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第80話『ソロモンの欠片』

やっと書き上がりました(瀕死)

ずっと何かしらでアクセス数があったのでどなたかが見てくださっているのかな、早く書き上げたいという思いで進ませました…!

気に入って頂けたら嬉しいです!

部屋を出て長い廊下を駆け足で進む。

左側に等間隔に現れる大きめの窓を見ている余裕はなく、ケルツァさんと西蘭さんに何と言おうかと考え中です。

ブレイズさんはそんな私の少し後ろの位置で歩を進めています。


「しっかし長いねこの廊下!」


「はい。終わりが見えません…!」


まるで同じ場所をずっと進んでいるかのように変わらない景色に焦ってしまう。


「大丈夫、ちゃんと進んでるよ。」


「はいっ」


ブレイズさんは大きな手で私の背中を優しく摩って下さった。

私に配慮してくださっている。

それが嬉しく、私の中から焦りが消えていきます。


「本当は窓ガラス割って飛びたいんですけどねー。」


「それはダメです!」


はははと笑って「はーい。」と微笑むブレイズさんは少し楽しそうに感じます。

シエルさんとフレリアさんは今何をなさっているのでしょう。早く合流しないと。

お互い口数が少なく、ひたすら速く歩くのみで何か話した方が良いか不安になります。

けれど私は面白い話や楽しい話が出来ません。こういう時、申し訳なさが芽生えてしまって逆に気を遣わせてしまう。


「イヴちゃん。」


「はい?」


急に名前を呼ばれたと思ったその時、手を優しく掴まれ身体がふわりと浮かびました。

またお姫様抱っこです…!


「このままじゃ疲れちゃうもんね。

俺に任せて。」


夜桜理想郷での羅刹様のように速度を上げ廊下を駆け抜けていくブレイズさん。

私、ノロマだったのでしょう。

申し訳ないです…。


「ふふっ(あのユムル様が渋い顔してる。)」


笑って下さいました。…何故?


「イヴちゃん、ホント感情が表情に出るようになったね。」


「え」


私、どんな顔していたのでしょう。

変な顔してたのでしょうか!?

恥ずかしい…。


「あ、扉発見!」


恥ずかしさのあまり弾かれたようにブレイズさんの視線の先を向く。

謁見の間に繋がる扉と同じものが目の前にありました。

彼は私を優しく降ろして下さり、周りの景色が反射するほど磨かれた銀に艷めくナイフを構えました。


「俺が覗くから待ってて。」


頷くと頷き返してくださり、ゆっくりと扉を開けます。


「…また廊下だ。暗いし誰もいない。」


現時点で危険が無い事が分かると構えを解き、私の肩に手を添え警戒しながら中へと進む。謁見の間へ続く廊下のような暗さです。

でも私達が通ってきたのは廊下のみで謁見の間は通っていないので別の場所なのでしょう。コツコツと私達の足音が響き渡る廊下は歩いている者が私達以外に居ないと言っているような気がします。


「靴音の反響的に広い場所へ繋がっているはずだ。もうすぐ出口かも。」


出口の可能性に希望を持ち、周囲を警戒しつつ歩みを進める。やっと見えた廊下の変化に私達は思わず足を止めました。


「!」


「ろ、廊下が…」


廊下の先がありません。

塔の階層移動をする場所のように。

端まで行き下を覗き込む。


「わ…」


今までとは比にならない程の高さ。

床が米粒の大きさに見えるくらいの高い場所に思わず足が竦んでしまう。


「大丈夫だよ、君には俺がいるから。」


ブレイズさんが翡翠のような目を細め仰る。

1人だったら震え上がっていました。


「しっかし高いなぁ〜。

1番下が米粒サイズだよ。」


「本当に…。

ここは塔の最上階、なのでしょうか。」


初めて来た時はこんなに高い場所にありませんでしたし、先程のお部屋は貸して頂いた所とは違うお部屋だったようです。

見上げると天井がありました。


「その可能性が高いですね。


じゃあ一緒に落ちましょうか!」


微笑んで下さった瞬間、今までとは違い飛行せずグイッと手を引かれ私を胸に寄せると背から落ちていくブレイズさん。落ちるその瞬間、私の手を引いた時に見えた一瞬の恍惚とした笑みは彼が人間ではなく悪魔種だと再認識させます。


