課外授業
次の週になると、課外授業が行われた。あらかじめ指定されたA~Fコースのうち、自分が見学したいコースを選択し、班ごとに分かれて順番に職場を見学をしていく。
地域課が含まれているコースはEしかなかったので、私は迷わずにEコースを選択した。A~Cは午前中、D~Fは午後に郊外へクラスごとに向かい、班ごとに分かれて課外授業を実施する事になった。
騎士団見学が含まれているAコースを選択した殿下とフィリップ、それからミーアは、朝早くに教室を出て、郊外にある集合場所へ向かっていった。
リトッシュは魔術師団見学が含まれるDコース、アイラは商業が含まれるFコースだった。私を含め三人とも午後からの見学のため、午前中は自習になった。
「あれ? コンラッドは?」
「今日は熱があって、休んでいるようよ」
アイラの言葉に驚いていると、リトッシュが気遣わしげに私の後ろを見ていた。
「ベイルは? どのコースを選択したんだ?」
「私は、レイラお嬢様の学園での護衛も兼ねておりますので、必然的にEコースになります」
「ベイルは、それでいいいのか?」
「侍従コースはございませんので……」
魔術学園に通っていて、侍従になりたいという者は滅多にいない。ベイルが変わっているのだ。職業の選択の幅が広がったのだから、何も危険因子を含んだ伯爵令嬢の侍従なんかしなくてもいいのに、彼は私の傍にいることを望んでいる――それが生きがいだというのだ。私には、よく分からない。
「ベイル、侍従じゃなくても良いのよ?」
「それは前にも言いました通り、私はお嬢様の側にいて、この国がどう変わっていくのか見たいのです。それが、私の生きがいです」
「生きがいって――私のことが、好きってこと?」
「そうではありません。このようなことを口にするのも恐れ多いのですが、レイラお嬢様に恋愛感情を持ったことは、一切ございません」
「え? あ、そうなの」
どういう訳か、質問をしたリトッシュが口元を抑えて笑いを堪えている。リトッシュもリトッシュだ。自分で質問しておいて、笑うとは何事だろう。アイラを見れば、私達を見て微笑んでいた。
「仲がよろしいこと」
アイラはそう言うと、笑いながら自分の席へ戻っていった。
「それより、リトッシュ。何か良い案があるのでしょう? 聞かせてちょうだい」




