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魔術学園

 魔術学園は全寮制の学園で三年間通うことで、色々な資格を得ることの出来る学校である。二年目以降は選択科目があり、必修科目と組み合わせて、卒業までに試験を受けて、取得した資格の種類や数などで成績が決まる。


 最終的には面接と適正診断を受けて、学園に就職先を紹介してもらうが、稀に魔術を使わない職場へ就職する人もいる。けれど、使える人と使えない人では、給料もかなり変わってくるので、そういう人は滅多いなかった。


 授業では、社会人コースと一般コースに別れていて、社会人コースの人たちは大人向けの講義を受けている。魔術の実践では、頭で理解してから魔術を習得するようにしているらしい。


 そのせいかは分からないが、大人になってから魔術を始める人より、子供の時から魔術を使える人の方が、魔術を扱えるようになる。きっと、頭で理解してやるより本能的な部分で覚えた方が、身につくのだろう――というのは、私の個人的な考えである。


「レイラ、オリエンテーションには参加するんだろう?」


「もちろんですわ、殿下」


「役員会には参加するのか?」


「勉強に励みたいので、役員会などには――顔つなぎも必要だとは思うのですが」


 役員会どころか、生徒会にも参加したくない。この不安定な立場には既視感を覚えていた。断罪される悪役令嬢のストーリーと同じだ。私は、どうしたら婚約破棄が出来るのかを考えているのだから勘弁して欲しい。


「そうか。レイラには、生徒会に参加して欲しかったのに残念だよ」


「では、レオンハルト様は生徒会に?」


「うん。王族が生徒会役員をやるのは慣例だからね。今年は副会長だけど、来年は会長をやらされると思う」


「ラインハルト様なら、どの役職でも問題ありませんわ」


「今から胃が痛いよ。セルクもやらないの?」


「はい。今のところは――考えておりません」


 生徒会の他に風紀委員や生徒が集まっての会――前世でのサークル活動のような集まりの会をセルクと呼んでいるのだが、そのセルクをまとめる立場にあるのがセルク委員といって、生徒会とは独立した形で各セルクの上についていた。少し違うが、風紀委員と同じ様な感じなので、セルクに入るのであれば、セルク委員もやって欲しかったのだろう。


「仕方ないね。レイラに会える機会が減ってしまうのは悲しいけど、また街へ一緒に行こうね」


 殿下がそう言った瞬間、私は喫茶店でのキスを思い出してしまった。恥ずかしくなってしまった私は俯いた。


「……はい」


「レイラ、かわいい」


「殿下何を仰って――」


「お二人とも、いい雰囲気になるのは構いませんが、ここが学園の中庭だということをお忘れなく」




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