まるで「堕ちましょう」と言われているような。


一緒に落ちているのに私を守って下さるためぎゅうっと抱き寄せて下さるこの細くみえるのに逞しいお身体も、あの妖艶な微笑みも、以前は契約の際に向けられた人間さんがいるのでしょうか。


「イヴちゃん、怖くないの?」


「えっ?」


「落ちる時って普通きゃー!って言わない?」


確かに怖いですけど…


「ブレイズさんが守って下さっているので大丈夫です。」


「ウッ…君はすぐそうやって嬉しい事を…」


「?」


落下中の風のせいで何を仰ったか聞こえませんでした。


「やっぱり俺は君と、君の隣に立つ魔王様を護りたいよ!」


彼はそう仰って空中で身を捻り、再びお姫様抱っこの状態になりました。


「よっと」


地に足が着く瞬間、自分の身体を少し浮かせてから着地なさったブレイズさん。

落下の勢いを無くす為だったのですね。

降ろしてくださり辺りを見回してもケルツァさんと西蘭さんの姿は見えませんでした。

そうして視線を戻そうとしたその時、

誰も居なかったはずの場所に王龍様がいつの間にか居らしていました。


「ッ(音も気配も無かったのに!いつの間に…)」


「イヴ、ブレイズ。」


低く艶のあるお声で名を呼ばれ背筋が伸びます。


「まさかお前達に結界破りが出来るとは思わなんだ。少々侮っていたようだ。」


無表情で告げる王龍様。

顔から受け取れる感情は無く、怒っていらっしゃるのか分かりません。


「破ったのはお前だな?ブレイズ。」


「…はい。」


王龍様は本当に圧が強いです。

私もだと口にせねばなりませんが息をするのにやっとで声が出ません。

圧の強さもありますしやはりお怒りなのかもしれません。

声が出ない分、前に出ようとするとブレイズさんが片手を挙げ私を止めました。


「折角のご招待を受けたのに閉じ込められるのは困りましたので。」


「ふむ、そうか。

しかしあの結界を破るのは相当だ。

流石ソロモンに結界術を使わせただけある。」


「ヴぇっ!?」


ブレイズさんから変なお声が!!

それにソロモン様に結界術を使わせた?

王龍様もブレイズさんもソロモン様とお会いした事があるのですね。


「な、なな何の話でしょう。

身に覚えが」


震える声と引き攣るお顔を流れる大量の汗…ブレイズさん、どうしたのでしょう。


「?今日という今日はぶち殺すと何度も言っておったではないか。」


何を言っているんだというお顔で首を傾げる王龍様にブレイズさんは耳を塞いでしまいました。


「あーー!!あーっ!!

聞こえないっ!!()()何も聞こえないっ!!

そして何も言ってない!!」


「…?我は目の前で幾度も聞いていたが?」


う、うーん…お話が拗れている気がします!

今のうちに誤解を解かねば!!


「あ、あのっ王龍様っ!」


私に目線を向けて下さったその時、王龍様はぽむっとご自身の手を合わせました。


「む、そうだイヴ。

お前に見せたい物があるから呼びに来たのだ。」


「えっ」


王龍様自らがですか…!?

