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公認された聖女

「古い文献に、子孫である直系の王族と聖女が同時に遺跡を訪問した時にだけ、セルスの言葉が分かると書いてあったので、まさかとは思っていたのですが──どうやら、その文献は正しかったようですね」


「私が聖女? そんなんじゃ──」


「あー、レイラ。レイラには先に謝っておかなければならないことがある」


「え?」


 私は嫌な予感がしつつも、殿下のいる方へ振り返った。


「先日、私が陛下に『聖女に関する提案書』を提出したんだ。そしたら、陛下は何を勘違いしたのか、レイラを聖女にする提案書に印を押してしまった」


 私は嫌な予感がしつつも、殿下へ確認した。


「印? 殿下、その提案書には『提案する』と書かれたのですか?」


「いや――こうだったらいいな、と思うことを書き連ねただけで、机の上に置いておいたら侍従が勝手に他の書類と一緒に城へ送ってしまったんだ」


「ラインハルト様?」


「す、すまない」


「殿下、それよりもこの遺跡についてです。遺跡の謎をセルスに問いただせる機会があるのなら、逃す手はないでしょう。早急に王都へ戻りましょう」


 フィリップの提案に、殿下は肩をすくめると遺跡の入り口を見ていた。


「そうだな。しかし、それは――けが人を運んでからにしよう」


 闘いに疲れていた私達は、朝焼けの中、倒れている三人の存在を思い出したのだった。



※※※※※



 けが人を屋敷へ運んだ後、私達は再び森の遺跡に集まっていた。転移陣の上に乗ると、オリバ先生の転移魔術で王都へ向かう準備をしていた。


「オリバ先生――見えざるものの手は、本当に封印されたのでしょうか?」


 見送りに来ていたお父様が、心配そうにオリバ先生へ聞いていた。オリバ先生の他に私と殿下、フィリップもいる。


「封印は成功しています。一時的ではありますが、しばらくは問題ないでしょう」


「しばらくとは?」


「断定は出来ませんが、あと一年は持つかと」


「一年?!」




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