表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
全てを受け止めていたら最強になっていた。  作者: 無双五割、最強にかわいい美少女五割の作品
87/200

終わり良ければ









 ドラゴンは視界が確保されるように口が空いてたりするんだが、その部分をカゲはピッタリ両手で隠していた。


『い、今のナシ……』


「何か問題でも?」


 俺には髪がモワモワしてしまったところが見えただけだ。


「ない、とくにない!」


「じゃあ脱いでも大丈夫だ」


 ドラゴンをカゲから没収してみる。


「また髪が!」


 鏡を見て、膨らむ髪の毛をカゲはペタペタ抑える。


「これは被り物を脱ぐときによくある、大丈夫だ」


「美しく、見られると思っていたのに……」


 辛そうに薬指で目尻を拭うと俺をじっと見てきた。


「エム、直せ……」


「そうだな」



 昔、猿が仲間同士で毛づくろいをしていて不思議に思ったことがある。



 したことないから変に思っていたんだが、今思えばとても賢い。



 自分にできないことを仲間にしてもらうってことだからな!



「カゲの髪は硬いな」


 俺よりも硬いかもしれない。


「硬い髪は、嫌いか……?」


「嫌いと言ったらどうするんだ?」


「柔らかくなるように、手入れを少々」


「今の方が好きだな」


 髪を元に戻したぞと伝えた。


「……髪が変になって、むしろ良かった」


「そうか?」


「カゲは満足している」


 酒場を出る頃には夜になり、予定していた浮気調査の時間が始まる。


 まずは宿の拠点を取り、人数を絞ることにする。


 こっそりする必要があるからな!


「透明になれば楽だ、ルビーには待機してもらいたい」


「にゃーー」



 しかし、寝るつもりはないようだ。



 こういう時にすることは一つ!


「遊ぶぞー」


 人差し指を見せると飛び込んでくる。


「にゃ! にゃにゃ!」


「ちょろいな」


 シュッシュと放たれる猫パンチを避け、本気の遊びに付き合った。


「にゃ、にゃああ……」


「俺の勝ちだな」


 疲れきったルビーをベッドに寝かせると完全に夢に落ちた。


「猫耳族が負けるとは」


 カゲが有り得ないと呟く。



「そうか?」


「そうだ」


 部屋を出て、リドルの方を見る。


「ん?」


「リドル、向こうから鍵をかけてくれるか?」


「いいよー」


 すうっとドアをすり抜け、カチンと鍵が閉まる音が。


「してきたー」


「助かる!」


 カゲは口を開けて心底驚いていた。


「まさか、存在すると思ってなかったのか」


「ああ……」


 依頼によれば、おにぎりセットを頼んだ所の近くらしい。


 実際に向かい、目標の家をこっそり見張る。


「エム、寒い」


「長い戦いになるかもしれないな……」


 カゲの手を握ると手先は冷えきっていた。


「ポケットないのか?」


「……エムのポケットにお邪魔してみたい」


 カゲの手を握ったまま、遠慮なくポケットに逃げ込んでみる。



「ひえっひえだな」


「エムに迷惑をかけたかったわけでは……」


「知ってるぞ、本当は」


「い、言うなっ!」



 暖かくなりたかったんだろって言おうと思ったんだが。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