王龍様はこちらへおいでと手招きし奥へと進んでいきました。


「ぶ、ブレイズさん!行きましょう!」


腕を引っ張ると涙で潤んだ緑の瞳が私を映しました。え、泣い…


「うぅ…お願い嫌わないでイヴちゃん…」


「嫌いませんよ!?」


兎も角、王龍様を追わねばなりません。

私は項垂れるブレイズさんの捲られた袖を引っ張りながら暗い廊下を歩いてついて行きます。


「ブレイズさん、私が嫌われる事があっても私は貴方を絶対に嫌いません。」


「俺だってそうです…。」


「なら大丈夫ですね。」


ブレイズさんを元気づけようとお話していると少し前を歩かれていた王龍様が振り向きました。


「時にブレイズ、お前はソロモンを覚えているか?」


質問に息が詰まるブレイズさん。

ゆっくりと


「…そりゃあ…まぁ、はい…。」


と嫌そうにお答えになりました。

すると王龍様の雰囲気と周りが明るくなったように感じるほど嬉しそうに


「そうか。」


と頷いていました。

表情筋が動いていないように見えるのに周りに花が舞っているような気がします。


「(ユムル様に昔を知られたくないけれど)何故その質問を?」


ブレイズさんの質問に足を止めた王龍様。


「生命ある者が終焉を迎えるのは全てに忘れ去られた時だ。」


忘れ去られる。凄く怖い事です。

振り返った王龍様は私をじぃっと見ます。


「イヴ、覚えておくが良い。

最初に忘れ去られるのは声だ。」


「声…。」


「お前は口数が少ない。

ソロモンを見習った方が良かろう。」


お会いしたことないのですが…。


「見習うも何もイヴちゃんはソロモンと会ったことないから分かりませんよ。」


ブレイズさんが私の代わりに仰ると王龍様は


「そうだったな。

兎に角よく笑って喋る煩いヤツだった。」


と教えて下さる。

ソロモン様はお話好きだったのでしょうか。


「だからか、声が頭から離れんのだ。

我にとってつい最近の出来事ではあるが過去は過去だ。」


つい最近…?

王龍様もブレイズさんも長く生きていらっしゃるのですね。


「俺はつい最近だなんて思ってないよ。

めちゃくちゃ昔に思うよ。」


少し早口でブレイズさんが私に訂正なさる。


「しかしお前も声を覚えているだろう。」


「そりゃあんなに煩い奴忘れられないでしょ。」


ブレイズさんに頷いて再び歩き出した王龍様。しかしお話は続いていました。


「そう、忘れられない。

だからイヴ、お前もよく話すが良い。」


「えっと…」


元々喋るのが苦手なので難しいです…。

けれど私が皆様より早く死ぬのは決まりきっています。…私が記憶の中で生きていても良いのなら覚えていて欲しいと思ってしまう。


「善処します。」


「うむ、我もお前を忘れたくない。」


思わぬ言葉にドキリとしてしまいました。

まさか王龍様がそのような事を仰るとは。


「…(あれ?これユムル様口説いてる?)」


「もう着く。」


部屋の中なのに大きな赤い門のような物が立っており、大きな綱のような物が上に付いています。羅刹様の元にありそうで無かったものです。


「鳥居を見るのは初めてか?」


「は、はい。トリイと言うのですね。」


「うむ。」


鳥居の向こうへ足を踏み入れようとしたその時、


『ぷぎゅっ』

「痛っ!?」


壁が無いのに狐さんが痛がっています!

ブレイズさんまで!

狐さんを降ろして手を恐る恐る伸ばすと何にも拒まれず入れました。


「な、何だコレ!」


私へ手を伸ばすブレイズさんでしたが見えない壁に阻まれているのか手が止まっています。狐さんも立ってブレイズさんの横から何とか入ろうとしていますが難しいようです。

私は入れたのに…。


「あぁ、そういえば結界が。

そうか、お前達は悪魔種だったな。」


種族で立ち入れるかどうかが変わるのでしょうか?ブレイズさんと離れ離れになってしまいました。


「ちょっ…狐君だけでもどうにか出来ませんか!?このままじゃイヴちゃんが!」


「む…微かに人間の気配がするがバアルと魔王の力で曖昧だ。我が隠そう。」


王龍様が指を鳴らすと突然現れた霧に身体が包まれました。


「(人間の気配どころかユムル様の気配すら感じないんだけど!!)神隠しかよ!!早く帰ってきてくださぁい!」


ブレイズさんが見えない壁を叩いているのがわかります。急がないと。


「何故か怒っているな。

さぁついてくるが良い。」


「はい!」


すみませんブレイズさん。

頑張って急ぎます…!

