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プロローグ

なんだか、不気味なところに来てしまった。


学校から帰る途中、穴場っぽい喫茶店に入っただけなのに。

入口の先は、明らかに見たことのないような景色だった。


白い土、そしてところどころに生える赤い草。

あたり一面、眼前に広がるすべての景色がそれで、思わず面食らう。


後ろを見ると、ドアは消えていた。

何かあったら逃げるために、片足だけ出して、身を乗り出すようにドアから覗いていたのに。

左手に残されたドアノブだけが、「もしかして、俺、物理法則を無視してる現場に立ち会っちゃった?」という実感をもたらしていた。


風が強く吹く。

吹き付ける小さい砂礫が、顔に強く当たる。

あまりの痛さに手で顔を覆い、目を瞑る。

しばらくそうしていると、風は止み、大きな爆発音が聞こえる。

ダイナマイトで掘削するときのような、戦隊ヒーローの戦闘シーンの爆発音のような。

(かしがま)しい音が聞こえたので、目を開いて、音の発生源を探した。


目前を覆いつくす大きな顎が見えたのが最後の記憶だった。

犬のような、大理石のように白く、一抱えほどもある大きく、虫かごのような臭いの歯。

イルカのような縦長で、大きく、真っ暗の口腔内。

それから先は覚えていない。



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