第2話 初めての戦闘
2話目です!
カトメロス学院に行くメンバーはたったの4人だった。俺、そして寺田 翡翠、山中 健、佐藤 玲奈だ。
現実でもまあまあ仲のいいメンバーだったので良かった。
俺らはあの後、ボロい宿に転送された。
「あんたらが今回のメンバーか。」
何を言ってるのだろう。
「あぁ。すまんね。わたしゃ、この宿の主だ。あんたらはあのクソ女神に送られてきたんだろ?」
何か知っているようなので、俺たちはそのまま話を聞いた。
「あんた達みたいに、たまにあのクソ女神がカトメロスに行かせる奴をここに送ってくるのさ。」
そういうことなのか。
「そうなんですね。」
「ああ、あとあんたらは4人1部屋だからね。文句は言わせないよ。」
女子たちは困惑している。まあ男子と相部屋ってのは抵抗があるのだろう。
「ベッドとかあるんですか?」
女子メンバーの1人、翡翠が聞く。
「そりゃ馬鹿にしすぎだよ。ボロくて悪かったねぇ。ちゃんとベッドは4つあるよ。」
「す、すみません!」
翡翠が謝ると、
「はっは。若いっていいのう。すまんね。からかっただけさ。ほら、さっさとお行き。」
「「「「はいっ」」」」
そして俺らは部屋へ向かった。かなり綺麗だった。宿の外見では想像できない。
「はぁ。とりあえずこのメンバーでよかったよ。」
もう1人の女子、玲奈が言う。
「ホントだよ!知らない男子と一緒だったら、夜も寝れないよ!」
まあ、安心してるようでよかった。
「これからどうするか。とりあえず10日後に学院に行くわけだけど、今お互いの職業を明かさないか?」
健は逞しい体つきからは考えられないほど、頭脳明晰だ。彼が無能だなんて信じられない。
「うん。そうだね。私たちは運命共同体だからね。」
みんなから承諾を得た健はまずは自分からと、話し始めた。
「まず俺からだ。多分1番役に立たない職業だろう。俺は<農民>だ。スキルはなしだ。迷惑かけてしまうかもしれないが、どうか捨てないでくれ!」
「そんなことするわけないでしょ!」
「そうだよ。俺らは親友だろう。」
みんなが否定する。
そう。今日から運命共同体となった俺たちはお互いを卑下なんてしない。
「みんな……!」
うわーんと俺に健が泣きついてきた。
健も健なりに苦労してきたのだろう。
「次は私が言うわ。私も健とそこまで変わらないわ。<精霊使い>よ。」
「ん?良さそうな職業じゃないか。」
「翡翠ちゃん間違って送られてきたの?」
精霊使いって凄い強そうなイメージあるけど……
「いいえ。この世界には精霊がいないらしいの。」
そういう事か……俺は納得した。
みんな苦労しているんだな……
「私も多分無能だよ。<支援魔法士>なんだけど、ほぼ支援出来ないらしい…」
「玲奈……。」
翡翠が悲しそうになっている。
「もう!翡翠ちゃん!そんな目で見ない!私は何も悔しくないよ!だってこれから頑張って強くなるもん!」
彼女は強い。心からそう思った。
「最後は俺だな。恐らくこの世界で1番弱いだろう。<ゴミ>だ。」
「「「・・・・・・え?」」」
3人は表情を急変させ、固まる。
どうしたんだろうか。
「ゆうぅぅ!お前!辛かっただろう!俺なんかよりずっと辛かっただろう……」
「優……」
「優くんはゴミなんかじゃないよ!」
「みんな、ありがとう。でも俺はゴミとして一生懸命頑張るよ!」
なんて恵まれているんだろう。
4人で拳を合わせて誓った。
「「「「4人で職業の概念を覆す!」」」」
ボロ宿に転送された翌日、俺たちは女神に貰った金で武器や防具、生活必需品などの買い物をした。
そう。明日から、戦闘訓練をするのだ。
4人で昨日そう決めた。とりあえず近くの森に行こうと。
-近くの森-
「うぅ。ジメジメするわね。」
そう翡翠が嘆く。
「しょうがないよ翡翠。こういう場所なんだから」
俺はそういった。
「前方にスライムです!」
「ほんとか玲奈!よし!みんな行こう!」
「「「おう!」」」
初めての戦い、スライム戦は苦戦した。
なかなか攻撃が当たらないのだ。
そうして、スライム狩りまくっているうちに、日が暮れてきた。
「今日はここまでにしよ!みんなレベルどんぐらい上がった?!」
ステータスがみれないのにレベルをどうやって知るんだ?
そう思っただろう。だがこの世界ではレベルアップの瞬間なんか、言葉で言い表せないが、なんかが起きるのだ。痛くも痒くもないなにかが。
「俺は30回だったよ。」
「私もよ。」
「私は28回だった〜。」
「俺は31回だな。」
どうやらレベルが上がりやすい世界なのかもしれない。今日あの宿主に聞いてみるか。
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