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死ぬ前に異世界へ  作者: 藤堂 日向
1章 冒険の始まりそして終わり
9/9

冒険の前に復讐をⅢ


中に入るとそこは行き止まりだった。


「え?行き止まりなんですけど…」


「まぁ少し待ってろ、すぐ魔法が発動する。」


「?」


俺の質問に看守が答えたがその意味が分からなくてはてなマークでいると、急に床が光りだした。


「うわっ!」


「さっき言っただろう?昔転移の魔法を使ってこの階まで来ていたと、今はこの階まではスムーズに来れるが、そっから先は転移魔法陣で転移しないとたどり着けないのさ。」


看守が言い終わると同時に光が俺らをつつんだ。

まばゆさで少しを閉じたが開いた瞬間そこは受付のフロア以上に高価な調度品に囲まれた部屋だった。


「ご苦労様でした、看守さんはお帰り頂いて構いません。」


声がした先を見てみるとそこにはイーシャが書類仕事をしていた。

書類仕事の時は眼鏡をかけるのか…

やっぱりかわいい!!


「か、かしこまりました!では私はこれにて失礼させさせていただきます。」


なんて考えていると看守さんが緊張した様子で回れ右をして去っていった。

去り際に「本当に粗相だけはするなよ!!」と念を押された。


「ご足労いただきありがとうございます。一つだけ確認したいことがありお呼びしました。」


イーシャが椅子から腰を上げ、眼鏡を外してこちらの方に歩いてきた。


「あなたのステータスに関わることでしたので穴場で伺うのがためらわれました…」


イーシャは顔を伏せ本当に申し訳ないように謝ってきた。

なんか謝られてばっかりでこっちが申し訳ない気持ちになるな。

そういえばイーシャは俺のステータスを見たって言ってたな。

ってことは確認したいことって女神の足枷のことか??

もしかしてこのスキルってばれるとまずいか…?


「では率直に…あなたのステータスを見たところその…とても邪神を滅することが出来るステータスには見えないのですが、どうするお考えなのでしょうか?」


そっちか!

確かに邪神を滅ぼすって建前でこの世界に来たけど、正直このスキルで出来ると思ってないし全く考えてなかったな…

女神の使いって建前があるから俺のことを信用してくれたような節があるからそれっぽいこと言わないとまずいよな…


「確かに今のステータスは最弱かもしれません、ですが今後鍛錬の旅に出る予定です。鍛錬だけではなく一緒に戦ってくれる中も探すつもりです。ですから安心して俺にお任せ下さい!!」


心に全く思っていないことを言いながらひとまずこの場を凌ぐことに徹する俺に、


「そ、そうだったのですね…この世界に来たばかりと聞いていたので自分の正確なステータスはご存じですか?私が魔法で調べて書き印ても良いのですが、折角ならステータスのスクロールを買って使ってみてくださいね。」


イーシャは若干引き気味この話題を終わらせた。


「あとはあなたのステータスで一つだけ看破できなかった項目がありました。項目としては???で表示されましたが邪悪な気配は感じ取られなかったので問題なしとしました。今後ステータスを見られるときは気を付けた方がよろしいかと思います。他の監査官や宮廷魔導士は変ないちゃもんを付けてくる可能性もありますので。」


どうやら女神の足枷スキルは他人には見られない仕様になっているみたいだ…

ステータスを見るスキルがあるからスキルの効果を調べるスキルとかあると思ったんだけどなぁ

まぁ女神が見られないスキルを人が見れるわけがないと思うけどね。


「御忠告ありがとうございます。一応気を付けてはみます。魔法を使われていることにすら気が付かないからあまり意味は無いかと思いますが…」


俺は自嘲に話したが、イーシャは気にすること無く


「基本的に公的な場以外でステータスを見ることは帝国法で禁止されています。破った場合には思い罰則が科されるのでもし身に覚えのない所で自分のステータスの話をされた場合は監査官などに相談に行った方がいいですね…もちろん私でも構いません、お詫びもかねて力になります!」


帝国法なんてものがあるのか…


「いろいろ教えてくれてありがとうございます!なにかあったらすぐイーシャさんのところまで駆け込みますね。」


俺がお礼をすると、イーシャは「最後に」といい


「こちらに来て日が浅く何かと入り用だと思いますので、こちらをどうぞ。」


イーシャは1つの袋を俺に手渡した。


「これなんですか?中身は…お金っぽいのが入っていますが…」


中身を確認すると、銅貨と銀貨それに金貨まで入っていた。

たぶんこれ結構な金額だよなぁ。


「そうです。中には金貨5枚、銀貨15枚、銅貨30枚が入っています。冒険者登録してから稼ぎ始めるまでは凌げると思いますよ。」


「い、いや!流石にそこまでしてもらうわけにはいかないですよ。それにお金の価値もわからない俺が持っていたら流石にやばいと思うので…」


俺は咄嗟に袋をイーシャに返そうとしたが、イーシャは何でもない様に


「いえいえ、これから邪神を滅する旅にでるあなたへの支援金です!邪神討伐達成の前金としてお受け取り下さい。それとお金の価値は私がこれから説明してあげますよ。」


邪神討伐…今のところそんな気は全くないんだが…

やっぱりこのお金は受け取れん。


「た、確かに邪神討伐の旅はしますが、それでもお金を貰うわけにいきません!協力としてはお金の価値を教えてくれればそれで充分です。」


俺がまくしたてるように言うと


「これは支援金なので受け取って下さい!支援金を受け取らないんなんて逆に怪しいですよ?もしかして邪神討伐する意思ない!?なんてことになりますよ。女神に認められた方がそんなことするとは思いませんけどね。」


