第74話『悪夢の先の小さな幸せ』
1日の自由時間がもっと沢山増えれば良いのに…!
ティリア様もそう思っていることでしょう。親近感。
机の上に置いた書類に目を向けるも内容が入ってこない。
ユムルが城を飛び出したと聞いた時、全身から血の気が引いた。
ついでに重力も逆に感じた。
飛び出したのは夢のせいだと言ったけど…
「坊ちゃん。」
「ベル…。」
扉の近くに立っていた側近はアタシの顔を無表情で見てくる。
アタシを映した鋭い赤色の瞳がふいに細くなった。
「今日の執務はもう良いです。
お嬢様の元へお行きなさい。」
「えっ?」
あのベルが…何ですって?
「今回のお嬢様の件は天使種でもテオでもありません。
彼女の被虐な過去が原因なのです。」
だから行けって?ベルが?
あの冷徹の権化であるベルが?
「何ですその目。
嫌ならそこで張り付いてれば良いですが。
私が行きますので。」
「あ、アタシ行くわ!」
「えぇ、いってらっしゃいませ。」
あのベルが仕事から解放してくれた!
信じられないけど嬉しいわ!
早くユムルの元へ行かないと!
…ベル、ユムルが来てから丸くなった気がする。
ううん、ベルだけじゃない。
ブレイズやみぃんな、雰囲気が丸くなった。
ユムルは不思議な子だわ。
あんなに華奢な女の子一人が城中を無意識に変えていくなんて。
まぁ、あの大きくて真っ黒の宝石の様な瞳で微笑まれたら誰だってイチコロよね。
可愛いもの、可愛すぎてどうにかしちゃいたいくらいよ。
そんな可愛い子を甚振る血の繋がりだけの奴ら、
やっぱ殺しておくべきだったかしら。
アタシは殺っても良いかと思ったけどユムルが嬉しそうにしている姿を想像出来なかったから止めた。
あの子は優しすぎるから自分がどれほど酷い目に遭ったとしても、涙を流すと思った。
今思えば間違いだったかもしれない。
だって夢の中で苦しませるのだから。
でもユムルが家出を決心しなければアタシは彼女に逢えなかった。
運命って素晴らしく残酷ね。
ユムルが酷い目に遭わなければアタシと逢えなかったなんて。
だからアタシがユムルに幸せを、愛をあげるの。
あの子が壊れる寸前で守っていた心の隙間をアタシが埋めるの。
あの子に笑っていて欲しいから。
アタシを思って欲しいから。
考えている内に、いつの間にかユムルの部屋の前まで来ていた。
やだ、瞬間移動で来るつもりだったのに歩いて来ちゃったわ。汗かいてないかしら。
『グルル…』
「シトリ!」
ドアの下の方で伏せている黒狗、シトリが居た。
月光に照らされなければ気づかず蹴って悦ばせるところだった。
シトリは不服と言わんばかりに耳を横にしながら口を開いた。
『ご主人様はずっとティリア様を気にかけておりました。』
「アタシを?」
『この所部屋に篭ってらっしゃる時間が増えご無理されてないか、と。』
嗚呼、なんて優しいの。
貴女は怖い目に遭ったというのにアタシの心配をするなんて。
シトリは尻尾をパタパタと振る。
『意識を手放すその瞬間までご心配なさってました。流石はご主人様だ。』
「ユムルは寝ているのね。」
『えぇ。
眠る事を躊躇われておりましたがね。』
そりゃそうよね。
怖い目に遭ったのだから。
急がなきゃ。
「シトリ、命令よ。
アタシが戻るまでユムルを見守って魘されてたら優しく起こしてあげなさい。」
命令を受けたシトリは人型に戻り跪く。
「畏まりました。」
お風呂、歯磨きエトセトラ全て秒で済ませる!
ベルの手は借りない!
