットタイプ】熱砂の矛盾

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。

これは読者様の問題ではなく、私の問題。


詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。


注意事項2

熱い。

体の周期というのは、皆が思っている以上に正確で、何より正直である。そしてまた、其れに振り回されるのも人間である。

今の私の状態は何とも形容しがたい。発熱しているような。病み上がりのような。体中の細胞一つ一つがブチブチと弾けて、軽い火傷を引き起こしているようだった。

熱くないのに、熱い。痛いようでむず痒い。そんな矛盾が巡り巡っていた。


帰ってきてからずっと鏡花が体にへばりついて離れない。夕飯の準備をしている時も、食事をしている時も、風呂に入ろうとした時も、抱き締めて来たり、腕を擦り寄せて来たり、後を着いてきたり、兎に角離れようとはしなかった。

「流石にうぜぇ」

そう何時もの様に言い放って、額に手を当てて引き離しても、言うことを聞かなかった。絡むよ様な口答えもしなかった。何かに浮かされた様に、ただ一点を見つめていた。

様子がおかしい。否、常日頃からおかしいと言えばおかしいのだが、あれは言うなれば、わざとであり、今のように芯からおかしくなっている訳ではない。

鏡花は反論の一つもせずにそのまま俺の体に凭れ掛かると、ぐりっと胸元に頬を擦り寄せた。

「熱くないのに熱くて、痛いのに痒くて、何でも出来るのに、何もしたくない。ただ細胞の一つ一つが噴火したみたいに弾けて、その飛び散ったマグマが皮膚を焼いて、物凄くもどかしい」

して欲しい事は、全て口に出すタイプだと思っている。感じた事も子供のように全て話す。けれども今の此奴はして欲しい事も言わず、安らぐ為の願いも口にしない。

ただ朦朧と凭れ掛かり、ぐりぐりと胸元に顔を擦り付けるだけに留まっている。

「苦しい」

動悸息切れ一秒前。そんな思いを吐息に乗せた言葉が口をついて出た。

全くこのままでは風呂に入ることも出来ない。世話の掛かる奴だとは何度も思った。これが初めてという訳でもない。

「何して欲しいんだ」

「分かんない。でも傍にはいたい。一人でも戦えるけど、取り繕いたくない。ただ傍にいて欲しい」

文脈の乱れた言葉のまま、漸く俺から離れると、脱衣所にぺったりと座り込んだ。手負いの武者の様に立膝を着くと、疲れ果てた様に天を見上げる。

「瑠衣は何時もの様に好きにして良いから……私も好きにするから……」

ただそれだけを述べて瞼を閉ざした。疲れ果てた様に。戦意を失った様に。

熱砂って、熱せられた砂粒一つ一つの事。

其れを肌の細胞一つ一つに例えて、矛盾を与えるからこの話。

何処か不気味なアニメ〇〇奇譚のOPを思い出しました。


一人でも戦えるっていうのは、鏡花に限らず人間誰しもそうだと思います。

誰かといても、誰と話していても、何処かしらに心の壁とか、仮面があって、本心を晒してない。

何処か無理をして、負担を掛けている。何処かしらで、皆戦ってる。


その取り繕いを今は辞めたい。

何時もの様におふざけの仮面を被って、一人でもこの病状と戦えるけど、そうしたくないんです。

ただ傍にいて、今の弱い自分を受け入れて欲しいんです。


今日も滅茶苦茶しんどいな。

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