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捉え方と侮辱

 ユン兄と一緒に自分の部屋へ行くと、部屋の前にはユン兄の専属侍従が立っていた。


「窓からレイラの姿が見えてね。玄関へ向かう前に彼に部屋を整えるように頼んでおいたんだ」


「ありがとう、ユン兄」


「父上と執事のミカエルには、私から言っておくよ」


「うん」


 部屋の中へ入ると、私はソファの上に寝転んだ。ベイルが眉を顰めていたが、馬車の揺れでお尻が割れそうだったのだ。少しは大目に見て欲しい。


「レイラ様、先程の青年とは知り合いですか?」


「ええと、知り合いというか私が知っているというか……」


 私は視線を彷徨わせた後に俯いた。まさか、ラブメの攻略対象者で隠れキャラの庭師だなんてことを言うわけにはいかない。


「申し訳ありませんが、殿下には報告させていただきます」


「え?」


「そういう約束ですので……」


「待って、本当に何でもないの。城の庭の仕事をしていたから、おかしいなと思っただけ」


「城の――そうですか」


「本当に何でもないのよ」


「分かっています。殿下も無下なことはなさらないでしょう。レイラ様に何もなければの話になりますが」


「何もなければって――もう、ベイル。冗談言わないでよ」


「冗談を言っているつもりはありませんが……」


 そんな話をしていると、ノック音の後に執事のミカエルが入って来た。


「おかえりなさいませ、レイラ様。ご挨拶が遅れてしまい、申し訳ありません。また、お出迎え出来なかったことを心よりお詫び致します」


 私はソファへ座りなおすとミカエルへ向き直って言った。


「ただいま、ミカエル。ミカエルも大袈裟よ。出迎えが出来なかっただけで、心よりお詫びしますだなんて……」


「レイラ様。レイラ様は次期王妃です。レイラ様の出迎えが出来なかったとなれば、それは王家に対する非礼と何ら変わりありません」


「でも、連絡がなかったのでしょう? 仕方がないわ」


「それは、こちらの都合です。伯爵家に対して侮辱罪を適用されても、こちら側は何も言えません」


「そんな……」


「もちろん、レイラ様はそんなことはなさらないでしょう。でも、これが外国だったらどうしますか? レイラ様への侮辱はそのままカルス国への非礼に当たります。何も言わずに笑って済ませられますか?」


「それは――ごめんなさい。分からないわ」


「失礼。お嬢様を困らせてしまいましたね」


 そう言ったミカエルは私の頭を優しく撫でていた。


「いつも実家のことを気にかけてくださって、ありがとうございます。私は、レイラ様にお会いできるだけで嬉しいんですよ」


「ふふ、ありがとう。ミカエル」


「夕食には、旦那様や奥様がいらっしゃるかと思います。それまでは、ゆっくりおくつろぎください」


「ええ、分かったわ」


 その後。夕飯でお父様やお母様、それから兄様たちと一緒に歓談しながら夜ご飯を食べたのだった。




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