…
「な、何とか早く出来た…。」
お風呂というよりシャワーしか浴びてないし歯磨きも適当…。ユムルの為だから苦ではない。
もし幸せな夢を見ているのなら起こしたくないし、
ユムルに許可を貰って居るし、扉はショートカットしちゃおう。
せぇのっ!
「ティリア様…!」
着地と同時にシトリがアタシを呼ぶ。
珍しいこともあるモノね、と思ったけどユムルの様子がおかしい。
苦しそうな表情、呼吸、額を流れる汗。
間違いなく悪夢に魘されている。
「ボクの呼び掛けに反応しません!
ご主人様!ご主人様!」
本当にシトリに反応しない。
聞こえていないようね。
待ってて、必ず助けるから。
「シトリ、アタシは夢に入る。
ユムルのアフターケア、言わなくても分かるわね?」
「…は。チュチュ=フォルファクスと共にタオルや新たなお召し物をご用意してお待ちしております。」
すっごく嫌そうな顔。
でも分かってくれているから安心できる。
「偉いわ、頼んだわよシトリ。」
ユムル、今行くからね。
…
再び目を開けると辺りは真っ黒だった。
何も感じさせない闇というか、温かくも冷たくもない怖い場所。
こんな所にユムルは一人きりで…!!
前のお花畑は何処へ行ったの!
「ユムル!!何処にいるの!!」
大声を出すものの、響き渡るだけで返事が来ない。
…想いも辿れないから動くしかない。
入れ違いになりませんように!!
「ユム」
パシンッ
「!」
何か聞こえた!
乾いた音が響く中、アタシは直感で踵を返し走った。多分こっち!
どうかあの子が辛い思いをしていませんように。
しかし、その思いは虚しく消えた。
目に飛び込んで来たのは何者かに傷んだ黒髪を乱暴に掴まれているユムルの姿。
あの子の肌は傷だらけで服もボロボロになっていた。
まるで…最初に会った時のよう!!
そして掴んでいる奴の姿はユムルの姉!!
「その手を離しなさいッ!!」
姉を蹴り飛ばす。
が、身体が霧のように分散し感触がない。
でも良い。ユムルが解放された。
「ユムル!!」
「…」
様子がおかしい。目が虚ろだわ。
今のユムルじゃなくて前の…
考えているのも束の間、ユムルまで霧になって消えてしまった。
「どういう事…?」
まだユムルは苦しんでいるの?
なら全部アタシが助ける。
早く、急がなくては。
さっきのユムルが霧になった時、辛い、悲しいといった思いを少し感じた。
多分ユムルの本心。
「本人を助けるには手順を踏めってことね。」
お願い、アタシに助けさせてね。
苦しそうな思いを辿ると、今度はリゼットに捕まっているユムルが居た。
やはりあのユムルもボロボロだわ。
「アンタなんか消えてしまいなさい!
あの方にどれだけの迷惑を掛けていると思っているの!!」
例え夢でもユムルを傷つける者は許さない。
けれどこれはリゼットが代弁しているだけのユムルが自分で言わせている心の鎖…?
何故自分を縛り付けるの?
リゼットから解放したユムルへ視線を向けると
「…ごめ…なさ…」
と呟いて消えてしまった。
大きな瞳から大きな雫を幾つも零しながら。
心が、胸がとても痛い。
ユムルはもっと…比にならないくらい身も心も痛かったはず。
アタシがこんな所で足を止めてはならない。
また強くなった苦しみを辿る。
「別に俺らだって好きで仕えてねぇしな。」
「チュチュ、主様に言われてやってるだけですので。」
「本来のご主人様はティリア様お1人。
貴女の居場所作りの為に仕方なく言ってあげてるんですよ。」
「はははっ…笑顔を向けているのは致し方なくですよ。殺したいのを我慢する為です。」
なんて事…彼女を取り囲んでいるのはユムルのお世話係達じゃない!
あの子達がそんなこと思っているはずないじゃない!
アズもチュチュもシトリもシエルもそんな事を思う子じゃない!!
