設定資料:朔也の異世界メモ
○異世界の発見について
いわゆる『異世界』の発見は、今から三十年前の西暦二〇〇〇年。
当時は世界各国の政府だけが存在を知っていて、一般市民には公開せず、秘密の施設で研究を続けていた。
それから二十年かけて、異世界転移の技術を確立。
今から十年前に、異世界の存在を全世界に公表すると同時に、大規模な異世界転移装置の開発を世界中でスタートした。
異世界は一つきりではなく、三十年間で数え切れないほどの世界が発見されている。
総数は非公開。
各国が存在を秘密にして、交流を独占している異世界もあるので、正確な総数を知っている人は誰もいないらしい。
○異世界転移について
地球と異世界の移動は、どこからでも自由自在に行えるわけではない。
例えば日本の東京と異世界Aの都市A、アメリカのニューヨークと異世界Bの都市Bといったように、行き来できる場所は決まっている。
地球側の文化と異世界側の文化が類似しているかどうかは、完全にケースバイケースで法則性は皆無。
日本から移動できる世界は、中世か近世のヨーロッパによく似ていて、魔力をエネルギー源とするファンタジーな能力が発達してる異世界が中心。
他の国は、自分達の伝統文化にそっくりな異世界とばかり繋がっていたり、統一感のない雑多な異世界と繋がっていたり、本当に様々。
異世界転移は技術的に確立しているので、装置さえ使えば誰でも異世界に移動することができる。
ただし、装置を管理している国の許可が降りるかどうかは別問題。
一般人による異世界転移の申請は、異世界側の政治や文化、環境に対する影響やら何やらと理由を付けて却下されがちで、民間人は異世界の実情を全く知らないのが普通。
○転校先の学校の所在地について
世界の通称は、魔導世界。
魔法やモンスターが存在するファンタジー世界。
転校先の魔導学校がある国は、魔導世界の中でも『連合帝国』と呼ばれる国家。
数ある異世界国家の中でも日本政府との繋がりが最も強く、日本からの技術供与でそれなりに発展している。
三つの人間の王国と、三つの獣人の公国で構成された連邦制国家。
総人口は約五千万。総面積は日本の二倍ほど。
山ばかりの日本と違って平地が多く、日本の二倍という言葉から受ける印象よりもずっと広く感じるらしい。
(ヨーロッパの国と比較すると、イギリスの三倍でフランスの二割増)
国民の四割に相当する二千万人が獣人。
そのうち千五百万人が獣人の公国側の領土で暮らし、残り五百万人が人間の王国側に混ざって暮らしている。
文化レベルは中世よりも近世に近く、魔力をエネルギー源にした初歩的な自動車や鉄道も存在する。
しかし技術的には移行期で、銃と剣がどちらも実用的な武器として併用されているほど。
連合帝国の成り立ちは、東西の大国に挟まれた小国が生き残りのために手を組んだことが始まり。
東の『連邦』と西の『連盟』の二つの大国とは、ほんの数年前まで戦争状態にあり、今も火種が残っているという。
ややこしい設定が多くなりそうなので、こうして定期的にまとめておきたいと思います。
次回から場面は異世界に変わります。
ここまでの内容を面白いと思っていただけたなら、広告右下の「ブックマークに追加」ボタンと、広告下の「☆☆☆☆☆」の評価ボタンを押して応援していただけると、今後の更新の励みになります。