復学
次の日の朝早く、私達は学園へ向けて出発した。来た時と同じように2日かけて学園へ戻ると、そのまま理事長室へ行き、復学の許可を得て校舎へ入った。
「綺麗な夕日……」
放課後の誰もいない校舎を歩いていると、いつのまにか井戸のある裏庭へ来ていた。ハッサの街で見た夢の言葉を思い出す。
「全ての英知よ、集え。そして、全ての民の不安を取り除くために、潜在意識下で影響を与え続けよ。さすれば、この国の平和は保障されるだろう――か」
「レイラ様、なんですか? その言葉は?」
校舎を一緒について回っていたベイルに聞かれて、私は首を傾げた。
「賢者セルスの言葉よ。夢で言われたの」
「どういう意味なのでしょう?」
「分からないわ。なんとなく――もう一度、あの洞窟へ行ってみた方が、いいような気はしているんだけど……」
「今日は、もう遅いですし、明日また殿下やフィリップ様と一緒に行ってみてください」
「ええ。でも、殿下には生徒会があるし。探してる石の手がかりがあるっていう確信はないの。迷惑はかけられないわ」
「レイラ様。そういう時は、殿下を頼ってください」
「え?」
「人は頼らると嬉しいものですよ」
「そうかしら? でも、あんなに忙しそうなのに……」
「ここだけの話ですが、特に殿下はレイラ様に頼られたがっていると思います」
「本当に?」
「ええ」
「じゃあ、明日にでも聞いてみるわ」
「そうしてください」
ベイルは息を吐くと、安心したかのような顔つきをしていた。
「変なベイル」
「何とでも言ってください。さあ、お部屋に戻りましょう」
「分かったわ」
私は自分の部屋へ戻って、明日の準備をしたのだった。