「ユムルッ!!目を覚ましなさいッ!!」
「…っ私は…」
あの顔、ユムルも分かっている。
けれど心が疑念を生むんだわ。
やっぱり霧になったユムルも心の1部なのでしょう。
こんなに苦しい思いをしていたのね。
表面上だけで分かった気でいた自分が恥ずかしいし申し訳ないわ。
次はより一層強い思いの場所。
「アンタ、何でアタシが拾ってあげたと思っているの。」
この声…
「分かってんでしょ。
そこで野垂れ死にされたら夢見が悪いからよ。
それだけなの。」
あの姿…
「リゼットだって言ってたでしょ。
アタシの隣に相応しくないって。」
間違いない。
「もう出てって。
穀潰しになっているの分かってるわよね。」
アタシだ…ッ!!!
「ユムル!!アタシはこっちよっ!!」
「…」
こんな近くに居るのに声がまるで届いていない!
本心は、ユムルの心の元は間違いなくこの子なのに!!
あんな偽物に耳を傾けているのに!!
「アタシはそんなこと1度たりとも思ってないッ!!」
これまでのように偽物へ蹴りを入れる。
しかし今まで1発で消えていたのにコイツだけは腕でアタシの足を受け止めた。
何なの…!?
「何の為に優しくしてあげたと思っているの?」
邪な理由なんてない!!
貴女と出逢えたのは運命だと思った!!
貴女に笑って欲しいから…!!
「命の恩人なのよ、アタシ。
その恩義に報いようと思わないの?」
アタシがあの子を縛り付けておいて何が命の恩人よ…。
アタシが、城に居てくれる貴女へ恩返しする必要があるのよ。
だから貴女は好きな事を見つけて、生きる理由を見つけるの。
恩義に報いるために生きるなんてアタシが認めない。
しなくて良い事に縛られ生かされているのはおかしいもの。
「天使種だってアンタを狙っているから城にまで来るのよ。」
それはアタシが巻き込んだこと!
アタシのせいでユムルが目をつけられたの!
アタシのせいで狙われているのよ…。
「ベルが呼び鈴を渡したからって良い気にならないことね。」
それはっ…え?渡した?ベルが?
そう言えばそうだったわね。
それは良い気になって良いのよユムル。
あの堅物が呼び鈴をアタシ以外に渡すなんて相当気に入られてるのよ。
あ、待ってベルにイライラしてきた。
「皆気を遣ってあげてるの。
城の雰囲気を壊さないように。」
ウチの子達は我儘で自由奔放で言う事聞かない子達ばかりだけど、皆良い子よ。
城の雰囲気なんてどうでも良い。
「…」
ユムルは俯いたまま。
肩に触れようと試みるも、ユムルをすり抜けてしまう。
一体どうすれば…
「アンタなんかどうでも良いの。
何処へでも行って独りで死に」
「アタシがユムルにそんなこと言う訳ないでしょうがッ!!」
積もった怒りを足に込める。
許さない…!!
ユムルにそう思わせてしまったアタシ自身を!!
