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地域課の職場見学

 翌々週になって、D~F班の課外授業が行われた。E班の課外授業に参加していた私は、魔術工房見学の後、国営機関の地域課に案内された。


 街の外れのにある倉庫のような建物の中に入ると、奥の扉から地下へ入り、地下通路を歩いて行く。


 通路には水が流れており、水の流れる先には小部屋があった。地域課の人の話によると、街の中心部の真下にあるという小部屋は、上下水道を管理する『制御室』だということだった。


 制御室の壁面には6つの映像があり、角度を変えながら、街の様子を映し出していた。


「すごいですね」


「レイラ様。このような、むさ苦しいところまでおいでいただきまして、ありがとうございます」


「わたくしは普段使っている水が、どのようにして供給されているのか、いつも不思議に思っておりましたの。素晴らしい設備ですね」


「ありがとうございます」


 私の言葉に、案内してくれた地域課の人は一礼をすると、映し出された街の映像の前に立って説明を始めた。


「この映像は、この魔石を使って街の一部を映し出したものになります。水が地下通路や別の場所から溢れ出ていないか、確認するためのものになります。また、そちらにある3つの魔石で上下水道の管理を行っております。この石の中にある魔力がなくなる前に取り替えるのが、私達の役目になっております」


 街の設備と連動しているのか、噴水や浄水施設、それから森から流れている小川の様子が、四角い画面に映し出されていた。


「これを24時間体制で見守っているのですか?」


「はい。街の見守りも兼ねているのですが、映像が6箇所しかないため、異変が別の場所で起きていても、気づくのが遅れてしまう場合がございます。例えば先々週に冒険者ギルドで起こった外部からの攻撃などは――騎士団に通報するのが、我々の役目となっております」


「あれは――」


 騎士団に来て貰っても、手に負えるような案件ではない。かなり手練れの魔術師が三人がかりで迎え撃って何とかなるような話だ。もし仮に、騎士団に連絡がいったとしても、彼らが到着する頃には、事態が収まった後だろう。彼らの言いたいことは分かるが、何を言っても納得しないと思った私は、どう答えるべきか考えあぐねていた。


「あの時は、その場にいた人たちで、何とか解決することが出来ましたの。ですが、一瞬のことで――連絡して間に合ったかどうかは、判断できかねますわ」


「それでも、街の安全を考えれば、万全を期して対策を講じるべきかと」


 彼らの真摯な態度に心を打たれた私は、動揺を隠しながらも彼らに答えた。


「殿下に相談してみますわ。私も街の防衛を怠ってはいけないと思っておりますの」


「ありがとうございます」


 彼らのやる気と使命感に感動した私は、つい殿下に『相談する』と言ってしまった。相談しても、見えざるものの手はどうにも出来ないだろう──だが、詳しく話せない限り、彼らの理解を得るのは難しいとも思った。


 その後も何箇所か施設を見て回り、日が暮れる頃にE班の課外授業は解散になったのだった。




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