自警団
ベイルと一緒に馬車にゆられて伯爵邸へ帰ったのは、それから三日後のことだった。殿下も一緒に行きたがっていたが、学園にいた方が安全だとフィリップに説得されて、しぶしぶ学園に残っていた。
「おかえり、レイラ」
「ユン兄、ただいま」
「おかえりなさい」
「ただいま、お母様。お父様は?」
「書斎にいるわ。今、ちょっと困ったことになってて……」
「困ったこと?」
「領地の農民が急に消えてしまって――三日前には、小麦農家のボブが、一昨日は牧場のマイクがいなくなってしまったの。周りの人たちの話だと、どうやら遺跡の近くで消えたみたいだから、レイラも森には行かないようにしてね」
「はい、お母様」
「レイラ、おかえり」
お母様と話をしていると、後ろからお父様とフェル兄がやって来た。
「今日は、殿下と一緒じゃないの?」
フェル兄とユン兄は前回の殿下の訪問がよほど堪えたらしく、辺りを警戒するように周りを見回していた。
「殿下は、お留守番ですわ」
「「お留守番?!」」
「レイラ、なんか違うと思うが――まあいいだろう。久しぶりだな」
「お久しぶりです、お父様」
「背も伸びて――大人っぽくなったな」
「そこは綺麗になったと言ってくださいませ」
「レイラは昔から綺麗だし、可愛いよ」
「あなたって人は、本当に親バカなんだから」
私にデレデレしているお父様を見て、お母様は呆れていた。
「それより、聞きましたわ。領地内で行方不明者が出たとか」
「ああ。今、村の自警団が探してくれている。ユングが自警団と連携を取っているから、今後の方針について話し合おうと思っていたところなのだよ」
「まあ、そうでしたの。すみません、大変な時に帰って来てしまって」