「ユムルの心の鎖、消え失せなさいッ!!」
思いの強さと比例し、アタシの偽物は力に屈して消え去った。
「ユムル、アタシの可愛いユムル!」
彼女は涙を流し続けていた。
彼女の小さな顔に手を添え、親指で優しく涙を拭いてあげる。
「やっと触れられた!」
「…」
無言で涙を流し続ける彼女を抱きしめた。
華奢なその身体は力加減が必要なほど繊細だった。
「アタシ貴女の事本当に大好きよ。
貴女はアタシがあぁ言うと思う?」
腕の中の彼女はフルフルと首を横に振った。
やっと意思疎通が出来て安堵しているけれどいつも通りを貫かなくては。
「ふふ、分かっているじゃない。」
「ティリア様…」
「愛しているわ。
世界中の誰よりも。」
本心を伝えると、彼女はやっとアタシを見てくれた。
潤みきった瞳でアタシを映してくれる。
どうか笑って、笑顔の貴女が一番好きよ。
貴女は行動の方が信じてくれる。
だから…
…
「っ!!」
身体が強ばって目が開く。
高い所から落ちたような感覚に襲われたからか数秒考えるという動作が出来なかった。
暗い場所に寝転がっていたアタシはふいに身体を捻り、後ろを見る。
視線の先に心配そうな顔で立っているシトリとチュチュが居た。
「主様!」
「っ…戻られましたか…。」
「え、えぇ。」
夢…ベッドだ…ユムルは起きていない。
けれど魘されていたあの時の顔ではなくなっていた。口角が上がっているわけじゃないし涙が流れた跡がある。一先ず安心かしら。
「…ごめん、ちょっと外出るからユムルの事お願い。」
「「畏まりました。」」
ユムルを起こさないように静かに動き廊下へ出た途端、先程の事を思い出したアタシの顔が尋常じゃないくらい熱くなった。
や、やってしまった〜〜ッ!!!!!!!!
ユムルと!!!!!!!
き、キキキ…キス…
本人の了承無しでとうとうやってしまったわ!!
あーんどうしましょう!!
これで嫌われたら生きていけないわぁ!!
何カッコつけてんのよ!!
了承くらい得なさいよバカ!!アタシのバカ!!
いや……でも夢だし?ノーカン?実質?ノーカンにしてもいい?
ユムルはまだ寝ているし起きてから聞きましょう!
それから考えるの!そうよそうしましょう!
さっさとユムルと寝よーっと!
…
「…」
「「……」」
寝れるわけないわよ。
ずっとユムルに嫌われたらどうしようって考えが頭の中を巡って気が付いたらこんな時間になっていた。
酷い顔であろうアタシをアズとチュチュが見ていた。
「……」
「「……おはよう御座います…。」」
「……おはよ…。」
霞みがかったような頭をゆっくり起こそうとしたその時、ユムルが居ないことに気が付いて一気に覚醒する。
「!?」
「あぁ、ユムル様ならシトリと城内をお散歩中ですよ。」
「シトリと!?何で!?」
教えてくれたアズを捲し立ててしまう。
「ユムル様曰く、急に歩きたくてと。
シトリは勝手について行きました。」
嘘…起きてたはずなのに…まさか意識を失っていた時があった!?寝た気がしていないのに!
微睡んでいたつもりもないのに!
「ユムル様、嬉しそうでしたよ!」
「嬉しそう?」
チュチュは眩しい笑顔で頷いた。
朝から太陽みたいな子ね。
「若様がいらしてくれてたってお気付きになった時が1番嬉しそうでしたよ。な?」
「うん!」
やーね可愛すぎるわ。
見たかった…最悪のタイミングで微睡んだのねアタシ。変な顔で寝てなかったかしら。
せめて迎えの時くらい綺麗でいないと。
「アズ、チュチュ、着替え1式持ってきて。」
「「畏まりました!」」
あ、アタシが部屋に移動すれば良かった。
ダメだ…何かまた眠くなってきた…。
…
「ん…あれ?」
気が付いたらまたベッドの上で横になっていた。
掛け布団がしっかりとアタシの肩まで掛けられてるって事はあれからまた寝ちゃったのね…アタシったら…。
起き上がろうとしたらモソと腕の中で何かが動いた。
「!?」
「あ…ティリア様…」
大きな黒い瞳と目が合った。
間違いなくお散歩に出掛けたはずのユムルだった。
「ゆ、ユムル!?戻ってたの!?」
「あ…えと、はい。少し前に。」
「起こしてくれれば良かったのに…」
そう呟くとユムルはアタシから目を逸らした。
「すみません…お疲れなのだろうと思って…」
しまった、アタシに気を遣ってくれたんだ。
謝ろうとしたアタシの言葉を遮るようにユムルは言葉を紡ぐ。
「…違います、嘘ではありませんが嘘というか…。」
「嘘??」
「すみません。私が…ティリア様と…ご、ご一緒したくて…その…勝手にベッドへ…」
え、ユムルが自分からアタシの腕の中に戻ってきてくれたってこと?