王龍様は何も発さず黒い空間を進んでいきます。今のうちに誤解を解けますかね…いえ、やはり怖くて難しいです。

こまねいていても真っ直ぐ歩いている内に横並びは難しいほどの細い通路になり、開けた場所へ。


「此処だ。」


王龍様は小さく浮かび1歩分左に動いて下さり部屋全体が見渡せます。お隣に立たせて頂こうと1歩踏み出すと足から波紋が発生しました。

どうやらお水が薄く張っているようです。

だから王龍様はお着物が濡れないように浮かび上がったのですね。

視線を前に戻すと真っ黒の周りに映えるピンクや白の睡蓮が沢山咲いており、花自体が眩く光っているように明るい不思議な場所でした。


「此処はソロモンと2人でよく話をした場所だ。」


雰囲気が優しくなった王龍様は部屋の中心へ。後についていくと赤く輝く水晶のような、宝石のような物が透明度がかなり高い入れ物に入った状態で浮かびながら眩い光を放っていました。


「綺麗…。」


思わず口から出た言葉に王龍様はゆっくり頷かれた。


「そうだろう。

これはソロモンの欠片だ。」


ソロモン様の…欠片!?

ソロモン様は魔法が使える人間さんだと伺いましたが…。

王龍様がそれへ手を伸ばすと、入れ物は勝手に消えて触れれるようになりました。


「正確に言うとソロモンの魔力をかなり濃密に凝縮した結果、魔力その物が凝固し、石になったのだ。」


大分内容が変わったような…。


つまりコレは単なる宝石ではなく、ソロモン様の魔力の塊ということですね。

魔法が使えない私でも凄い物というとはわかります。


「人間はこういう物を忘れ形見と言うのだろう?」


忘れ形見…亡くなった方を忘れないように遺しておく品のことですね。


「そうだと思います。」


「これを1年に1度ある祭典の日に櫓へ飾るのだ。

約束もあるが、何より皆が彼奴を忘れぬように。」


約束というのはどういったことなのでしょう。あの優しそうなお顔を見るだけでとても大切な事だと分かります。


「その為の祭典なのですか?」


私の疑問にとても優しげなお顔で


「うむ、だからお前に来て欲しかったんだ。」


と仰って下さった。

王龍様にとってソロモン様はとても大切なお方だったのでしょう。


王龍様は再び頷いた私をじぃっと見て首を傾げます。


「何か感じることは無いか?」


宝石を持てと言わんばかりに差し出されました。こ、これは落としたら死刑です…!手が震えます…!!

両手を皿のようにすると王龍様が宝石を持たせてくださる。予想よりもずっしりとしていて手のひらと腕に力が入ります。

そしてびっくりするくらい手が、手が震えています!か、感じること!感じることを口にしなければ!


「えっと…きっきき綺麗だと思います…?」


返答を間違えたのか王龍様は「そうか」と少し寂しそうになさっていました。

期待されていた答えでは無かったようです。

何と言えば良かったのでしょう…。

少しの間、何とも言えない空気が流れ王龍様の綺麗な銀の目が再度私を捉えました。

綺麗だけれど僅かに揺れている瞳。

怖くても綺麗な瞳を今度はちゃんと見つめ返すのです。

今は私一人なのですから。

すると王龍様はゆっくりと口を開きました。


「イヴ、我は思うのだ。

お前が…お前こそが」


「ソロモン様の生まれ変わりなんじゃないかって?」


突如聞こえた覚えの無い声に背筋が凍る。

王龍様がすぐ抱き寄せて下さり、声の主を目撃する。


「貴様は…」

「貴方は…」


王龍様と声が重なり、2人で目の前の人物を確認。

全身から色が抜け落ちたように真っ白な彼を私は見たことがあります。

城下町でバアルさんと一緒にティリア様を待っていた時に目の前にいた天使の方…


「レウ=ブランシュさん…!」


「あっ!?吃驚した!

