選択科目
入学式の帰りに学園を散策しながら話していると、後ろからついて来ていたベイルに、突っ込まれてしまっていた。実はベイルも、昨日の夜に魔術を発現していた。入学手続きは間に合わなかったものの、私の専属侍従として学園へ一緒に来ていた。二週間後から、編入生として一緒に授業を受けることになっている。
「ベイルはいいよなぁ。レイラと同じ授業が受けられて」
「選択科目は、同じ講義であればレイラ様と一緒の授業が受けられますよ」
「そうだね。ちなみにレイラは何を受けるの?」
「まだ、はっきりと決めておりませんが──魔術薬学と魔工学の講義を受けようと思っています」
「えっ?! それって、魔工学者や地域魔術師の受ける講義じゃ……」
「興味がありますの。聖魔術でない治癒術や街の水路や地盤を直して、不安定な土地を維持し続ける魔工学の仕事に」
「そうだよね。学園にいる間くらいは、自分の好きな学問を学びたいよね」
「そういう殿下は、どの講義を受ける予定でいらっしゃいますの?」
「いや、私は、その──もっと強くなりたいから、戦闘系の講義を受けると思う」
「実践魔術ですか? 実技を含めた講義で、剣に炎を纏ったり氷の刃を作れるようになるという……」
「えっと、いつもレイラに助けて貰ってばかりで、情けないんだよ。少しは強くなりたいと思ってるんだ──これでも」
殿下は魔術が使えないだけで、かなり強いと思っていた。政治にも詳しいし、部下にも信頼されている。
「ラインハルト様は、今でも充分お強いではありませんか」
「ありがとう。そう言ってくれるだけで嬉しいよ。でも、もっと強くなりたいんだ。何かあった時に自分だけじゃなくて、レイラも守れるように」
「ありがとうございます。嬉しいです」
「あら? 誰かと思えば、レイラ様ではありませんか?」
「アイラ様?」