え?それって最高じゃない?
思わずニヤケちゃう!
「とっても嬉しいわユムル!」
「わぁ!」
溢れる愛しさに思わずユムルをぎゅっとしてしまう。
あら、小さな耳が真っ赤!
「ふふ…幸せだわ!」
「えへへ…。
アズィールさんとチュチュさんがまだ早いからって布団を掛けて下さったのです。」
あの2人に感謝しないとね!
2度寝最高…。
「ベルに小突かれるまでこうしてましょ!」
「よ、良いのでしょうか?」
「いいの!
なんてったってアタシ魔王様だもーん。」
そう言うとユムルは笑ってくれた。
嗚呼、その笑顔が好きなの。
好き………
「…」
思わずユムルの小さな唇に目がいった。
「ティリア様?お顔が真っ赤です!」
「あっ!?
いやっ心配しないで大丈夫だから!!」
「そうですか…?
ふふ、ティリア様のお陰で夢を見ずに寝れたのです。
本当にありがとうございます。」
「そうなの?なら良かったわ。」
……?
待て待て待て待って。
なんて言った?
「ユムル?夢見てないの?」
「はい。ティリア様のお陰で熟睡なるものを体感しました。幸せです。」
「ソ、ソッカァ……!」
良い事、そう。いい?これは良い事なのよ。
悪い夢と共に流れ去ったという事は実質ノーカン。
そう、現実でなければ意味が無い。
そして何なら本人の了承を得ていない時点で事故よ、事故。ユムルを悪夢から救う為の事故なの。
救う為の事故って何よ。
「あれ…?
でも夢を見ていたのかもしれません。」
どっち!!!!?
「な、ななな何か思い当たることがあるのかしら?」
「真っ暗な所で独りぼっちでしたが…
ティリア様が助けてくださったような気がします。
微笑みかけてくださって…?」
ような、という事は確信が無い。
つまり断片的な記憶だということ。
これは今日中に忘れちゃうわね。
「夢の中でも貴女を護れているのね。幸せだわ。」
「本当に嬉しいという気持ちがあります。
ティリア様とでしたら怖いものも怖くないです。」
「ウッッッ」
「ティリア様!?」
ユムル可愛すぎ発作が…っ!!
「嗚呼大好きよユムル!愛してる!!」
「私もです。」
ユムルから感じるのは友愛に似た感じのやつ〜!!
恋愛じゃない〜!!それでも良い〜!!
「ユムルと2人きり。
こういう時間が特に好きだわ。」
「…私もです。」
小さな手が、アタシの手に合わさる。
ユムルからは珍しく、自分からアタシの手を握ってきた。
「…えへへ。」
「可愛すぎるわユムル。
死んじゃうわよアタシ。」
「えっ!?」
結局寝もせず2人で喋っていた。
こういう些細な事が幸せだと感じれるのは貴女のおかげなのよ、ユムル。
…
「そして私に小突かれた挙句執務中に寝るとはいい度胸ですね。」
「すみません…。」
昨日の気遣いしてくれるベルは何処へ行ったの?というくらい怖い。いつも手に持っている銀蜘蛛の杖で掌を何回も軽く叩く仕草をしているベルを見るとアレでまた殴られるんじゃないかと思う。
「またお嬢様とお休みになるんでしょう。
さっさと仕事を片付けてしまいなさい。」
「はぁい。」
ベルの言う通り、朝ご飯の時に再びユムルと寝る約束をした。
その約束の為に今日も頑張るわ、アタシ!
城内を散歩すると言ったユムルにシトリは人型の状態で繋げてもらうためのリードを差し出したのですが、その時のユムルの顔を見て初めて本気で(これはやめよう。)と思ったそうな。