覚えててくれたんだ〜♡嬉しいなぁ♡」


私の元へ人懐っこい笑顔で駆け寄ろうとした彼を阻むのは王龍様でした。


「あっれぇ〜?竜種…じゃなかった。

竜族って中立じゃなかったっけぇ〜?」


レウさんは不機嫌極まりないと首を傾げて右目を引き攣らせています。


「我は約束を違わない。」


「チッ!魔王に先越されたか…。

まぁいいや。それ、ちょーだい?」


それと言い指を指す先には私が持っているままのソロモン様の宝石がありました。


「やらぬ。」


短く拒絶した王龍様は私に回す手の力を強め、足を少し開きました。

レウさんは大きな溜息を吐いてやれやれと首を振ります。


「やっっっっとアンタとソロモン様の結界が同時に超ゆるゆるになってぇ、探していた秘石をたった今見つけれたからさぁ?」


レウさんはこの宝石を知っていて、探していて秘石と呼んでいる事。

宝石…いえ、秘石のあの入れ物は王龍様の結界だった事が読み取れます。


「まぁいいや。

ソロモン様の生まれ変わりの件なんだけどぉ、僕達もそう睨んでるんだよねぇ。」


レウさんは顔横の長く艷めく白髪の毛先をいじりながらお話なさる。

ソロモン様の生まれ変わり…?

私が?


「だからアンタも秘石の結界を解いて何かしらのキッカケを見つけ出そうとしたんじゃないの?」


「…減らない口だな。」


王龍様のお声が一段と低くなります。

これは怒ってらっしゃいます。


「ついでに鳥居だけどぉ、アレはソロモン様の結界だからね。

ご自分と王龍以外の立ち入りを禁ずってとこかな。」


自分と王龍様以外となると私はどうなるのでしょう。

狐さんを抱えた状態でも私は鳥居の中に少し入っていました。

拒まれたのは悪魔種である狐さんとブレイズさんで私は人間…。

ソロモン様も同じ人間。

そして此処は竜族の皆様の郷とはいえ魔界。通常、人間の立ち入りなぞ本来有り得ない。

となると


“人間”と王龍様以外の立ち入りを禁ず


なのでは…?


「ねぇ?何でキミは入れたのかなぁ〜?」


「っ」


言葉に詰まった瞬間、にぱっと明るい笑顔を向けたレウさん。


「答えは簡単!

キミ、人間でしょ?」


ギクリと身体が強ばってしまう。

問われるかもと思ったその時に言われた言葉にまだ覚悟が出来ていなかった甘さの証拠。

鼻が冷えるのを感じます。


「安心してよ。

キミが人間だってバレるとこっちもかなり面倒なんだ。だから言わないというか言えない。」


彼の言葉に王龍様は私に回す手の力を強めました。

見上げると綺麗なお顔の眉間に皺を寄せていらっしゃいます。


「この場から早急に去ね、主亡き憐れな人形よ。」


強めの言葉を発した直後、静かに、されど確実に地面が揺れ始めました。

恐らく、王龍様に呼応しているのだと思います。


「わぁ♡こわぁい!可愛い僕を殺す気〜?」


顎の辺りで両手をグーにしています。

王龍様が守ってくださっていると分かっていてもレウさんに対する圧がのしかかっているように感じる私とは違い、レウさんに恐怖の感情が無いように見えます。寧ろ舐めているような。


「貴様らは友の()()()が故に手を出さぬようにしておったが…次の行動次第では破壊する。」


友の創作物…?

この流れだと友はソロモン様の事でしょう。

え、レウさんは…天使種の方々は


ソロモン様が創られたということですか?

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