なるほど、これは俺への楔も兼ねているのか…

尚更受け取りたくないけど、受け取らないとやらない意思と受け取られるしなぁ

困ったな、とりあえずお金を貰ってから考えるかひもじい思いもしたくないのは本音だしね。


「そこまで言うならありがたくいただきます。なにから何まですみません。」


俺がそう答えるとイーシャはニッコリ笑った。


「では早速お金の価値についてご説明しますね。まず帝国ではお手持ちにある硬貨3種類と大金貨と白金貨の合わせて5種類あります。」


「白金貨は今持っていませんが…」といいイーシャの横に突如黒い空間が表れイーシャはそのままそこに手を突っ込み中を(まさぐ)っていた。

突っ込んでから少しして「あった!」といい、黒い空間から恐らく大金貨であろう硬貨を取り出した。


「まずこの黒いのは空間魔法の一つでアイテムボックスという魔法です。扱う人の最大魔力量によって大きさが変化する四次元空間です。私の場合は魔力量が多いのでこの詰所1つ分くらいです。」


なんとなく予想はしていたがやはりアイテム収納系の魔法か!

便利だな…俺にも使えるか後で聞こう。


「そこから取り出したこの大きい金貨がそのまま大金貨です。価値の換算的には、白金貨は大金貨100個分、大金貨は金貨10個分、金貨は銀貨100個分、銀貨は銅貨10個分となります。白金貨クラスになると国家予算並みになるので大貴族か王族、大商人くらいしか扱いませんね。」


白金貨に関しては一緒扱うことはなさそうだな。

俺の夢は庭付き駐車場付きの一戸建てと安定した生活だ。

大金貨は絶対目指すところだな。


「銅貨1から3個くらいでリンゴが1つ買えます。安宿に泊まるなら大体銀貨3枚~5枚で一泊できますね。」


現代だとリンゴが1個大体100円くらいだから銅貨は1枚100円くらいなのかな?

ってことは元の世界金額換算で俺の夢に必要な金額は大金貨80枚もあれば買えそうだな。


「硬貨価値の説明はこのくらいでいいでしょうか?」


「はい!ありがとうございます。とても分かりやすかったです!」


これでお金関係で騙されることはなさそうだな。

イーシャが教えてくれて助かったな。


「他に聞きたいことはありますか?私で答えられる範囲であればお答えしますよ。」


イーシャが小首を傾げなら聞いてきた。


「そしたら魔法について聞きたいんですが、全初級魔法のスキルを持っているはずなんですが使い方が分からず…どうしたら使えますか?」


俺は森で狼に追いかけられているときに魔法を発動しようと思ったが発動出来なかったことを思い出し、少し苦い顔をしながら聞いた。


「魔法に関してはエキスパートなので任せて下さい!初級魔法でしたら魔法書店で売っている初級魔法のスクロールを読めば自動的に頭に魔法の名称、効果が記憶されます。そうすれば魔法が使えるようになります。」


魔導書的な奴で基礎から練習してどうのこうのって面倒くさい作業しなきゃいけないと思ってたけどこれなら楽勝だな。


「スクロールで覚えられる魔法は上級魔法までその上の最上級、禁忌、古代魔法は才能と努力、そして運と資金力が大きく関わります。最上級までは一流の魔法士はいくつか使えますが、禁忌魔法が1つ使えて準英雄級それ以上で英雄級です。古代魔法が使える人は賢者と呼ばれますね。どれを会得するにも膨大な資料のなかから自分に合ったものを選び出さなければその努力は無意味になってしまいます。なので運と資金力がとても大事なのです。」


イーシャは魔法のことになると少し興奮するのかまくしたてるように説明してくれた。

まだまだ話したりなそうなイーシャは尚も説明を続けた。


「魔法を会得するうえで一番大事なのがスキルです。そのクラスのスキルが無いと会得するまでの時間が倍以上かかってしまいます。スキルは生まれ付きの能力がほとんどで生後でスキルを得るには膨大な努力が要ります。中にはスキルを会得しやすくなるスキルもあるみたいですが、本当かどうかはわかりませんね。」


魔法のエキスパートと自称するだけあって詳しいな。

俺はふと気になったこと聞いてみた。


「そういえばイーシャさんはどのくらいの魔法が使えるんですか?」


きっと知識だけじゃなくて技術の方も凄いに違い無い。


「現存する魔法は全て使えます。もちろん古代魔法も全種使えますよ。あとはオリジナルで開発した魔法がいくつかですかね。」


今の説明を聞いてもそこまでピンと来ないが、チートだなって言うのはわかる。

てか今年20歳で全魔法使えるってどういうことだよ!?

邪神討伐この子にお願いすればなんとかなるんじゃないか?


「そ、それは凄まじいですね…」


この子を怒らせてら確実に死ぬな…

気を付けよう。

そう思い俺はイーシャにこれまでのお礼をしいつかお返しをする約束をして監査官の詰所を後にした。

今回は約1か月近く投稿出来ず大変申し訳ございませんでした…

今回投稿分は前回投稿から3日で終わっていたのですが、書き終わった後に色々悩みまして…

そんなこんなで新しい本職が始まり、気が付いたら1か月が経っておりました。


大変申し訳ございません!!


さて今回はイーシャについて軽く触れている内容になりました。

そこまで深堀はしていませんが、今後語る予定です。


次回は翔太君が環境改善に奔走していく予定です!

ギルドに行って職を見つける為にいろいろと…


仕事が忙しく不定期になりますが、何年掛かっても必ずこの物語は完成させますので最後までお付き合い頂ければ幸甚でございます。


次回更新;7月20日までにはなんとか…


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