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学園内に隠されたボール

「球技大会よね? もしかして、相手のゴールにボールをシュートするとか――もしくは、棒でボールを遠くへ飛ばすとかかしら?」


「いや。それが、ちょっと違うんだ。3つ目は、学園内に隠されたボールを探すというものなんだ」


「それって、本当に球技大会?!」


「学園の至る所に隠された虹色のボールを探す競技らしくて、隠されたボール30個の内、多く見つけたチームの方が勝ちらしいよ」


「それ、ボールである必要ってある?」


「分からないよ。兎に角、それが球技大会の内容。親睦を深めるのが目的らしいから、内容はどうでもいいんでしょ、きっと」


「そう」


「勉強なんてしてこなかった普通クラスの奴らは、いい息抜きになるって言ってたよ」


「知り合いが?」


「そう、知り合いが」


「リトッシュの知り合いって、どんな子なの?」


「パン屋の息子。お忍びで街へよく行くんだけど、その時に知り合ったんだ。パンをこっそり買いに行くんだけど、何故か貴族だってバレててさ。何回か買いに行く内に話すようになったんだ。そいつ、店番やってる時もあるから」


「へえ。そう言えば、リトッシュは本屋にいたくらいだしね。パン屋の子とも仲良くしたりして──偉いわね」


「何なの、その上から目線?」


「え? 私はパン屋の子が小さいときから店のお手伝いをして偉いわねって、意味で言ったんだけど?」


「なんだ、勘違いか。はずかしっ」


「ごめんなさい。言い方が悪かったわ」


 リトッシュは、よっぽど恥ずかしかったのか、机に突っ伏すと顔を赤くしていた。


「ふふっ、何だかよく分からないけど楽しみね球技大会」


「楽しみなもんか」


 リトッシュがそう言った瞬間、教室のドアが開いてオリバ先生が入って来た。


「みなさん、授業の前に話があります。来月は球技大会があるそうです。他のクラスには、絶対に負けられません。今日から特訓です。いいですね? 用がある人以外は、放課後残るように!」


「えー!」


「では、授業を始めます」


 その後、放課後の猛特訓が始まった。こんなに大変なら、直前まで球技大会の事は知りたくなかった──後になって、かなり本気でそう思ったのだった。



※※※※※



 球技大会当日。空は晴れており、爽やかな風が吹いていた。私は連日の猛特訓で、肩が痛くて上がらなくなっていた。リトッシュは、セルク委員があるからと言って、週に三日は早く帰っていたし、アイラはアイラでセルクがあると言って、ミーアと一緒に放課後は毎日みんなより早く帰っていた。結局、私とベイル、コンラッドとフィリップは毎日、夜遅くまで練習を重ねていた。


「こんなことなら、セルクに入れば良かった」


 コンラッドの言葉に応えるように、フィリップは言った。




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